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奥秩父でテン泊登山(その3~2日目・金峰山~)


 ぶつ切りの眠りから今一つスッキリしない目を覚ますと、時計は3時40分。 4時に起きてメシ食ってさっさと出発の予定なのだが、さすがに簡単には起きられず寝袋の中で数十分うだうだしてからようやくテントからはい出した。 周りのテントはまだ灯りがついていないので、極力音を立てず湯を沸かし朝食の用意をする。 雲取山の時と同様、乾パン、ギョニソーにインスタントのオニオンスープだ。
簡単な朝食を済ませたら小さなコッヘルとコンパクトストーブだけザックに入れ、テントの入り口を閉め山小屋のほうへ向かう。いくつかのテントは灯りが点き、ベンチではストレッチをしている人がいた。 さすがに山屋は朝が早い。

 トイレを済ませGPSロガーのスイッチを入れたらヘッドランプの灯りを頼りに素早く出発する。 この時点で一番早い出発かと思ったのだが、後でヤマレコを読んだら夜中の2:30ごろにトイレに起きたタイミングで目覚めてしまいそのまま出発した人がいたようだ。

 朝方は割と冷えたのでフリースを着たまま出発したが、すぐに暑くなって脱ぐ羽目になった。 ウィンドジャケットがあるのだからフリースはテン場で脱いでおき、多少の朝の冷え込みは我慢して歩くか、フリースではなくユニクロのペナペナダウンジャケットにしておけば良かったかもとも思ったが仕方がない。 さらに高度上げれば気温も下がって、山頂に着いたら冷たい風が吹いているかもしれないではないか。
 
 山小屋からしばらくは道幅も広く、多少ガレているとはいえ思いのほか歩き易かったのでヘッ電の灯りでも心許なくなるようなことは無く助かった。 2年前の甲斐駒では同宿で同時に出発した3人がゴーロ帯で揃って道を見失ってしまったし、木曽駒では街頭のある舗装道路なのに標準タイムより時間がかかってしまったのだから。

 が、そこそこ歩き易い道とは言っても自分の鈍足が変わるわけでもなく、空が白み始めた頃、鷹見岩の分岐の辺りでテン泊装備を背負った二人組の青年に追い抜かれた。 重量ではほとんどテン場にデポしてあるこちらがはるかにアドバンテージがあるのに情けない。 やはりぶつ切り睡眠ですっきりしていないせいなのか、8月からの天候不順で鈍り切ってしまっているのか、昨日の疲れが抜けていないのか。 鷹見岩は金峰山を眺める展望台として良い所らしいのだが、このスピードと先の長さを考えるととても寄り道する気にはなれない。  ヤマケイガイドにも「ここは先を急ごう」と書いてあるのでその通りにスルーして大日小屋に到着。 ここは素泊まりで寝具・食事の用意も自分でしなければいけないが、2000円と安いので大弛峠出発時の宿泊場所としてを検討したこともあった。 追い抜いた二人組の青年達に後で聞いたところによると、宿泊している登山者は一組の夫婦だけだったようだ。 連休後半ともなると設備やサービスが充実していない、半端な場所にある小屋はガラガラになってしまうのだろう。

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大日小屋

 ここでの休憩はすぐに切り上げ先を急ぐ。 どの山でもそうだが、台風一過とかよほどパワーのある高気圧が居座っている時でないと朝のうちはスッキリ晴れていても10時~11時ぐらいになると気温が上がり上昇気流が発生して山頂の辺りは雲と言うかガスが発生してしまう。なので、出来れば8~9時ごろ登頂しておきたいのだ。

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 少しずつ体も目が覚めてきたが、大日小屋を過ぎるとだんだん道も険しくなってくる。  大日岩の基部に来ると急登と共にすべすべの岩場と鎖場が現われた。 さすがにここは無きゃ無いで済むような鎖場ではないので、ストックを畳んで大人しく鎖に頼る。上のほうに見える大日岩はつるんとした丸みを帯びた巨岩で、真っ先に連想するのはタコと言うかハゲ頭だ。 昔の人にとっては神々しく大日如来を思わせたであろう岩も、信心も感性も乏しい40男にかかると台無しなのであった。

