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奥多摩三大急登2つめ!本仁田山大休場尾根から川苔山へ

何故かスルー中だった山の一つに本仁田山がある。
奥多摩駅や鳩ノ巣駅からバスに乗らずに登山口へ行けるし、ちょっと足を延ばせば川苔山へも行けるから登っていてもいいはずなのだが、なぜかこれまで疎遠であった。 やはり川苔山だと百尋の滝を見ておきたいとか、三ツドッケから大縦走とかそういう事を考えてしまうからなのだろう。

 が、なんか新しいとこ行ってみよ、となってまだ登っていない手近な奥多摩・丹沢の山をチェックするとこいつはなかなか美味しい山であった。 駅から徒歩で登山口と言うのはもちろんだが、ルートの一つが「大休場尾根」といい、奥多摩三大急登の一つに挙げられているのだ。

この奥多摩三大急登は諸説あって、もう二度ほど登ってる稲村岩尾根が不動の一角なのは間違いないないのだが、残りの二つが大休場尾根だったり三頭山のオツネノ泣き坂だったり、榛の木尾根だったり野陣尾根だったりしてはっきりしないのだが、とりあえずよく上げられているからには登っておかねばなるまい。

そんなわけで今回は本仁田山、これだけではちょっと距離的に物足りなさそうだったので、時間の余裕具合を見て瘤高山から杉ノ殿尾根を下るか、舟井戸から大根の山の神へ下るか、川苔山まで一気に登って赤杭尾根を下る、という計画を立てた。

が、間抜けなことに出発時に家の玄関にストックを置き忘れ、おまけにヘッ電をリュックに入れ忘れていた。気が付いたのは奥多摩駅でGPSロガーに電源を入れる時だったが、日が落ちるのが早いこの時期、4時を過ぎたら暗くなってしまうのに長丁場で下山が遅くなったら対応できなくなってしまう。

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早くも暗雲が垂れ込めるが、「それならさっさと本仁田山だけで切り上げてこうらく(奥多摩駅前の軽食喫茶)で肉天定食でも食べればいいよね♪」と切り替え、あくまで能天気にスタートを切る。 登山口まではわかりにくいかと思いきや、道標や案内板が判り易く設置されているので、迷うことなく辿り着けた。 

さて、いよいよ名にしおう急坂!と緊張しかけたが、入ってすぐ分岐があり「←乳房観音 登山安全祈願 50m」と書かれていた。 これが500mとかだったらスルーしそうであったが、この程度なら寄るに吝かではない。 説明文によるとなんでも源氏の落人がこのへんで銀杏の種をまいて、それがでっかくなったら乳房みたいに垂れてきて(※乳根のこと)、なんかご利益ありそう!て事でこの観音が設置されたとかのことで(超テキトー)、乳癌の快癒祈願にご利益があるとの話だが、樹齢が進んで枯れた後切り倒したら新芽が出てきて2本になったとかいうそっちの方が何となくご利益ありそうな感じである。

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 とりあえず簡単にパンパンと二拍だけして元のルートに戻るが、ここで後ろから来た登山者とすれ違った。 多分一本後の電車で来たのだと思うが、早くもここで追いつかれたというのはなんとなく癪だ。ここんところ金欠と悪天候でトレーニングがご無沙汰になっていて体重増加・足も鈍っているところに体がまだ目覚めていないのが追い打ちをかけているのだとは思うが、いくらなんでもここで10分以上差を詰められるのは酷過ぎる。

 ここでちょっとせっつかれるかのようにスピードを上げたことで乳房観音に向かった登山者にはなかなか追い抜かれることはなかったが、まるで樹の墓場のような枯れ木を切り倒したハゲ地帯を抜けてしばらくしたやや傾斜が緩やかになったところで追い抜かれてしまった。  ちょうどいい頃合いなのでここで着ていたジャケットを脱いだが、太陽も出て、風もなく気温も上がってきたことでかなり汗をかいてしまっていた。 ジャケットの内側が濡れているだけでなく、マイクロフリースもじっとり湿っている。 今日は気温がやや高めの予報とはいえ、山のほうは多少は涼しかろうと思っていたのだが、予想外に気温が上がってしまったのでここでフリースも脱いでしまった。 アンダーウェアの上は普通のジップアップジャージにするか、マイクロフリースにするか迷ったのだが、朝の冷え込みでマイクロフリースを選んだのが大誤算だった。 まさか12月にアンダーウェア一枚、大神源太よろしく透け乳首状態で登山をするとは思わなんだ。

