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長沢背稜未踏部分、ついに完踏!(その2 酉谷山~三峰神社)

 天気が良かった分放射冷却で気温が下がるため熟睡できるか不安だったが、狭い小屋に満員でいるせいか、はたまた雲取山より300mほど低いせいか、肌寒さも感じず熟睡することができた。 もう一つ心配なのは同宿者のイビキだが、耳栓をしていれば気付かない程度で安眠を妨害されることなく夜は明けていった。 

 

 鈍足な分朝早く出発するつもりだったが、あまり早く起きて同宿者を起こしてしまうのも気が引けるなあ…と思っていただが、これも同宿の皆さんは自分がぼんやり目を覚まし始めた4時半ごろゴソゴソと起き出したため、心配することもなかった。


 表を見るとすでに朝日は登っているようだが、ここは日向谷の頭の陰になっているので日が差さないまま明るくなってしまうようだ。


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 シュラフを畳んだら早速湯を沸かしてコーンスープを作り、定番の乾パンをボリボリ齧って朝食とする。 本当はタンパク質としてギョニソーも欲しかったのだが、昨日の朝電車に乗る前にコンビニで買っておくのを忘れたのだ。

  

 とりあえず序盤の燃料を腹にぶち込んだら軽くストレッチをしてすぐに出発。 6時までには出発したいと思っていたのが5時10分だからまずは上々。 まだ少し肌寒さが残っているが、歩き始めればすぐに体が畳まるのでフリースは脱いでおいた。


 昨日山頂から戻るときに歩いていたので行福のタオまでは淡々と進む。行福のタオを少し過ぎたところよく目立つ岩と絡みつくように根を延ばした木があり、なんとなく吸い寄せられるように写真を撮っていたら後ろから同宿のおじさんが追い付いてきた。 この人は同じバス便で降り立ち自分が先行させてもらったのだが、三ツドッケや七跳山は巻いたらしくいつの間にか先行して避難小屋についていたのだった。 昨日はおなかの調子が悪く夕食も菓子パン一個で済ませたとのことだったが、回復したのかなかなかいいペースというか足が速い。


 とりあえず一緒に先へ進むと、しばらくして昨日のオスプレーおじさんに追いついた。 テントを張った場所は微妙に傾斜があり熟睡できなかったとのことだが、それでもキッチリ朝一番の登頂者が来る前に撤収して行動開始するのはさすがである。 


 ちなみに建前上テン泊指定地以外にテントを張るのは禁止されているのだけど、そもそも酉谷小屋避難小屋が実質的なテン泊指定地だったところに避難小屋が建って、泊まりたい場合はそこを使うようにというような背景がある。その避難小屋もそれほど大きいものではない(板間5人、土間3人程度)ので、満員になってしまった場合はツェルトなりテントなりを張るしかない。その場合狭い通路を塞いでしまい斜面を歩いて崩落を招きがちな避難小屋のすぐわきに張るよりも、頂上近くに張ったほうがはるかにマシなのだ。 んで、やむなくテントを張る場合、奥多摩ビジターセンターがテン泊禁止のお触れを出していても管轄圏外の秩父(埼玉県)側の斜面に張るというのが暗黙の了解になっていて、このおじさんはしっかり秩父側で張っていたのだった。 まことに清く正しい山男なのである。 実は最初から避難小屋で寝床を確保できることを前提にツェルトを持参しなかったオイラが大変よろしくないのだ。


 さきほどの個性的大岩からオスプレーおじさんに追いつくまでの間にも快適なビバークができそうな所があったので、またここに来ることがあって避難小屋が満員だったらここでビバークもアリだな、などとも思ったのだが、ホントはそれはあかんのである。 ここ以外にも鍋割山から奥の院の間とか、槙寄山の頂上ちょっと西側とか、榧ノ木尾根とか、なんとなく快適にビバークできそうな場所は歩いていると見つかるのだが…。


 ここからは3人でつかず離れず、滝谷ノ峰の巻き道を行く。 ここも境界標を通れば頂上へ行くことはできるのだろうが、さすがにもう不案内な所を外れていく気は起きない。後で調べたら「道標や頂上を示す物は無く、GPS等で確認する感じ。展望も無い。」とのことだから無理して登る必要もないようだ。 