 基部の鎖場をクリアしてふと見渡すと、つい先ほどまで朝の靄と言うか、薄い雲が空を覆っていたのが、朝の光と共に払われ青空が広がっていた。南から西の方が開けているのでそちらに目を向けると、澄んだ青空に黒々と八ヶ岳と南アルプスの峰々が聳えているのが見えた。

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 この景色を見た時ようやく、「ああ!来てよかった!」「奥秩父を選んだのは間違いではなかった!」と心の底から思えた。 甲斐駒は「遠くから見えたあの山を登ってみたい!」木曽駒は「甲斐駒登ったから対になるあっちも登ってみたい」 みたいな動機づけもあったし、麓から見た時点で只ならぬ山容やカール、紅葉といった判り易い事前の期待もあったのであるが、今回は穂高(上高地、涸沢)や八ヶ岳(キレット)がダメだった際の補欠的な位置づけだったこともあって、どこら辺まで燃えられるというかこちらを楽しませてもらえるのかいまいち未知数なところがあったのだ。 

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上部鎖場

それがこのチョコチョコ鎖場が出てくる適度な難易度のところに広がっていた展望は、「うん、俺はこういう景色を見る為にここに来たんだよ!」と言いたくなるぐらいの素晴らしさで、この時点で合格ラインの満足感と言うか、下世話な言い方をすれば「元は十分取ったな!」という気持ちを抱かせてくれた。 当然これから先はもっとすごい展望があるはずで、そのワクワク感からここにきてようやく目はシャッキリ覚め、体も軽くなってきた気がした。もっとも長雨で鈍った体にすぐ変化が現れるはずもなく、相変わらず歩みは遅いままなのだけど・・・

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八ヶ岳

上部の鎖もクリアして大日岩の分岐まで来ると、先行していた先ほどの二人組が休憩していたので、ここで自分も行動食をつまみ、小休止を取る。  甘酸っぱいドライマンゴーがとてもうまい。二人は金峰山の山頂からは大弛峠ではなく、廻り目平の方に降りるという。 最短・最易なルートをとらないその意気やよし!

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大日岩

 大日岩の先からは、ググッと登り坂が厳しくなる。脹脛や太ももにより負担がかかるように段差は大きくなり、樹の根っこやガレた石はストックを突いたり足を置くときに微妙に安定しなかったりする。 ここを登っていて真っ先に思い出したのは塔ノ岳のバカ尾根だ。 傾斜の具合といい、足の負担のかかり具合といい大変似ている。大日岩の鎖場で畳んでザックに括り付けたストックは戻すのを一本だけにしておいたのだが、ときおり手を付いたり木の根を掴んだりしたくなる段差が出てくるので、これは正解だった。傾斜だけでいえば稲村岩尾根のほうがきついのだが・・・。 それにしても木曽駒では宝剣を除きほとんど全行程をダブルストックで行けたのに、瑞牆・金峰山ともT型一本でいたほうが良いくらいだ。

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しばらく急峻な登りがあったと思うとインターバルとばかりに緩斜面や平坦地が出てくるのだが、この長さと言うか間隔がまた絶妙で、感覚的には図ったように交互に現れるのだ。 おかげでバカ尾根に比べればウンザリすることもなく生えているキノコや苔を愛でる余裕もあった。

そして この急坂でまた一人に抜かれたのだが、この人はなんか見覚えがある。 昨日ずっとオイラの前を歩いてたイケメン青年だ。 オリーブグリーンのライペン・ポケッタブルパックを背負っていて、「ああこれ、自分も買おうかどうか迷ってたんだよなあ」などと考えながらずっとケツに着いていたのだった。  自分のようにカップ麺だのフリースだのを入れてるかわからないが、多分カメラ以外は厳選してコンパクトにまとめているのであろう。 なんとなくデキそうな外見同様歩みは着実で、少しずつ自分を引き離していく。

 別に競争しているわけではないが、あまり抜かれてばっかなのも気分が悪いので、後半に差し支えない範囲でスピードアップを図る。 そうして大日岩から一時間ほど歩いた辺りでこの登山のハイライトともいえる場所に躍り出た。ごろんごろんと不安定な姿勢で転がってる岩の下は切れ落ちた断崖、周囲は超絶景スポットとなる『砂払いノ頭』である。

