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石尾根接続最終章 七ツ石山から奥多摩駅まで

 3月の鷹ノ巣山と4月末の雲取山で長大な石尾根の2/3を踏破した。 こうなると石尾根の残りの未踏部分、七ツ石山から鷹ノ巣山を歩いてみたくなった。 てなわけで、今回のテーマは「石尾根未踏部分の踏破し雲取山から奥多摩駅のラインを繋げること」である。

 鷹ノ巣山側から登るか、七ツ石山側から登るか迷ったのだが、興味のある未体験ルートである浅間尾根を登ると巳ノ戸の大クビレという鞍部に出てしまい、鷹ノ巣山山頂にピストンしないとラインに途切れができてしまう。 そのため雲取山の時同様に鴨沢から七ツ石まで登りそこから鷹ノ巣山へ向かう事にする。 接続が完了したら後の下山ルートは石尾根でも榧ノ木尾根でもその時の気分で決めることにした。

 さて当日、目覚ましをセットした3時40分より50分が早いという二度寝するにも難しいタイミングで目が覚めてしまい、どんよりした頭のまま電車に乗ったことが災いして、前回の20分早く奥多摩駅を出発するバスに乗れる青梅始発の乗り換え便を逃してしまった。 もちろんこれで乗れる後のバスは20分早く出発するバス(留浦終点)と違い鴨沢まで行けるのでいいのだが。

 歩き始めると前回と10分ほどしか違わないのに日がかなり昇っており、気温も高い。予報でかなり暑くなるのは言っていたが、長袖を着ないで半袖+アームカバーにしておいたのは正解だ。 最初の水場でカップの水を飲むと、心なしかぬるくなってるような気がする。 それよりも前回と明らかに違うのは緑の多さと鳴き声だ。 前回はまだ下の方が新緑、上の方はまだ新芽と言った感じだったが、今日はもう全面的に葉が生き生きと茂っている。 そして鳴き声。 前回は鳥だったが、今回は虫。 しょわしょわしょわと奇妙な鳴き声が重層的に聞こえてくる。 まだそんな季節じゃないだろと思ったが、まぎれもなく蝉時雨だ。

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木漏れ日

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花と蜂

 昆虫には全く疎いので後で知ったのだが、街中でなじみのあるミンミンゼミとかアブラゼミではなくエゾハルゼミというのがこの辺にはいるらしい。 漢字で書くと「蝦夷春蝉」だが、「妙琴蝉」とも書くらしく、なるほど独特の鳴き声だ。 ちなみに冷涼なブナ林などを好む純粋な森林性のセミの為、都会でこの声を聴けることはほとんどないんだとか。 ここに来た人間だけのご褒美という事だろう。 

 せっかくご褒美をもらってはいるのだが、ずっと同じ音を聞いていると次第に眠くなってくるのと、今日も例によって足の調子は悪い。雲取からだいぶ時間がたってしまったのはあるが、今日は脹脛の張りではなく太腿が重たく足が上がらない。 ヤマケイアルペンガイドの標準的なコースタイムはキープできているようだが、同じバスに乗って一足先に出発していったオッサンには追いつけず、登山口でゆっくり準備していた男性には追い抜かれと、今日の登山者ではどう見ても自分が一番ドンガメなようであった。

 それでも気力だけは充実しており、行動食だけはもりもりと食べながら登高を続け七ツ石小屋に到着。今日は営業していないようなのでこの間チェックしておいた分岐のところにある水場で水を補給する。 今日は炊事はしないが気温が高いしとにかく長丁場になるのでここで空のまま持って来ていたハイドレーションパックに2リットル詰め、いくらか減っていたスポーツドリンクを溶かし込んだ900ccのパックも満タンにしておいた。  とりあえずここでも飲んでみたが、堂所の下にある水場の水よりもグッと冷たくてうまい!水道水だと余ったら下山時に捨ててしまうが、こういう美味しい天然水なら持ち帰ってお茶やコーヒーを淹れるのにも良いのだ。