 くるっと頂上を巻くとヘリポートが現れるのだが、ここからの眺めがもう絶景であった。北側が開けており、まるで絵画のようにきちんとした枝ぶりの木の向こうにはギザギザの頂上稜線が個性的な山が見える。 ちゃんと地図で同定すればいいのだが、オスプレーおじさんによると両神山だそうだ。 「標高のわりに遭難が多い山」というイメージしかないのだが、こうやってここから山容を見ると「あーっ登ってみたい!」と思わせる。 ウチからはかなり遠くアクセスが悪そうだが、脳内のいつか登ってみたい山フォルダに収納しておくことにしよう。


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 振り返って南側には天祖山が採石場で削られた痛々しい山肌を見せている。 戦前に天学教会が山頂に神社を据えた信仰の山だが、ここから見るとただただ痛々しい。 そのうちに武甲山のように頂上近くまで削られてしまうのだろうか。 「眺望はないが人が少なく新緑の季節には静かな山登りが楽しめる山」らしいが、そのうちに登ることがあるかもしれないなと思いつつ、ヘリポートの脇を通り水松山へと向かう。

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 水松山も巻いてもいいのだが、一応ちゃんと頂上まで道はつけられているし、「峰」とか「頭」ではなくちゃんと三角点があるれっきとした山のようなので頂上へ向かって歩を進める。 オスプレーおじさんともう一人の同宿のおじさんはこの後雲取山も控えているので体力セーブのため巻いていくようであった。 そうして登った水松山の頂上は七跳山よりちょっとだけ眺望がよく、三角点や手作り山名標がある分「山」らしく、とりあえず踏んでおいてよかったと思わせるところだった。 比較的広く平らだし、適度な間隔で立ち木もあるので、ここもイザいう時のビバークにはよいかもしれない。


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 頂上からは左(西)に下っていけば巻き道と合流できそうだったが、踏み跡がやや不明瞭なこともあってUターンして元の道に戻ることにした。ところが巻き道のほうが一旦下ってまた昇るような感じで結構な距離があり、予想外に時間を食ってしまった。 頂上からなんとなく見えていた合流地点らしき場所がやはりその通りで、まっすぐ突っ切ればだいぶ時間が節約できたのだがまあこういうこともある。 二人はだいぶ先に進んでしまったようで、また静かな一人歩きとなったが、明るい日が差す気持ちのいい道だけあって寂しさを感じない。


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 行く先をぴょこぴょこと飛び回る鳥もいたりして、自然と気分がほぐれる。 そしてこの辺から気付いたのだが、林床の苔の間からかわいらしい花が顔をのぞかせている。 以前の梅のような花(バイカオウレン)と違い、ハート形の三つ葉があるからカタバミか何かなのだろうが、バイカオウレンが終わるとこれが顔を出すのかもしれない。 右谷ノクビレ(重松ヒラキ)からまたしっかりとした登りとなり、長沢山の頂上へと向かう。 この辺は眺望がいいのできつさよりも気分の良さが勝る。 長沢山の頂上へ着くと先行の二人が休憩していた。


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 自分もここで行動食を取って数枚写真を撮って休憩するが、それほど疲れがないので二人と合わせて出発する。 ペースもそれほど変わらないし、この辺は出るかどうかわからないが、熊にも会いにくくなりそうなので3人で行動したほうが安心だろう。


 長沢山の下りから鮮やかな花がまた顔を出してくる。 この次に控える桂谷ノ頭は別名「石楠花ノ頭」であり、その名のとおり稜線上がシャクナゲの群落になっているのだ。そこかしこで淡いピンクの花が咲いており、そのたびに写真だなんだで3人の動きが止まる。 シャクナゲといえば飛龍山の頂上直下がシャクナゲのトンネルになっていると評判なのだが、そこまでいかずともここもなかなかのものだ。 ここにシャクナゲ群落がある事は事前に全くリサーチしていなかったのでこれまた思いがけずボーナスをもらったようで大変得した気分になる。 全く今回の山行は花に祝福されているというべきか。


