行くぜ木曽駒!中央アルプス!(4)~宝剣山荘~伊那前岳~北御所&駒ヶ根でおっかいもの~

 夜中に物音がしたような尿意を感じたような気がして一旦目が覚めた。 だいたいこうやって目が覚めると今度は背中が痒くなったり尿意が強くなったりして完全に目が覚め、トドメに同室の登山者の凄まじい鼾で安眠を妨害され再びの眠りに付けない・・・というのがよくあるパターンだと思うのだが、この時は同室者が鼾どころか呼吸をしているのかと思うくらいに寝息の音も聞こえてこず、再び凄まじい眠気が大軍を率いてやってきてふと感じた尿意も押しつぶしてしまい再び深い眠りの世界に落ちてしまった。

 次に目が覚めた時は割とはっきりした物音がしたこともあったのだが、既にこれ以上眠れないと体が判断したようでもあった。 一人や二人の物音ではないのでどうやら同宿の団体さんであろう。  ドアの隙間から漏れる明かりを頼りに腕時計をまさぐってみると午前5時。 なんと10時間も眠りを貪っていたことになる。 さすがにもう寝る気になれないので同室者を起こさないようにウェアを着込み洗顔に出かける。 どうやら前日の予報(曇りのち雨)と違い外はスッキリ晴れているらしい。 団体さんはどうやらご来光目当てで外に出ているようだ。  食事は6時からで多少余裕があるし、せっかくなので自分もご来光を拝もうとカメラとウィンドブレーカー代わりのレインウェアを羽織って表に出た。

 団体さんは宝剣岳の取りつきの方へ行ったようだが、和合ノ頭(2911mピーク)からだと朝日に染まる宝剣が良い感じで撮れるとこの本↓

に書いてあったので向かった。ところが登山道は予想と違い和合ノ頭の頂上を巻いており登山道から外れてゴツゴツの岩場を登らないと写真を撮るのに適したピーク出られない。 おまけに三脚を忘れていたので何か適当な台が無ければ手持ちで撮らざるを得ず、この能力の低いコンデジでは手振れがひどいことになりそう。 無駄足になってしまったが、ここはあの団体さん同様宝剣岳の取りつきに移動した方が良かろう。 そうこうしているうちに太陽が出るあたりにくっきりと南アルプスと富士山のシルエットが浮かび上がった。 

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 移動のタイムロスが心配だったが、早めの決断が功を奏したか空はオレンジ色に染まりだしたものの太陽はまだ顔を出していない。空の色からして向こうが平地ならもう出していてもおかしくないのだが、丁度南アルプス、しかも甲斐駒の陰になっているので少し遅れているようだ。
 
 ふと後ろを見ると御嶽山がモクモクと煙を上げている。 つい数日前に起きた噴火と惨劇を思い出して複雑な気持ちになるが、雲海から頭を出している御嶽山はただただ美しかった。
 再び南アルプスの方に目をやると、まさに甲斐駒ケ岳の頂上の辺りから太陽が顔を出した。 ダイヤモンド富士は聞いたことがあるが、ダイヤモンド甲斐駒とは・・・。

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 チラと宝剣岳を見上げると少し赤く染まっているが、それほど鮮烈ではない。おそらく甲斐駒の頭越しになるまで登っているのであまり強烈なモルゲンロートにならないのだろう。 アサヨ峰との間のちょうど凹んでいるところ(仙水峠)から太陽が出る時期だともう少し鮮烈に染まりそうだが、その時期はいつごろだろうか・・・。

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 再び御嶽山に目をやると雲海と噴煙がピンク色に染まり、筆舌に尽くしがたい美しさを醸し出していた。 あの恐ろしい噴火と、この美しい姿、どちらも自然の顔なのだろう。 噴火から5日が経過し、行方不明者の生存は絶望的ではあったが、今はただ行方不明者が一刻も発見されることを祈るしかない。

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 ある程度日が上がったところで丁度朝食の時間なので山荘に戻る。 メニューはにっぽんのただしいあさごはん! ご飯、味噌汁、塩じゃけ、卵焼き、海苔! 元々朝は食が細いのでご飯のおかわりはせず例によって味噌汁だけおかわりをする。

 食後、準備を済ませていよいよ出発する。 準備中に気が付いたのだが、向かいのベッドに入っていた同宿の登山者はなんと自分と同じサウスフィールドのジャージを着ていた。なんか変態の同好の士を見つけてしまったような恥ずかしさだ。
「秋用で暖かいし安いし良いんですよねええええ」と選択のポイントまで同じなのだから・・・。

 団体さんが濃ヶ池か中岳方面へ行くのを尻目に自分は東の伊那前岳の方へ向け歩き出す。 当初は自分も濃ヶ池に回る予定を立て登山届にもそう書いておいたのだが、天候が崩れるという予報で雨の中長時間下山するリスクを取りたくなかったので濃ヶ池を取りやめ少しでも下ってしまうことにしたのだ。 しばらくは稜線歩きなので眺望は広がっているのだが、これがまた「いい眺め」というレベルではない凄まじい絶景だった。 ざっくり切れ落ちているというほどではないが、両側ともかなりの傾斜の上、進行方向やや下には雲海から広がっており、南アルプスの高峰が顔を出しているだけなので、まるで雲の上を南アルプスに向かって歩いているような気分になる。