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「うあっ・・・うおぅ・・・」

思わず感嘆の声が漏れる。 青い空にまっ黒く屹立する富士山、日本刀の波紋のような南アルプスの峰々、振り返ると八ヶ岳。 カメラの電池残量がやばいのだが、ここではパシャパシャとシャッターを切る誘惑に抗えなかった。一眼レフを持って撮影に勤しんでいる先行していた二人組にも写真を頼んだが、後で見たら案の定疲労時に絶景を見ると出てくる例の気持ち悪い錯乱笑顔になっていた。

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うへへへへ

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 前方はなかなか険しそうな岩稜帯だが、何の!俺はもっと厳しい甲斐駒もクリアしたのだ!と気持ちを奮い立たせて先へ進む。 少し進んでから振り返ると、砂払いノ頭の次の岩場ははジャヌー北壁のミニチュアのような形をしていた。おもわずククッと笑いが出る。

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砂払いノ頭のちょっと先から見た時が一番きれいだった

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ジャヌー岩

 絶景に見とれて足を踏み外さないように進み(大股で飛び越えなければいけないような巨大な転石が多いのだ)、ややこしい鎖場を越えると「千代の吹上」に出る。 砂払いノ頭からさらに高度が上がり、ここからは昨日登った瑞牆山がまるでジオラマのように見える。  自分が登った山を遠くから眺めて「ああ、あそこ登ったんだよなあ」とニマニマすることはあるが、こんなふうに上から見下ろすのは初めての体験だ。

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天然盆栽

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鎖場

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瑞牆山が小さな箱庭のよう


 岩稜の先には筆のような岩が見えてきた。 そして斜面に生えている低木は黄色からうっすりオレンジ色になっている。 この高度ではついに紅葉の季節がやってきたのだ。 気温は予報通りなら10℃前後しかないのだろうが、風はないし肌寒さは感じない。 8時を過ぎて日も高く上がってきたのでサングラスを付けたほうが良い気もするが、出すのが面倒になってそのまま進むことにした。 

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 はるか遠くに見えていたが、筆のような岩はいつの間にか近くに寄ってきており、その先の高いところより先は何もなさそうな感じである。 そして岩のてっぺんには人が乗っている。・・・という事は、あれは五丈岩?そして頂上!? 五丈岩は頂上から撮った台座のような写真しか見ていなかったので、遠く下から見上げるとこんな筆のようになっているとは思わなかった。

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近くまで来るとやはりなにか儀式に使われる何かのようにデカい岩で、やはり間違いなく五丈岩であった。

五丈岩の左をすり抜けるとそこは広場のようになっており、ここが金峰山の頂上台座のようだ。 少し先の方にある人が集っている岩場はもう少し高くなっていて、あそこが三角点や最高点がある場所だろう。 やっと着いたのだ! そちらに向かう前にまずはぐるっと五丈岩の裏側に回ってみると、 富士山や南アルプス方面が開け、また凄く絵になる素敵な岩のテラスが登場した。 とりあえずここで近くにいる人に写真をお願いする。

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ドヤァァァァ



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岩のテラスにいた若者が降りてきたところで撮影をお願いし、「いかにもアウトドア用品の広告っぽい写真」を撮ってもらう。 有難い事に砂払いノ頭や千代の吹上で何枚も撮ったにもかかわらずバッテリーは保ってくれていた。 顔をカメラの方に向けず、はるか遠くのほうを眺めている風でパチリ。  もうちょっと前に出た方がサマになるのだが、ここで転落したらダーウィン賞エントリー並みのバカなので自嘲しておく。

 今度は「ここからかっこいい写真を撮れますよ」と通りがかりの青年に勧めて自分が撮る係になるが、受け取ったのはiPhoneで、これは意外と広角が効かないのでイカス感じに撮れず、代わりに自分のカメラで撮ってヤマレコにアップし後で勝手にダウンロードしてもらうことにした。