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 チアガールのポンポンのようにシャクナゲに応援されている感じだが、それが終わると今回の行程で一番きつい場所が現れる。 それがこの芋ノ木ドッケの登りだ。 前回雲取から下って大ダワからの登り返しでは予想外のきつさな上、下り道が不明瞭で伸び放題の枝に邪魔押された挙句額に乗せていたサングラスを紛失してしまい、巻けばよかったと心から後悔したものだったが、今回は逃げようがない。 


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 急に木が増え薄暗くなってきた中、げんなりするような急坂を登っていくが、今日はこの急坂でも小さな楽しみがあった。 かわいらしいイワウチワが登山道わきの斜面にチョコチョコと咲いており、小さな群落があるたびにこれまた3人の足が止まるのであった。


  これまでずっと解決できていなかったのが、こういう森の中で小さな植物を撮るときの各種設定がどうにも要領を得ないことだった。 暗い森の中で接写モードにすれば光量が足りず、ちょっとした風が吹くだけでブレを起こし、フラッシュを焚いたり木漏れ日が差すところの花を撮れば今度は白飛びしてしまうという具合だった。 が、今回、オスプレーおじさんと腰を入れて撮っていることもあってあちこち数値をいじったところ、「日が当たる場所の小さく白い花を撮るときはスーパーマクロ+思い切って露出補正-1.0」にすると白飛びせずバッチリ写るということがようやく掴めたのだった。購入から6年も経つというのに今日の今日までちゃんとマスターしていなかったのもどうかと思うが、これでまたかわいい花があったらちゃんと保存しておくことができる。 こうして一つ収穫ができたことでまた気分がいい。


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 とはいえ、やはり芋ノ木ドッケの登りはきつい。 意外と忘れられがちであるのだが、芋ノ木ドッケの標高は1946mで雲取山に次ぐ東京で二番目の山である。 それが緩やかな雲取山の奥多摩側一般ルートと違い、鋭くとがっているのできついのは当然なのだ。


 ヒィヒィ言いながら登っていると、コヤセドノ頭(犬落ノ頭)のあたりで作業員が道標を設置していた。 そういえばさっきから道標が妙に新しくなっているような気がしたが、この付近の道標を一斉に交換しているらしい。 いくらヘリポート(もう少し上の方の平坦地の木を切り倒して簡易ヘリポートを作ったとのこと)まではヘリが荷揚げしてくれるとは言っても、そこから一本数十kgはある丸太を担いでこなければいけないわけで、その大変さは察するに余りある。 過保護な整備や道標は興ざめすることもなくはないが、やはりこうした通る人も少ない道でもきちんと整備してもらえるのは安全登山にはありがたいものだ。


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 ヤケトの頭を過ぎると木がまばらになりまた眺望が広がってくる。 芋ノ木ドッケ頂上直下はまるで展望台のようになっており、前回雲取山側から登った時の「眺望のないがっかりピーク」のイメージとは180度違う。 一回登っただけで「この山はこういう山」と決めつけてしまうのはいけないということだろう。 花と言い眺望と言い、芋の木ドッケの真の魅力は東側にあったのだ。 

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 頂上では登山道整備の作業員が休憩中だった。 日も差さない、眺望もない、寂しいだけの頂上と思っていたが、こうして数人いるだけでずいぶん雰囲気が変わってしまう。 雲取山へ向かうオスプレーおじさんとはここで別れ、こちらは三峰への下りとなる。 


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 ここから三峰方面の下りは通る人が少ないこともあって(雲取から三峰側に降りる人は巻き道を使うことが多い)下草が伸び放題、踏み跡は不明瞭、目印の赤テープも剥落とわかりにくく、前回はやや怖い思いをした。 もっとも正面には次の目標である白岩山がはっきり見えているのでよほど抜けた人でもない限り迷うことはないと思うのだが、暗くなったり濃霧だったりすればどうなるか分かったものではない。 そんなわけで少し緊張していたのだが、前回はなかった目印テープどころか荷造り用のビニール紐がところどころに張られており、今回は道の見失いようもなかった。
 