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水場に咲いてた綺麗な花

 重くなったが無料のお土産もゲットし最後の登りに取り掛かる。 今回は未踏ラインの接続がメインテーマなのでピークは踏まなくてもいいのだが、ここまで来るとやはり登っておいた方がなあ、と言う気になり七ツ石山のピークまで踏んでいく。 惜しい事にこのあたりから雲が増えだして遠望は望めなくなってきたが、前回は霞があるとはいえいい感じで晴れてくれて富士山も見えたので今回はそこまで快晴と眺望にこだわりはない。 むしろこの時期としてはだいぶ気温が上がってしまったので、これからの稜線歩きが炎天下の灼熱地獄にならないのはありがたくもある。 なにしろここまですれ違った雲取からの下山者はみな「稜線は暑い!」と言っていたぐらいなのだから。

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 七ツ石の山頂で行動食を取って少し長めの休憩を取る。 ふと下のほうを見ると投棄ゴミが多い。 缶のデザインを見ると10~20年ほど昔のもので最近の登山者によるものではなさそうだがあまり気分のいいものではない。 今日は長距離の縦走下山の予定で水と行動食、雨具とヘッ電といった最低限の物しか持ってきていないが、次に来る時には空のコンビニ袋か何か持ってきて少しずつ回収したほうが良いだろう。 とりあえず今日のところは飴の袋らしきものを一つ二つだけポッケに入れ撤収する。 

 さて、これからが本番の未踏ルート縦走だ。 小屋へ降りる道との分岐を過ぎ、石尾根を下っていくが、初っ端から巻き道があってそちらに吸い寄せられそうになってしまった。 はっきりと名のついた山以外の小さなコブは巻いてしまっても良いと思っていたのだが、この巻き道は小ピークをちょろっと巻くだけどころか、千本ツツジ、高丸山、日蔭名栗峰と全部巻いてしまい元の稜線通しの道と合流するのは鷹ノ巣山の手前の鞍部である巳ノ戸の大クビレというとんでもないトラップであった。 この時は元気があったからいいようなものの、うっかり易きに流されていたら美味しいポイントを全部外れてスルーしてしまうところだった(正確には赤指尾根のところで千本ツツジに向かう道に合流できるのだけど)。

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なかなかいい眺め

  緩やかな登りの稜線を上がっていくと、ポツリポツリと赤いヤマツツジが現れてきた。 ウチの近所に等覚院というツツジで有名なお寺があり、「千本ツツジ」と言うからにはそこのようにびっしりと生えているのかと思ったらそうではなかった。 ここに生えているツツジはトウゴクミツバツツジ(紫色)とヤマツツジ(真っ赤)の二種類あり、トウゴクミツバツツジの開花時期にはヤマツツジはまだ蕾状態、ヤマツツジが咲くころにはトウゴクミツバツツジは花を落してしまっているためどか~んと全面一斉開花!とはならないのだった。 とはいえ原生でこれだけツツジが生えているのなら上等と言うべきだろう。

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 そしてふと足元に目をやると足元には沢山ワラビが生えている。 ところどころで山菜採りのおばさんスタイル(竹網籠)ではなく登山スタイルの人がビニール袋片手にワラビ採りをしていた。  今日は何も持って来ていないが、来年またこの時期に来ることがあったら鎌とビニール袋を持ってくるのもいいかもしれない。  今まで碌にワラビなど調理したことは無いが、蕎麦、煮つけ、ナムルと夢が広がりまくりんぐである。

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ワーラビです

 ところで防火帯とは石尾根のこの部分はあまり眺望が効かないとのことだったが、ピーク部分は眺望が無くても右手はところどころ眺望が開け雄大な景色が広がりなかなか気分のいい稜線歩きを楽しむことができた。 しかしこういう時にはきちんとお邪魔虫が現れるもので、まさしく「虫」がぶんぶんと付きまとってきた。 とにかく顔の周りを付きまとって鬱陶しい。この時期襲来するブヨなのかもしれないが、刺す事も無いのでたまに帽子で払うだけにして歩き続ける。 虫除けは塗っていない(そもそもブヨには蚊除けがあまり効かない)ので刺されないのはどうしてかわからないが、ほんのちょっぴりメントールが入っている日焼け止めクリームを嫌っているのか、♂だからなのか・・・。 

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良い眺め

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日蔭名栗峰

 日陰名栗峰から巳ノ戸の大クビレまでは下りなのでややスピードを上げるが、その間虫は延々ついて来た。 彼らの体のサイズからしたらとんでもない距離だと思うが、わずかばかりの人間の体液目当てにとんでもない執念だ。 まあ同一個体とは限らないのだが。  そういえば思い違いをしやすいのだが、虫が多そうな盛夏の7~8月は森の中も気温が高すぎ、乾燥もしやすいため「夏焼け」といって虫の数は減るんだそうで、実際には5月末~6月のこの時期が一番虫が増えるらしい。 なるほどセミもブヨも元気が良いわけだ。