 満足いく写真が撮れたので、ここっでやっと真の山頂と言うか、三角点と最高点のある岩場に移動を開始する。 移動というと大げさのようだが、金峰山の山頂はちょっとした公園ぐらいに広いのだ。 最高点はゴツゴツした岩場で乗れるようになっていて、この上に立つと五丈岩のてっぺんより高くなり、八ヶ岳をバックに五丈岩を入れたとてもいい感じの写真が撮れる。 ここでまた数枚パシャパシャとシャッターを切りつつぐるりとまわりを見渡すが、どうしても八ヶ岳、南アルプス、富士山と昨日登った瑞牆山ばかり目が行ってしまい、東の方にある国師ヶ岳や北奥千丈岳はいまひとつ印象に残らないのであった。

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こっちはあんまり印象に残らない

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八ヶ岳と瑞牆山のコラボ。 良い

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ここが最高点


 撮影タイムの後はいよいよ待ちに待った山頂ラーメンタイムだ。 別に無理してラーメンにしなくともよいのであるが、長丁場の断行では歩きながら行動食だけで終わらせてしまう事も多いので、泊りがけの遠征で山頂である程度時間を取れるときぐらいは火を使って何か温かいものを作って食べたいのだ。 なんというか、余裕を持って登れた証と言うか儀式みたいなもんである。 これが冬場でさらにグレードアップするとパック入りオデンとお汁粉になるのである。

 ラーメンを作ってアミノ酸サプリを飲み下すために一口飲むと、飲用とは別に小さなハイドレーションパックに入れておいた水はちょうど無くなった。 こうして奇麗に使い切ると計算通りでちょっと気分が良い。 山頂のさわやかな空気と良い眺め、軽い朝食と行動食だけで4時間歩いたことで減った腹には、クリエイトSDで買った98円のカップ麺でも素晴らしいごちそうだ。ハッフハッフズルズルとカップ麺をむさぼり、腹がくちくなったところで最後の仕事が残っている。 山頂でコーヒーを飲んでまったりしている山ガールにお願いして五丈岩やらせアタックの写真を撮ってもらうのだ。

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よいしょー

 ある程度登攀の技術と根性があれば登れるらしいのだが、自分はクライミング・ボルダリングの講習を受けたこともなければデブってしまった上に上腕の力がかなり弱いのでてっぺんまで行けない事は判っている。 仮に登れたとしても降りるときに危ないので、全面的に逃げの姿勢で天辺の二段から三段下のところまでにしておいた。 宝剣岳にしてもここにしても天辺まで登れたらまた達成感が違うのだろうけど・・・。

 山頂も満喫し、やりたかった事もすべて済ませたのでもう一度くるりと周りを見渡し下山に移る。 驚いたことに、五丈岩に攀じ登っている間に物凄い勢いで下のほうから雲が湧きあがってきており、いつの間にか八ヶ岳も南アルプスも雲に隠れてしまっていた。 雲海から顔を出しているのは富士山だけとなり、行く手の稜線にも下から吹き上がってきたガスがかかりはじめている。 陽が登るとともに気温も上がり、上昇気流が発生して雲が上がってきたのだろうか。

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 金峰山荘(頂上直下にある)に泊まって御来光を狙って早朝登った人からは朝の雲に巻かれ不発だったと聞いていたので、スッキリ晴れて大展望が広がっていたのは恐らく朝8~10時の2時間程度という事になる。 これより後から登頂する人は雲海は見事なものの南アルプスや八ヶ岳の姿は望めないわけで、つくづく自分のタイミングの良さというか、朝5時に出発するスケジュールがツボにハマった事にほくそ笑まざるを得なかった。「もうちょっと明るくなってから出よう」などと言っていたら、登頂は今頃になっていたのだろうから。 

 稜線を下って行くと、前の方に見えるギザギザの小ピークが雲と言うかガスに巻かれなかなかいい雰囲気である。 ずっとガスに巻かれて眺望が効かないのは困るが、行きと帰りで違った雰囲気を味わえるのはなかなか気分がよろしい。

