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意外とキツかった三浦アルプス

  首都圏にも雪が降った直後。 体調・準備も良ければ奥多摩にでも行きたかったのだが、仕事は早上がりできないし足も微妙になまってるし、山行の準備もしていなかったので手近でまだ歩いていないところのほうがいい・・・ってなわけで三浦アルプスに決定。 どうせ標高は200m程度だし、そんなに早く出なくていいやと油断していたら盛大に出発が遅れてしまった。 電車の乗り継ぎが非常にうまく行ったのだが、それでも最寄駅に降り立ったのは11時半過ぎ。 普段の山行なら山頂でラーメンの湯を沸かしている時間帯である。

 三浦アルプスに限らずこの手の里山でありがちなのが登山口が住宅地の中にあって見つけづらいことで、ここも例にもれずダウンロードした地図と現在地の照合が微妙にうまくいかず、新興住宅街を何度となく行ったり来たりして無駄に時間をロスしてしまった。
同じく三浦アルプスを攻めると思しき3人組の青年と10分ほどウロウロしてようやく入口の急階段を見つけた時には正午を回っていた。ただでさえ出発が遅いのに困ったもんだ

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 序盤こそ住宅街に近くすぐ下に家屋が見えていたりするのだが、ちょっと進むと両側が深い笹薮になっていてトトロが出てもおかしくないような雰囲気になってくる。 それでも送電線がコースの上を走っていて、途中に鉄塔がいくつも立っているので普段登る1500m級のように深山幽谷という感じではないのだが、踏み跡程度の細く小さな道が縦横に走っているのでやや戸惑う。 だいたいの分岐には手作りの道標が据え付けられているのだが、初めてで慣れないコースなので自分がどの辺まで進んでいてどの分岐にいるのか良く判らないのだ。

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 30分ほど進んだところで鉄塔の下に「FK3」と書かれた立派な道標が設えられている。 ラミネートされた詳細な地図があったので自分の手持ちの地図と比べて見るのだが、推奨コースが微妙に違う。 自分がダウンロードした京急の地図だと、乳頭山から南中峠(六把峠)を経由し、中尾根に並行して南沢沿いを進んで森戸林道との合流点から二子山を目指すのだが、こちらの地図だと馬頭観音を経由して砲台道との合流点から二子山へ向かうか、二子山を通らない南尾根のルートだけに赤線と分岐名称が記載されていて、中尾根とそれに沿ったルートは頼りない細線が引かれているだけである。 自分は京急マップのルートの通り進むつもりだったので、せっかくの詳細地図なのにイマイチ役に立たないが、まあ全然進んでいない事だけはわかった。
 
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 気を取り直して乳頭山へ進むが、手前の何の標識もない展望岩を乳頭山と勘違いしたりして、結局到着は1時前になってしまった。もうちょっとまじめな予定ではこの時点で二子山くらいに到着しているはずなので、眺望を楽しむのもそこそこに踵を返して二子山へのルートへ急ぐ。

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 ここから斜め十字路という道標があるのにイマイチわかりにくい分岐は普通に正しい道に行けたのだが、その次の南中峠の分岐は判り易い道標もなく、なんか斜面の下の方へ降って行くのが気に入らなかったので見通しのきく尾根通しに進んでしまった。実は休憩所が設置されているお勧めルートのほうは下のルートで、上を通ると細かいアップダウンがあるのでややハードなのである。 下のルートは二回ほどちょっとした渡渉があり、雨天時は尾根通しを進むことが推奨されているので別に間違っているわけではないのだが・・・。

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 この辺まで来ると送電線は全く通っていないし、左手(南)には南尾根、右手(北)には樹木越しにツバキ尾根が見えるくらいで、さすがに高度経済成長~バブル時代の開発の魔手を逃れ続けてきただけあって、思いのほか森も深く秘境テイストが味わえる。 惜しむらくは自分が遅出したせいで精神的なゆとりが無く、この思いの外自然の豊かな道もじっくり味わうのでなく、「明るいうちに抜けなければ」と早く脱出することばかりを考えてしまっていることだろう。 二子山は大体三浦半島の真ん中へんに位置しているから行程の半分といっていいのだが、2時にそこまで着けるかどうかも怪しくなっているのだ。 低山だし、二子山まで行ってしまえばあとは降りるだけだし、整備された公園へ抜けるエスケープもあるからもうちょっとどっしり構えてもいいはずなのだが、奥多摩や丹沢、御坂の山々で2時過ぎに頂上にすら着いていないなんて事はまずありえないので、そう簡単には切り替えて思考できない。