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 そして右下を見ると千畳敷がまるで箱庭のようだ。 前方やや左側には八ヶ岳、左手やや後ろ気味には北アルプスの高峰、後ろをぐるっと振り返ると宝剣岳がまた昨日と違った姿を見せる。 少し進むごとに写真を撮り出すのでなかなかペースが上がらない。 しばらく前へ行きふと振り返ると、宝剣の向こう側、滝入ノ峰のあたりだろうか。 稜線の向こう側から湧き上がってきた雲が千畳敷の方へ滝のように流れ落ちていく「滝雲」が見え、思わず立ち止まって見入ってしまった。

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 伊那前岳は一応ちゃんとピークがあるのだが、巻き道の方が自然に見えるので漫然と進んでいたらうっかり通過しそうになってしまった。 すこし前を歩いていた登山者夫婦が突然いなくなったのでどうしたのかと思ったら高点の方に上がっていたので気が付いたのだが、1人だったらぼんやりして通り過ぎていたかもしれない。 高点に上がると北ア~八ヶ岳~南アルプスが遮るものなく広がる絶景だ。  この夫婦はここで引き返していった。濃ヶ池の方へ回るか、千畳敷に降りるのかもしれない。 
 
 さらに先へ進むと七合目。 ここでまた何度も自画撮りを行っていたら今度は別の夫婦に追いつかれたが、こんなことを聞かれたので思わず仰天してしまった。
「濃ヶ池の分岐ってまだですかねえ・・・」
 濃ヶ池への分岐って浄土乗越、つまり宝剣山荘のすぐ前であるが、この夫婦は北東に進むべきところを和合ノ頭の方に進んで、そのまま伊那前岳を越えてここまで来てしまったのだった。
「このまま進むと北御所まで降りちゃって濃ヶ池に出ませんよ」
とんでもないエネルギーとタイムのロスであるが今ならまだ取り返せない事も無いという判断だろう、ややがっくりきたようだったが、夫婦は来た道を引き返していった。 

 (なんでこんなとこ間違えるかなあ・・・)と疑問に思わなくもなかったが、我が身を振り返って赤面した。自分もこれまで何度も「まっすぐ行っちゃう病」でやらかしているではないか。 特に丹沢では行程の1/3をまるまる変更する羽目になったわけで、これはやらかしがちな自分への警告とせねばなるまい。

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 が、アタマの処理能力が低いとこういう警告を受けた途端に今度は他の事がお留守になるのであろうか。 七合目の何でもないところで正しい道ではない踏み跡に進んでハイマツの林の中に踏み込み、あわや急斜面で身動きが取れなくなってしまうところだった。  正規のルートを見落とし、右側の不明瞭な踏み跡に突っ込んだうえ、ハイマツが生い茂り道が無くなっているのに少し向こうに見える切れ目を踏み跡と誤認しやぶの中に突っ込んでしまったのだ。 少し言い訳をすればおそらく自分以外にも同じミスをやらかした人間が何人かいたからそういう切れ目のような踏み跡ができたのだろう。 その証拠にハイマツの枝には飲料ではないプラスチック製の何かの容器が落ちていた。 さすがにいっぱいいっぱいなので拾う余裕はなかったが・・・。

さらにもう一つの不明瞭な踏み跡を頼りに大岩の脇にも入ったが、ここもハイマツで進めず、おまけにストックを無くしそうになって万事休す。 「さすがに学校登山でよく使われるはずの道なのにこんな斜面を通るのはさすがにおかしい」と気づいたが、気づかずにおればこれまでの失策の中で最大級のものになるところだった。あのままもう少し進んでさらに急斜面になってハイマツが切れているところに進んでしまえば千畳敷への斜面を転げ落ちていったかもしれないのだ。

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この岩の前にいる時点で正規ルートを外れています。同じ景色を見てしまったらさっさと引き返しましょう

 とりあえず元の場所に戻ってから落ち着くとやはりなんでもない左側へ折り返す道を見落としていた。 このつまらぬミスのせいで2~30分ほどロスしてしまったが、気が立った状態で行動を続けるのもどうかと思いエナジーバーの残りを口に詰め込んで水を飲み少し気を落ち着かせる。 

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こっちが正しい道

 リカバリーできたとはいえこうした道迷いのあとは胸糞が悪くなってしまうものだが、見える景色はあくまでも美しく、「反省」の二文字はあっという間に頭から消えてしまう。 七合目の下からすこしづつ樹林帯になって、また美しく色づいた錦秋のトンネルを通る楽しい道になるのだ。 真上を見上げると赤と黄、そして空の青が鮮烈だ。