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 それにしても登ってくるときはとにかく夢中だったのであまり意識しなかったが、千代の吹上の辺りはずっと下を巻いていくのかと思いきや、丁寧に上のほうを通っているので遠くから見るとなかなかスリリングである。 切れ落ちた南側でなく、なだらかな北側なのでそれほど恐怖感は無かったが、この写真だけ見せられたらちょっと二の足を踏んでいたかもしれない。
 
 気分よく下って行ったのだが、登って行く途中と山頂の絶景でお腹いっぱいになってしまったのか、自分でも思っていた以上に疲れていたのか、ぶつ切りの浅い眠りが祟ったのか判らないが、思いのほか足は軽やかに動かず、次々に下山していく人に抜かれてしまった。 山頂で写真を撮っていた山ガールや、ライペンの青年などがどんどん自分を引き離していく。 少しペースを上げようと思っていても足がついていないというか、さっきラーメンを食ったばかりだからガス欠という事は無いのだが、まるで水中で歩いているようにスピードが上がらない。膝や脹脛が痛いわけでもないので、頭と言うか心のどこかで「もうそんなに急がなくてもいいじゃん、雨降ってるわけでもなし」と勝手に判断してしまったのかもしれない。

 砂払いノ頭を過ぎると樹林帯となって眺望も効かなくなってくるのでテンションも微妙に下がりさらにスピードがダウンして来る。 森の中に入ると完全にガスの中に入ってしまい、下りでコケないように気を使うのであまりスピードも出せないし、この辺からは眺望や広葉よりも豊富なキノコが慰めであった。
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 そういえば山小屋の人が秋の長雨で今年はキノコ大豊作!場所は言えないけどマツタケもすごい!と言っていたが、こんな標高2000moverで気温も低そうなのにあっちこっちポコポコ生えているのが意外であった。 テン場では色鮮やかなベニテングがあちこちに生えていたが、登山道脇には見るからにヤバそうなやつとか、一見美味しそうだけどヤバい奴とか、食べられるのか食べられないのかよくわかんない奴とかいろいろである。

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スギヒラタケ

 中になまっちろいキクラゲのようなのがあり、これは白キクラゲ?確か食える奴だったよな・・・と一人合点していたのだが、後でキノコ図鑑を調べたらスギヒラタケというヤツで、手持ちの古い図鑑だと「食」マークがついているのだが、実際には顕在化していなかったものの2割近い確率で中毒を起こしており、後になって毒キノコに分類された・・・という危なっかしい奴であった。くわばらくわばら。

 そんなこんなでキノコに目をやりつつ、なぜか高級なLEKIのカーボンストックのロワーシャフトが木の根っこ挟まっていたりするのを回収したりしながら下降を続け、ようやく大日岩まで降りてきた。 この辺りまで来ると完全にどんより曇ってしまいテンションもダダ下がりであるが、山小屋でジビエのソーセージと地ビールもいいな、それとも温泉かな、などと降りた後の快楽に思いをはせて何とかやる気を維持した。  なんとなく前方でカチャカチャと音がするのでスピードを上げると、ストックの金属製の石突がガレ場の石ころと当たる音のようだった。 ほぼ同じペースなのでなかなか差が縮まらないが、この先行者にペースメーカーになってもらったおかげでダレがちな最終段階もひどくスピードが落ちることなく下りきれた。 概ねコースタイムピッタリなので甲斐駒の時のようにはいかなかったが、あの時は前後をいいペースの人に挟まれて追い立てられるように下ったのと、バスの時間に間に合うよう必死だったから事情が違う。

とりあえずトイレですっきりした後テン場に戻り、休憩もそこそこに荷物を片付けテントを撤収した。テン場に落ちていた忘れ物を小屋に届けるために小屋に向かったのだが、疲れの為か下りながら羊羹やらゼリーやらダラダラ行動食を口に放り込んでいた為か食欲が出ず、ビールとジビエのソーセージは食べる気が失せてしまった。代わりに小屋バッヂ(金峰山のバッヂは針のバランスが悪く、危ない!)とお土産用地ビールを購入しバス停へ向かう。が、途中に「バッテリー落としてないかな」などと里宮様に寄り道したりせいでタッチの差でバスを逃してしまった。 これで1時間無駄にしたせいで帰りの温泉の時間がやばくなったが、次にいつ来れるかわからないし何より頭が痒くて仕方が無かったので、終バスギリギリで帰ればいいやと温泉に寄る事に決めた。 土日祭日は遅い時間に一本増発便があるおかげで寄り道が可能だったのだ!