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 追い抜いて行った男性は少しづつ自分を引き離して行って、やがて見えなくなってしまった。  すぐ後ろにつかれていたり、ちょっと前を行かれたりすると微妙にせっつかれてスピードを上げてしまうが、こうなるとダラけて、というか本来の自分ののんびりペースに戻る。 前日なるべく早寝とはいえさすがに3時半起きだとまだ体が目を覚ましていないのだ。

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 それにしてもこの大休場尾根、さすがに斜度だけでいえば前に上げた3大急登のNo.2に入る山だ。 ちょっとバランスを崩して後ろにのけぞるとヒヤッとするし、樹林が切れて見通しが効く辺りでふと振り返るとかなり高度感がある。 道も所々大きな段差や木の根っこ段があり、大きく足を持ち上げないといけなかったりするので、脹脛にかなり負担がかかる。 それでも、運動不足で鈍った筋肉に刺激が与えられているというか錆が落ちるというか、脂肪が燃えるというか、久々にキッチリ身体を追い込んで全身に血流と酸素をいきわたらせている感じで気分が良い。 なにより清浄な奥多摩の森の空気が鼻と肺に優しい。

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 調子が出てきたところで花折戸尾根との合流点に着き、そこからちょっと上るとそこが本仁田山の山頂だった。 時刻は9時5分前、ということで所要時間2時間20分ほど。、標準タイムとほぼ変わらず、まあまあだ。  山頂はそれほど広くなく、山頂の標識はどこかの山岳会が設置した手製の物。 東屋は朽ちかけて使えないが、眺望の開けている方にベンチが据え付けられており、ここは休憩や弁当を使うのになかなか良さそうだ。 それでも今日は時間さえ許せば川苔山まで進む予定なので、ここではジップロックに入れた甘納豆をつまみ、水を飲むだけで休憩を切り上げてすぐに先へ進んだ。

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ずっとストックを使っていると気付かないのだが、今日のように忘れると不安定な道ではだいぶバランスを取りづらいのを実感する。 腕はブラブラさせていると体が振られて余計に消耗するので組んでいるのだが、けっ躓いたりすると咄嗟の時に危険だ。 やはり何か杖状の物が欲しいと思ったあたりで程よい太さの朽木が落ちていたので、蹴り折って長さを整えストックにすることにした。 地面に落ちてからだいぶ日が経っているのか、剥がれかけた外皮の内側に虫がついている上、湿気を吸ってキノコが生えていたりするが、まだ体重を支えるだけの強度は残っているので気にせずに使う。 途中でもう一本拾ってダブルストックにすると俄然調子が出てきた。

分岐の標識があるだけの瘤高山を通過しさらに下って行き、いつもの「ああ・・・稼いだ高度が勿体ない」が膨らんできたところで大ダワに出る。 ここまで降りてくると川苔山や真名井のピークは見えず、瘤高山からの下りで見えた、まるでがけ崩れの後のようなハゲた尾根が上の方へ一直線に続いているのが見えるだけだ。 

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ここからルートは鋸尾根と舟井戸までの巻き道に分かれているのだが、巻き道は桟道が崩落していたりなんだりで物凄くおっかないらしく、地図にも危険マークがついている。 ここで事故るのは嫌なので鋸尾根を登って行くことにしたが、こちらはこちらで凄い急傾斜の上にゴツゴツした岩場と根っこで歩きやすい道ではない。 というか最初の数百mの傾斜は大休場尾根よりきつく、最初の名もない小ピークを越えたところはかなりややっこしい痩せ尾根で巻く必要があったりと、こっちはこっちでそれなりに危険な道だったのだった。

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潜ります

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危なっかしい痩せ尾根 怖いので巻いた

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 小ピークには低い方から三峰、二峰と標高の書いた山名票がぶら下げており、これはなかなか励みになってうれしい。 カマボコ板よりちょっと大きめで、文字は彫り込んだうえに書かれており、これだとしばらくは褪せずに役割を果たしてくれそうだ。

 さて、第三峰と第二峰の間にはトラロープが張られたちょっとした岩場があり、ここでストック代わりの枝は捨てざるを得なくなってしまった。 まあこのあとの舟井戸から先は何度も通っているし、無きゃ無いでいいのだが、舟井戸から山頂までの緩い斜面こそダブルストックで軽快に飛ばしたかったなあ・・・と思わなくもない。

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 第一峰をちょっと降るとそこは舟井戸の分岐の合流点だった。いつもは川乗橋から川苔山に登って、ここから大根ノ山ノ神のほうに降りてしまうのだが、横目で見やって通り過ぎていたルートを通ってきたわけでやや感慨深い。
 