20150602_95.jpg巳ノ戸の大クビレから鷹ノ巣山を望む

 やや長い下りで「ああ、稼いだ高度がもったいない」といつもの感覚がやってきた頃に鷹ノ巣避難小屋がある巳ノ戸の大クビレに到着。 正面に見える鷹ノ巣山は如何にもきっちりとしたピラミッド状でここからの標高差もかなりありそうに見える(実際に200mほどある)。 何となくこっから浅間尾根を峰谷に下ってしまいたい誘惑に駆られるが、峰谷に降りてもバスの本数は少ないし、登山口からバス停までも結構遠い。 そして何より未踏部分がちょこっと残ってしまう。 一応奥多摩三大急登全踏破も目標ではあるので次回鷹ノ巣山に登るときは峰谷から浅間尾根を登ることを考えてはいるのだが、まずは今日のうちに頑張って鷹ノ巣山まではキッチリ線を繋げよう事で、まずは休憩してエネルギーを回復させよう。
 
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立派な鷹ノ巣避難小屋

 長丁場の時はだいたい小休止はろくにとらず補給食は歩き食い、山頂で休憩はちょこっとというのが殆どだが、今日はまだ下りが長いし多少暗くなるのも覚悟はしているので、ここで行動食もきっちり摂取し靴を脱いで末端の血流を回復させストレッチも念入りに行ってから出発。 ここで休憩していた他の登山者は皆峰谷に降りていくようだった。 まあ時間を考えればそちらの方が妥当なのだが。

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西側の頂上直下

 鷹ノ巣山の西側から登るのは初めてだがこちらは山頂近くは露岩帯になっていてわりかし歯ごたえがある。 とはいえ激ハードな稲村岩尾根を2度登った自分には恐れるに足らない。  大クビレからは遠く標高差もかなり厳しそうに見えたが出発から30分も経たずに鷹ノ巣山頂に到着。 雲はさらに厚くなりドンヨリした風景だが、これはこれで水墨画っぽくあってなかなかよろしい。 避難小屋で長めの休憩を取ったのでここではさっさと降る。 三度目でしかも曇天ともなるとそれ程山頂に長居する気も起きないのだ。 

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 ある程度暗くなるのを覚悟してヘッ電の用意もあるとはいえ、やはり日没前には下りたいので少し飛ばし気味に下るが、3月に雪融けのドロドロで苦労した下山路は今度は乾いて片栗粉のようになったフカフカの土になっており相変わらず歩き難かった。 水根山手前の分岐では一瞬榧ノ木尾根を降り倉戸口に出ることも考えたが、ここまで来ると一気に駅まで完全踏破して前回スルーした狩倉山も登っておくことに気持ちが傾きかけてきた。 前回のように小ピークも稜線通しに完全に登るのではなく、巻き道を通ってしまえばある程度楽はできるだろうという計算も働いたのと、下山時とバスのタイミングが合わず暗い中数十分バス停で待つより駅まで歩いたほうがいいというのもあった。 

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倒木が多い

 しかし、水根山からの下りでは倒木が多く何度も足を大きく跨いで乗り越えたり、カラ沢ノ頭からの下りが急峻で足場が悪かったこともあり、急激に消耗してきてしまった。 とはいえ水根沢林道は崩落して通行止めになっているし、六ツ石山からトオノクボ方面に降りるのも三ノ木戸林道を降りるのも必要体力的にも距離的にも大差が無いのでここからは楽できるエスケープは無いに等しい。

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クワガタ♀

 かなり疲労が蓄積してきた足をなだめつすかしつ将門番場やその次の小ピークは巻いて、六ツ石山へと最後の登りに掛かる。 前回無理に突っ込んだ斜面に入って乱暴に直登することも一瞬考えたのだが、また現在地を見失っても嫌なので大人しく登山道を通って行く。 後で思い直したのだが、前回と違い薮と言うか低木もかなり葉をつけて登りにくくなっているだろうからこれはこれで悪くない判断だった。

