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落石!紅葉!川苔山

 気温が高い日が続いたせいか大菩薩は紅葉にまだ早く、秋を満喫というわけにはいかなかった。 そのためちょっと間をおいて次に選んだのは川苔山。 清八山~三つ峠かどちらにするかちょっと迷ったのだが、ヤマレコでチェックして紅葉が確実に楽しめそうなところということでこちらにした。 川苔山自体奥多摩では大岳山と並んでハズレなしの好きな山なのだが、前回は去年の暮れに本仁田山のオマケとして登った時だからちょっと間が空いている。あの時は完全に冬なのに異常に気温が高くアンダーウェア一丁という大神源太のような恰好で登る羽目になったが、今年はどうだろうか。
 
 例年だとこの時期にはもうだいぶ肌寒く、上はもうマイクロフリースでもよさそうなものなのだけれど、朝起きた時に何となくまだ暖かそうだったのでジップアップジャージを着て、寒いようだったらフリースジャケットを着こむという形にした。川乗橋バス停に降り立つと、さすがに山間部だけあって肌寒いのだが、あの異常高温の本仁田山の時ほどではなくてもこれまで何度か来た時よりはぬるい。 細倉橋のトイレの所に着くころにはフリースもヤッケも脱ぐことになるだろうな、と考えつつ歩き出したのだが、歩き出して3分もしないうちに上のほうでカラカラと音がしたかと思うと、目の前2mか3mぐらいのところにPSPぐらいの大きさの薄べったい石が落ちてきてパーンと音を立てた。

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落ちてきた石

 これまで何度かここを通ってきて、右側のガードレールが落石でぐんにゃりひしゃげているのを見ているから、まあ落石自体はあるのだろうなとは判っていたつもりだったが、さすがにジャストタイミングで目の前に落とされると驚く。 というか何も考えずに林道の左側を歩いていたけれど、こんなことがあるのだからなるべく山側でなく谷側(右側)を歩かなくてはならないだろう。

 しかしそんなこともしばらく進んで美しい渓流沿いを歩いていくと忘れて行ってしまう。 川苔山には何度も登ってはいるのだけれど、川乗橋側から登るのはもう3年ぶりなので大まかなことは覚えていても細部の記憶がそろそろ抜け落ちて風化している。とはいえ、 「こんなきれいなとこだっけ」と新鮮な気持ちになれるのだから決して悪いことばかりではないのだ。

 いつもの小休止ポイントの細倉橋のところまで来たのでここのトイレでスッキリしていくか、と思ったのだが、夏の長雨や台風で上流にある発電水車が壊れてしまったらしく、バイオトイレが使用不能になっていた。 微生物が活動できるように保温してモーターでおがくずをかき回して排泄物を分解しているので(要はコンポストと同じ)、電気が使えないとお手上げになってしまうのだ。それほど催しているわけではないのでもっと先で小キジを撃って済ませてしまえばいいのだが、大のほうの人はそうはいかないだろう。 とくに処理が甘く沢に流れ込むと汚染されやすいので早く何とかしてもらいたいところである。 バイオトイレがなかったころの塔ノ岳や御前山は大腸菌汚染で飲用不適になってしまったことがあるのだから。

 とりあえずここでは行動食を軽くつまんですぐに出発。最初の楽しみである百尋の滝へ向かう。 そういえば初めてここを訪れた時にはこの細倉橋のあたりから笙の岩山の肩の部分の尖塔の天辺が色づいていて、青空に向けて伸ばした顔料のついた天然の絵筆のように見えたのだけれど、今日はどうかというとまだ緑が残っていてカラフルな絵筆というわけにはいかなかった。ただこの分だと、もう数百m高度を稼いだ山頂辺りが紅葉真っ盛りなのかもしれない。

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笙ノ岩山の尖塔

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 そうして気分の良い道を進んでいくうちにいよいよ百尋の滝に到着。実際は40ンmなので百尋(約180m)は4倍以上フカした名前ではあるのだが、形のよさのせいか、周囲の地形のせいか非常に雄大に感じる。 とりあえず何も考えずに日の丸スタイル(被写体を写真の真ん中に持ってくる素人にありがちの構図) で撮ってもそれなりに様になってしまうのだ。 しばし見とれながら、今日は早めに登って早めに降りるつもりなので滝見物を切り上げ登山に戻る。

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 ここからしばらく行くと足毛岩方面の分岐に出るのだが、一度として足毛岩方面に入ったことがない。気にはなっているし通ってみたくはあるのだが、本仁田山方面から来た時には足毛岩方面は道が荒れていて通行不可となっていたので、まだ直っていなかったら嫌だな、と今回も通常ルートで行くのだった。まあなにより、この先の木漏れ日が差す、苔むした倒木が転がる道がお気に入りだからというのもあるのだけど・・・