 小屋の分岐までの道を登って行くと、山頂から下りてきたらしい初老の男性が向こうからやってきたので挨拶を交わす。 昨年の大菩薩の時と同じく、二言目にはお互い「暑いですねー!」と季節はずれな言葉が飛び出した。 「山のほうはもうちょっと寒いと思ったんだけど・・・」と、この男性も薄手のジップアップジャージ一枚で困惑顔であった。

 なんとなく同志を見つけたような気分になり、茶屋跡の分岐から川苔山への最後の登りへ向かう。 ここは日当たりもいいしとりあえず平坦でベンチもあるし、どちらから登ってきても何となくほっとするところだ。 ここから山頂への道も広いし迷いようがないので少し気が緩む。 川乗橋側から登ってきたと思しき先行の男性をアクセントに写真を一枚撮ってから後を追う。

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 そして11時23分に川苔山到着。 昭文社マップのタイムより20分ちょっと遅いのではあるが、とりあえず12時には着いておきたかったのでほっとした。  山頂で正しく頂上ラーメンを食ったら、12時ちょっと前に下山を開始。  古里駅から赤杭尾根を登ってきたという年配の女性登山者の健脚ぶりに驚きつつ、自分も赤杭尾根を下って行く。

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 とにかく早く降りられるのは舟井戸から杉ノ殿尾根のちょっと下を並走して大根ノ山ノ神へ至る道だが、ココは舟井戸以降は眺望が全くなく、薄っ暗い杉林の中を下って行くためとても退屈で、時間に余裕が無く疲れきっている時しか使いたくないのだ。

 そんなわけで川井駅まで長ーい尾根道を下って行く赤杭尾根を選んだが、冬は日が落ちるのが早いので4時までに降りないとヤバい。前回ここを通った時には途中で一緒になった人と二人揃って真名井林道を間違って下って行き、途中で気付いて戻るというポカをやったが、それでも3時間40分程度で下れたはず。  まあ何とかなるでしょうと思いながらも、前回よりまるまる1か月遅い時期だし、山頂を後にしたのも40分ほど遅い。 まだ正午ちょっと回ったあたりなのだが、気は急いてしまい歩きやすい尾根道を小走りになって駆け下りる。
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エビ小屋山へ

 杉ノ殿尾根の陰になっているためずっと薄暗いメジャールートより遥かにマシなのだが、12月ともなると昼間の太陽でも霞に隠れただけでかなり心もとない。 それでも前回はスルーしてしまった尾根上の小ピークであるエビ小屋山を律儀に踏みに行ったりするのであった。 ここでしくじったのはエビ小屋山は山頂までルートがついているのだが、そのまま先に進んで行って登山道に合流する道はなく、一旦分岐に戻らねばならない。 ところが山頂から先にわりとすぐ分かる踏み跡がついていたので「このまま進んだら合流できるんじゃね?」と直進してしまった。

 結局この踏み跡は単なる森林整備の作業道で、 降れど降れど登山道に合流しないのだが、間抜けなことにそのまま杉林の作業道のような踏み跡を標高差にして100m近く降りてしまった。 さすがに不安になったので引き返すことにしたが、そのまま進んでいたら妙な沢に入り込んでそのまま骨になっていたかもしれない。

 結局30分ほど無駄にしてエビ小屋山に戻り、ロスした時間を取り戻すために再び駆け降りる。 桃の木平と赤杭山の間にある展望スポットも数枚写真を撮っただけで通過し、時間が合ったら道なき斜面を駆けのぼって頂上を踏んだであろう三ノ戸山もスルー。 エビ小屋山でタイムロスしたことで日も大分下りてしまい、ここまで降りてくると赤杭尾根も樹が密になって薄暗いので気が急いてくる。

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赤杭山頂上手前の絶景スポットから

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 そんな状況の時に限って小さな倒木が何本も登山道に倒れ掛かっていたり、ちょっとした滑りやすいガレがあったりでなかなかスピードを出させてもらえない。

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本体水平であるべき踏み跡が・・・

 最後に小さな方向指示票を見落とすと道を見失いやすいヤブで見事に道を見失い、ようやく川井の配水ポンプに到着。 ここからロープの張られた長ーく滑り易ーいザレ場をずいずいと下って行き、ようやく登山道は終了。車道をしばらく進んで3時40分過ぎに川井駅に到着。 何とか4時前に駅に到着したことを祝して自販機で冷たいコーラを購入。 信じられないことだが、この時点でまだアンダーウェア一丁のままなのでありました。


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最後のロープ場



 
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Author:piccoli
 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

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