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六ツ石山頂上

 くるーんと迂回するようにして六ツ石山山頂へ登って行くが、山頂はわずか2か月ちょっとで全く様相を異にしていた。 木の葉が生い茂り眺望がまるでなくなっていたのだ。  川苔山でもそうだったが、冬(晩秋)と春・夏でここまで違ってしまうものかと少し驚いてしまった。 しかしこの季節の変化を楽しむのもまた登山だろう。 10月終わりごろに来たら紅葉がすばらしいのかもしれない。

 とりあえずささっと写真を撮って下り始めたら、分岐のところで初老のおっさんが立ったままアンパンをモソモソと食べていた。 口の中に食べ物が入っているようだったので軽く会釈だけして通り過ぎたが、ん?そういえば何となくバスで一番前の席に座っていた人だったような・・・。
 
 前回ルートを見失ったことで時間がやばくなった狩倉山も登っておこうと分岐を左に曲がり、狩倉山の山頂を踏む。 樹影が濃く眺望が効かないのはもちろん、日が差さないため陰気くさい上に木の一本に紙に書かれた山頂標がテープで巻かれているだけのガッカリピークだったので「別に無理して登ることは無かったか・・・」と引き返したところで先ほどのおっさんが追い付いてきた。 六ツ石山には先に登っていたのか、アンパンを食べ終えてから六ツ石山に登ってそっからすぐに駆け下りてきたのかわからないが、後者ならすごい健脚だ。

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ガッカリピーク 狩倉山

 ちょっと話を聞くとこのおっさんはやはり同じバスで鴨沢を出発したのだが、自分が七ツ石山で下り始めたところををなんとさらにその4㎞先(つまり往復8㎞)、標高差260mの雲取山に登って、石尾根を縦走下山して自分に追いついてきたのであった!
 「え?同じバスだったの?雲取山登ってきたんじゃないの?ふ~ん」と事も無げに言う。 前歯が抜けて見た目以上に老けて見えるせいもあるが、肌の色艶なんかを見るに60代後半だろうか。 それにしては恐ろしい健脚ぶりである。 そしてこのおっさんは足取りも軽やかに狩倉山を飛ぶようにして下って行き、あっという間に見えなくなってしまった。

 さすがにこの体力差を見せつけられるとショックである。 これほどのショックを受けたのは国立美術館に行く途中に身長190㎝近い外人さんが隣に座ったら座高がほとんど同じだった時ぐらいであるが、救いはこの時点でかなり疲労が頭にまで回っておりあまり深く考えられないため受けたショックもまじめに捉えなかった事だろうか。

 ここからの下りはもう眺望もないし楽しみも無いのだが、この先はまだ長く5㎞ほどある。 あとは痛い足を引きずってだらだらとした下りをこなすだけ…と言いたいところだが、三ノ木戸からは杉林の中の登山道が登山者と雨による浸食で抉れた上につるんつるんに磨かれた土道になってしまい滑りやすく歩きにくいことおびただしかった。 前回も通ったはずだが、あの時の方がまだ余力があったのだろう、今日の方がはるかに辛く感じる。  だからと言うわけではないが、これ以上の道の荒れを防ぐためにもこの部分はキッチリ整備した方が良いのではないかと思わせた。 塔ノ岳ほど通る人は多くないから浸食のペースは遅いし予算を投下するのも難しいのだろうが、浸食を防ぐためにも土嚢を積むなり木の階段を据え付けるなりするべきだろう。

 薄っ暗い杉林を下りつづけ、何に使うかわからない建造物を通り過ぎるといよいよ登山口の終点はもうすぐだ。 最後に嫌がらせのように鋭い棘があるボケの木の枝が伸びていたが、引っかかれる事も無く通過し、登山口へ到着。 5時こそ回ってしまったが、日没前登山口に降りてヘッドランプを使用せずに済んだのは助かった。 かなり疲労していたはずなのだが、落ち着いていたのか頭は多少冴えていたのか、前回見落としていた駅までの正しい道と気付かなかった近道も発見、地図に載っていたが良く場所がわかっていなかった稲荷神社の場所もようやく判明した。 

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羽黒三田神社

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多賀神社

 足が限界に来ていたため6時までに奥多摩駅に到着することはできなかったが、歩行距離23㎞、累積標高2000mを越える長丁場の山行を無事に終えることができ、満足の行く一日となった。  居眠りした帰りの電車の中であまりの臭さに目が覚めたが、悪臭の源が自分の汗だったというのは余計だったが・・。

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Author:piccoli
 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

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