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温泉

 立ち寄った増富ラジウム温泉増富の湯は25~37℃のヌル湯冷泉で、どっちかと言えばアツアツのに浸かって芯から温まりたい!と思っている自分には物足りないかなと思ったが、意外や意外。冷たい温泉に浸かっていると体で温められた水が膜のように体を包むのか、冷たい水の刺激を受けたことで体が熱を発生させようと反応するのか、ほんのりと体が温まってくるのである。

このぬる~いラジウム鉱泉の効能かわからないが、ハードな山行をした翌日は大体脹脛や太腿がバキバキになって仕事に差し支えるところが、今回はあまり疲れが残らず普通に動けたのが意外であった。

 泉質のせいか浴場の内装のかなりの部分に錆が出てきたりで、小菅の湯やこまくさの湯、武甲温泉といったこれまでの温泉に比べると設備はだいぶくたびれた印象が残ったが、疲れが取れる事には間違いが無いので金峰山や瑞牆山に登った際には立ち寄るのが良いと思う。 ちなみにここの入湯料の一部が富士見平小屋の維持管理費となっている。 でかいザックを置いておくザック置き場もあるし、貴重品用ロッカーも無料なのでなかなか使い勝手も良い。

ちなみにもうちょっとバスで下ったところにある山梨フラワーセンターハイジ村にも温泉施設(クララ館)があって、眺望はこちらのほうが良いようだ。

 さて、タイミングが悪いことに温泉から上がったあたりで腹が減りだしたのだが、終バスの時間まで間が無いので食堂を使う余裕もない。 バスの車窓に映える鳳凰三山と甲斐駒ケ岳に感嘆しつつも頭の片隅は食べることに支配されていた。とりあえず韮崎でほうとうでも食おうかと思ったのだが、駅前にそれらしい飲食店が無く、「ここまで来て立ち食いそばもねえよな…」という事で昼食・夕食とも抜きになってしまい、残った行動食のマンゴーで腹をごまかすしかなかった。 遠征の楽しみの一つである地元の美味い物を食べるにはやはりもう少し時間的余裕が必要なわけで、無駄な寄り道が命取りになる事もあるのだなあと反省しきりであった。

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コメント

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No title

Piccoliさん、こんにちは。

いやあ、素晴らしいですねえ!天候にも恵まれたようだし、羨ましい限りです。
こっちは北岳はもうあきらめました。ひょっとしたら私も同じ山に登るかもしれません。

でも初日の瑞牆山荘への到着時間が10時45分になりそうなんで、両方は無理そうだから富士見小屋に一泊して翌日瑞牆山だけに登るつもりです。

で、初日は大日岩まででUターンしようかなと思っていたのですが、これ読むと砂払ノ頭まで行きたくなりますね。
でも私の足だとちょっと時間がギリギリかな?

ま、行くかどうかも分からないけれども(笑)。
これ読んで、満足しちゃったりしてね・・・。

Re: No title

MorosawAさん、こんばんわ。

瑞牆山は往復で3時間半程度なので、小屋に泊まって体力回復に努めれば十分金峰山とダブルで行けるかと思われます。

もしくは瑞牆山は山頂まで眺望が無いので、こちらは捨てて体力を温存し早寝。翌朝夜が明ける前に出発し金峰山を攻めるってのもありかと。 

 初日に一か八かで金峰山に突っ込んで、金峰山荘に泊まって翌日下山て言うのも可能なんですけどね。 さすがに日が傾いてる時に登り続けるのってちょっと精神的にきついですからね。 初日に大日小屋まで行ってしまえば金峰山までは大丈夫だと思うんですが、自炊しないといけないのがネックなんですよね(シュラフ持参推奨になってますが、毛布は幾つもあるので混んでなければ好きなだけ使えそうです。)

 
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Author:piccoli
 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

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