 1時40分ごろにようやく森戸林道の終点との合流点に到着するが、冬はこの時刻になるともう太陽の勢いがだいぶ弱くなってくる。 加えて谷あいになるので日陰になり、一気に夕刻が近くなった気がしてしまう。 そしてよろしくないのが、この森戸川の源流で、最上流部のくせにやや濁りがあって今一つ清冽さが無い。 真夏だったら涼しげで気持ちいいと考えられるのだろうが、今日は寒いし風も強いし(マイクロフリースに加えてヤッケをずっと着ている)、薄っ暗いしで、なんとなくホラー映画に出てくる暗ーい森とヨドミを連想してしまったのだ。 

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 とりあえず二子山の頂上に行かないとはじまらないので沢を遡上していくが、ちょっとした渡渉や、踏み込むとじんわり水が浸み出す泥の上を歩いたりなんだりがあったりして、スパッツつけときゃよかったな(持っているけど雪が残っておらず序盤は乾いていたので着けなかった)と後悔する。 沢からちょっと離れて登り始めると、途中でロープ場や道に覆いかぶさっている倒木があったりで思いのほかややこしい。 特に倒木は根っこから倒れたのが斜面をずり落ちて道を塞いでいたりと結構派手なのがあったりするので、夏の台風の後はかなり危険なことになっていてもおかしくない。小さな看板に警告が書かれていたが、決して大げさな脅しではなさそうだ。 

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 砲台道と合流すると道は車が通れるほど広くなり、やや安心する。 頂上には電波塔が建っていたから工事車両がここまでは行ってきていたこともあっただろう。 ただ、道沿いにあったカーブミラーは鏡が無くなって蔓が絡まっていたので、それも大分昔の事だったのかもしれない。

 2時を10分ほど過ぎたところでKDDの電波塔の前を抜けたところが二子山の頂上だ。 雲はなく、空も青く、海も見えるのだが、大楠山に比べると今一つ意気の上がらない眺望だった。 俗物的感覚ではあるが、やはり富士山や丹沢の山々が見えないと物足りない。電波塔の陰になってしまうから仕方ない事ではあるのだが・・・。

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 三ツ峠や大岳山のようにいつまでも眺めていたいような景色でもないので早々に山頂を退去する。 当初の予定では一旦引き返して森戸林道を下る予定だったが、日も大分低くなってしまったので暗い谷あいの道を通りたくない。 さりとて安全かつお気楽な南郷上ノ山公園のルートを通るのは遅出に加えてあまりにも安易すぎはしないかね、という事で下二子山を通っていく完全尾根通しのルートを取る事にした。 一旦下って登るが、まあ大した標高差ではないだろう。 

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 ある程度予想はしていたのだが下二子山は頂上が樹に覆われた眺望の無いガッカリピークであった。 加えてここからの下りはじっとり湿った土の滑り台のような斜面で勢い良く駆け降りるという事が出来ない。 一回など滑って尻餅をついてしまった。 そして最後に阿部倉山のピークを踏んでおくか、巻いてしまうか迷ったのだが、もうゴールは近いし大した手間では有るまいとピンクテープの貼られた小さな分岐を登ったところでまた選択を誤ったことに気付いた。 いや、道を間違っていたわけではないのだが、道そのものが通るべきではないような酷さだったのである。 

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 ツルッツルの土の滑り台で普通に進むことはまず不可能。 どうするかというと、両脇に生えている笹薮や低木の枝を掴んで少しずつ体を引き上げるしかないのだ。 ひとり分しかない道の両脇の笹が全部下向きに倒れているのはこう言う訳だったのだ。
そして着いた阿部倉山の頂上は二子山を超える薄っ暗いガッカリピークであった。 それだけならまだいいのだが、畳数畳分の広さの周りがぐるっと背の高い笹に覆われていて、人目に付きづらく、死体が遺棄されていてもおかしくないような雰囲気である。 日が高いうちならまだいいのだが、冬の3時前と云う時刻は一番焦りが出てくる頃合いでは不気味さも倍増。一刻も早く退散するに限る!と逃げ腰モードになって土の滑り台を退散するのであった。 ここを降りてしまうと登山道の終点はすぐ。  やはり住宅街の中の、こっちから登ろうとしたらまずなかなかわからないだろうなという民家の脇の道を抜けてアスファルトの道に戻ったのであった。

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  開けた道に出ると日はまだあるのだが、海岸まで足を延ばすにはちょっと遅い。 それに碌に昼食を摂っていなくてバテ気味だったので、大人しく新逗子駅までまっすぐ向かう事にする。 ここまで書いていなかったのだが、実はペットボトルの水を忘れていて、バーナーやコッヘルを持っていてもお汁粉屋ココアは作れず、多少余裕があっても二子山で休憩ができなかったのだ。 

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 チョコレートをかじり腹を誤魔化すと、京急のシートに腰を下ろしたが、自分でも気づかないほど疲れていたようだ。上大岡のあたりで寝落ちしてしまい、目を覚ました時には品川まで運ばれていたのだった。チャンxチャン。

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 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

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