 あの荷造り用のビニール紐だからほつれてかなり見苦しくなっているのだが、ありがたいような迷惑なような複雑な気持ちになりながら先へ行く。 前回は途中で右(東)へずれていったようだが、今回はビニール紐に誘導されていくとかなり明白な踏み跡にいきついた。 ここまで明白だと前回ロストしたのはなんだったんだという気分になるが、まあ仕方がない。

 どんどん下っていくとなぜか「芋ノ木ドッケ」の立派な標識が現れ、白岩山との鞍部にたどり着いたことが分かる。なぜ頂上ではなくこの鞍部にこの標識を取り付けたのか釈然としない気分になりつつ白岩山の登り返しを登る。 不思議なことだが、前回はすごくうんざりする登り返しだったのに今回は緩い斜面を歩いていたらいつの間にか白岩山に着いてしまった。 あとは下るだけと思って予想外に厳しい登り返しが何度もあった前回と違い、ある程度登り返しがいくつもあると覚えていて心の準備ができているとこれほど違うものだろうか。

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白岩山の頂上手前 奥秩父の向こうに雪をかぶった南アルプスが見える

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 ここでは写真を数枚撮っただけで休憩はせず先へ進む。下って行った先にはボロボロの小屋がある。 白岩小屋の前では男性が一人休憩していた。 テン泊の人かなと思ったのだが下から登ってきたばかりのようだ。ちなみにこの小屋はすでに管理人が山を降りてしまい、現在は一応雲取山荘の管理下に入っているのだが老朽化がひどくもう営業小屋としての体はなしていない。 冬になったらカギを開けて避難小屋として使っているようだが、窓からのぞき込むと布団は敷きっぱなしで散らかり放題だし、壁や屋根には穴が開いて光が差している。冬にここに泊まったら隙間風が吹き込んでさぞかし寒い事だろう。 とにかくいろんな意味で泊まるのに勇気がいりそうな小屋である。 そういえばここには水場マークが記載されているが、パッと見どこなのかわからない。 スケジュール的にも今後ここで泊まりそうなことはないのだが、水場くらいは知っておきたいなーと思ったのだが…。 こういうところも今現在テン場としても人気がいまいちな理由だろうか(後でヤマレコでテン泊した人のレコを見たところ、水場はやや危険な斜面をだいぶ下ったところとのことだった)。

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 ここからさらに下り、前白岩山、前白岩の肩と小さな登り返しをクリアしていく。勘違いしていたのだが、登り返しは白岩山より前白岩山のほうがキツイのだった。 そしてこの頃になると日も大分上がってきて、暑い。
ザックのショルダーストラップに温度計をつけているのに確認していないのだから無駄だなと思うが、こう直射日光が当たってしまうと正確な数値も出ないだろう。

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前白岩山への途中で見た青くて綺麗な花

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 左(西)側は相変わらず奥秩父方面の展望が良い。 前白岩の肩からの下りのやや危険な露岩帯や鎖馬を越えてお清平に出ると、登山道は広くなりとりあえずは滑落するような危険な場所は無くなる。 そしてまた霧藻ヶ峰へのダラダラした登りに入るが、この登りをクリアしたらいよいよ昼食だ。 

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明るい森の中を行く

 休憩舎にザックを置き、コンパクトストーブで湯を沸かし昨日食べ損ねたカップラーメンを作る。 当初の予定では行動食で済ます予定だが、眺めもいいし休憩にもいい場所でちゃんと食事をとれるのなら食べない手はない。 残りの時間が心配ではあるが、それは妙法ヶ岳で調整すればいいだろう。奥秩父の山を眺めながら食べるカップラーメンはやはりおいしさ格別であった。

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休憩舎からの絶景 右下にはもうゴールのビジターセンターが見える

 さて、昼食を終えたら最後の下りだ。 ここからは眺望もあまりないのでペースを上げる。 ラーメンで時間を取ってしまったので1時半のバスに間に合うように妙法ヶ岳をスルーするか、キッチリ登っておくか微妙な所だったが、炭焼き平まで来たところで「うん、やっぱりキリ良く登っておこう!」と妙法ヶ岳への登りルートを取ってしまった。 前回小ピークから眺めたのっぽさんの帽子のような妙法ヶ岳を思い出し、また頂上を踏みたくなってしまったのだ。