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木漏れ日の差す素敵な道

 足毛岩の分岐を過ぎてしばらく進むとその「お気に入りの道」が現れる。 どちらかといえば谷あいであまり日が差さず、一歩間違えれば急斜面を滝つぼまで真っ逆さま・・・といったような幅が狭く油断のならぬ道から、正面から日が差し滑落の心配もないため緊張を強いられずに歩ける気分の良い道なのだ。 ここまで来てもいまだ紅葉がそれほど進んでいない(単に色づきが例年より良くないだけかもしれないが)のは残念だったが、秋の爽やかな空気の中この道を歩くだけでも来た甲斐はあるというものだ。

 沢のどんづまりまで来ると気分のいい道は終わり、数度の折り返しを経て肩の小屋跡へと出る。 ここまで来てようやくある程度展望が開け、解放感が得られる。 そのまま歩を進めて山頂に到着したが、誰もいなかった 。紅葉シーズンは平日でもそれなりに登山者がいるのだが、朝一のバスで休憩をほとんど取らずに来たので自分が一番乗りだったのかもしれない。

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青空にダケカンバが映える

 とりあえず富士山のほうへ目を向けると、真っ赤に色づいたウチワカエデが枝を伸ばしており、まるで絵を描いたかのようであった。 今年は全体的に色づきがよくなかったが、この頂上から富士山を眺めるところだけ図ったように美しく色づいているのだから面白い。 この眺めを見るためだけに山頂に来ても損はない、というか、今日はこのウチワカエデと富士がこの姿を見せるために自分を吸い寄せたのではないか、と思いたくなるような素晴らしさだった。

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とりあえずこの風景を堪能しながら飯だ! とバーナーで湯を沸かす。 いつもなら湯を注いだカップ麺をまたすぐコッヘルにあけてボコボコ追い炊きするのだが、今日のカップ麺は景品目当てに買ったどん兵衛なのでその手が使えない。風が少しあるのと、低温にあまり強くないカセットコンロのガスを(ホントはやっちゃいけないんだけど)再充填したものなので火力が出ずなかなか湯が沸かなかった。 それでもここまで干し柿とトレイルミックスをつまんだだけなのでアツアツの物を食うとやはり満足感が違う。 あと載せサクサクのかき揚げもなかなかよろしかった。
 
 
 暖かいものを食べて体力を回復したところで素早く下山にうつる。 秋は陽が落ちるのが早いので、以前赤杭尾根でやらかしたようなことをやるとあっという間に日が暮れてしまう。 今回は例のクソつまらないメイン下山ルートなので多少陽が落ちたところで心配することはないのだが、それでもこの時期早いに越したことはない。

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肩の小屋跡の分岐から舟井戸までは比較的綺麗に色づいていた


 何度もここを下っているけれど、杉ノ殿尾根のちょっと下の斜面を通っているこのルートは本当につまらない。 薄っ暗い杉林、聞かない眺望、しかも斜面の北側なので日が傾くと容易に日陰になり薄暗くなってしまう。 舟井戸を過ぎたら見るべきところもないので淡々と降るしかない。まあさっさと帰ってひとっ風呂浴びたいとか安全に下りたい場合はいいのだけどね。

 自分の後に山頂に到着したおじさんがほぼ同じペースでヒタヒタとやや離れて後ろを降りてきており、なんとなくせっつかれる様な感じで早足になった事もあって、鳩ノ巣駅に着いた時にはこれまでに無いほどまだ十分に陽が高かった。 電車が来るまで3~40分ほどあったこともあって、せっかくなので鳩ノ巣渓谷を見ていくことにした。 川苔山にしろ御岳山にしても降りるときにはかなり陽が落ちてしまうことが多かったので、鳩ノ巣渓谷も御岳渓谷も足を延ばす機会がなかったのだが、こういうチャンスには足を延ばしておくべきだろう。

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双龍の滝

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 急斜面にへばりつくように立っている旅館の建物間を縫うように階段を下りていくと、わりかし落差のある「双龍の滝」が出迎える。 ほうほうとさらに降りていくと、ごっつい岩壁と急流が織りなす渓谷美が広がっていた。 惜しむらくは紅葉がイマイチ色づいていない事だったが、これはもう今年の天気のこともあるから仕方ない。  とりあえずかなり豪華なオマケを貰った感じで満足して駅へと戻ったのだが、気になることにこの警告に建っている旅館、一つを除いてすべて潰れてしまっているのだよね。 外国からの旅行者の人たちも都心のホテルに集中するのではなく、こっちの方に泊まってくれるとありがたいのだけれど・・・。
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 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

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