 妙法ヶ岳への道の脇にはまたトウゴクミツバツツジが綺麗に咲いており、最後まで花に恵まれた感じであった。前回より2週間ほど遅いのでとっくに終わっているかと思ったが、気温や機構のせいなのか、栽培品種とは違い少しずつ株ごとの開花時期がずれているからなのか…。とにかくありがたいオマケであった。 
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 奥宮の鳥居の手前には東屋があり、前回はここに重いリュックをデポしていったのだが、今回はなぜか背負ったまま進んでしまう。 タイムロスになるのはわかっているが、暑いので水を手放したくなかったのだ。 

 空荷だとそれほどきつくなかった妙法ヶ岳への登りもフル装備だとそれなりにこたえる。食料は半分以上腹に収まり、水もだいぶ減っているとはいえその他の装備は詰まっているし、5時過ぎから歩き詰めでそろそろ疲れも出てきた。 最後の崩れた階段を鎖をつかんで登り切り、奥宮神社に到着したときには1時50分を回っていた。

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 絶景と満足感に浸りつつも、帰りのバスのことを考えるとまずい。 旧ダイヤなら2時40分ビジターセンター発でこれでも十分ギリギリなのだが、バスが一本増えた新ダイヤでは2時30分に出る。
のんびり写真を撮っていたので時間はもう2時になっている。ここから30分以内で駆け下りろというのはかなり厳しいが、できるだけ飛ばしていく。 

しかし、これは前回よりはるかに無理があった。結局ビジターセンターまでまだ数分かかる最後の鳥居に着いたのは2時37分で、バスはすでに出てしまった後。慌てても仕方ないので、前回もバスにギリギリだったので見ること叶わなかった三峰神社に足を延ばすことにした。

 普通に下の道路から行けばよかったのだが、なんとなく遊歩道のほうから行ったら奥宮遥拝殿のところに出てしまった。 ここは先ほど登ってきた奥宮のある妙法ヶ岳をご神体に見立てた展望式の参拝所であるらしく、東屋に賽銭箱が設えてある。 なるほどここから見る妙法ヶ岳は岩が切り立っていてただならぬ雰囲気である。 上から見下ろしたり、登ってきただけだとどんな形をしているのか今ひとつわからなかったが、こういう形をしているのかと新鮮な驚きがあった。 ここを見ただけでも三峰神社に来たかいがあったかもしれない。 ここから随心門をくぐって本宮拝殿に向かうが、なんか順番がめちゃくちゃな気がしないでもない。

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 それにしてパワースポットとして人気があるだけあって何もかもが非常に大きい。山のてっぺんの御嶽神社もそうだが、こんな秩父の山奥によくまあこんなでかい神社を立てたものだ。 拝殿の前に立っている日本のご神木も樹齢ン百年ということでとにかく大きい。 時間があったら興雲閣でひとっプロと考えないでもなかったのだが、敷地が広いこともあって境内の移動だけでも時間がかかるのでヤマトタケルの銅像なんかを見て回っていたらあっという間に時間が過ぎてしまった。 さすがに次のバスを逃がすわけにはいかないので、余裕をもってバス停に向かう。途中、面白い形の鳥居をくぐったが、これが日本でも有数の三ツ鳥居なのだった。
 
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 こうして小さな 面白オマケをたくさん堪能したら最後は温泉で締めなのだが、道の駅大滝温泉で入るか、武甲温泉に入るかで少し迷ってしまった。 大滝温泉に入ると次のバスまでまた時間が微妙空いてしまうのと、武甲温泉なら横瀬駅から送迎が出ていたはず…というのが頭にあり、西武秩父駅でお土産購入後横瀬駅に降り立ったのだが、送迎バスは土日祭日、または芝桜祭りなどイベントがあるときだけで何もない平日は武甲温泉まで15分ほど歩かねばならないのだった。 これなら大滝温泉に入っておくべきかなと思わなくもなかったが、檜チップのいい香りのする風呂に浸かり、ふろ上がりにみそポテトを頬張ると、そんなことはどうでもよくなってしまうのであった。

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tag : 登山 奥多摩

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Author:piccoli
 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

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