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 このころになると木曽駒の頂上稜線から雲がどんどん降ってきて北アルプスの方は隠れ始め、また南アルプスの方もだいぶ雲が多くなってきてしまったがまだ上の方は青空が広がって太陽が照っているのでありがたい。 そのまま下降を続けるが、少しづつ木が高くなってきたので少し気になりザックから熊鈴を取り出しぶら下げる。 樹林のない稜線では煩わしいので付けなかったが、これから高度を下げるごとに熊のリスクは上がるだろう。

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一丁ヶ池は水量少なく、淀んだ沼という感じ

 一丁ヶ池の辺りまで来ると頭上にまで雲が覆い始めてきた。 ここまで快晴のツキに恵まれていたが予報では雨なのである。 できれば降り出す前に北御所まで下ってしまいたいので少しペースを上げる。 六合目より下の樹林帯に入ってしまうとこれまでのような絶景ではなくなるし、紅葉でもないので写真を撮ることも少ない。 足場も悪くないしここからは迷うような道でもないので段差での転倒にさえ気を付ければキビキビと降りることができる。 
 
 昨日の夕食後のアミノバイタルが利いたのか、マッサージが良かったのか、長丁場だった昨日の疲れはほとんど持ちこしていず、左足の脹脛が多少張っている程度で済んでいた。 膝にも痛みはないし驚くほど好調だ。 当初の予定ではまず濃ヶ池を回るプランだったため2時までに下山できれば御の字であったが、この分だと道迷いを含めてもコースタイムより早く、正午ぐらいに北御所にたどり着けそうである。

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 気温が思いのほか高く、朝からずっと強い日差しを浴びていたこともあって下りなのに思いのほか水を消耗し、うどんや峠で最初のハイドレーションパックの水を飲みほした。 ただこの先大した距離ではないのでエナジーゼリーを啜って水分補給の代わりにして、さらに清水平までぐんぐん飛ばしていく。 清水平には水場があったはずだ。

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 清水平の水場は福島Bの四合目半力水とは違いパイプからじょぼじょぼと水が出ていて頼りになる水量であった。 手に取って飲んでみるとやはりキリリと冷えて美味い! この水を活用しないのはもったいないのでもう一つのハイドレーションパックとペットボトルに入っている水は全部捨てて、ここの湧水をたっぷり汲んでいくことにする。 バス停まではもう1時間かそこらなので水はそれほど必要ないのだが、余った水は持って帰ってコーヒーを淹れるのに使えば無料のいいお土産になる。 普段の山行では駅まで自転車でけっこうな坂を越えないといけないので下山したら余った水は捨ててしまうのだが、今日は家の傍までバスだからそんなに気にする必要も無いのだ。

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蛇腹沢登山口 ここで登山道はおしまい

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  多少重くなったが無料のお土産に気を良くして再び歩き出すとすぐに蛇腹沢登山口に出る。 ここからは幅の広い未舗装林道で、多少の渡渉などはあるがもう「人間のテリトリー」「安全圏」に入ったと実感できる。 もう多少天気が悪くなっても風が吹いても低体温症になる心配は少ないし、滑落するようなこともないのだ。  その代りさして見るべきものも無いのでラストスパートという感じでスピードを上げて進む。 ふと振り返ると伊那前岳のほうはもうすっぽり雲を被っている。予報通りに降ってくるのも時間の問題かもしれない。

 そして時計が正午をさす少し前、北御所バス停に着いた。 時刻表を見ると11時58分にバスが出ている、時計を見るとまさにその時間だが、来ない。 ひょっとしたらタッチの差で行ってしまったのだろうか? 仕方ない、スナックでも齧るか・・・とザックを下したところで向こうからバスがやってきた。 ほぼジャストのタイミングだったのだ。

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 慌ててザックを背負い直すがストックを畳む余裕が無かった。 バスはしらび平からだろう、既に満員で甲斐駒の時同様の補助椅子座りとなった。 奥にいた高齢のトレッカー夫妻が椅子を出して誘導してくれた。
「ん?上から歩いて降りてきたの?」
「ええ、木曽福島から歩いて登って、宝剣山荘に泊まって、伊那前岳通って縦走してきましたっ」
そこまで聞かれたわけでも無いのについこう答えてしまう。それほど達成感があったのだ。 バスの中は皆ロープウェーで往復した人か、少なくとも下りはロープウェーを使った人だろう。 1人だけ北御所から乗り込んだこともあって呆れたような讃えるような視線が集まった気がした。 もちろん檜尾岳や空木岳を縦走したり桂小場から将棋頭山を縦走して登頂するルート、上松ABコースなどもっと難易度の高いルートがあるし、同じルートでもテン泊すれば重量的にはるかにハードだからこの程度の縦走で鼻高々になるのは井の中の蛙でしかないのだが・・・・。

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 南アルプスの仙水小屋のように水の豊富な山小屋なら手ぬぐいを絞って全身を拭くぐらいのことはできるのでそこまで必死になることはないが、宝剣山荘は宿泊者はタダとはいえあまり水を盛大に使うのは少し気が引けたので体を拭いてさっぱりする事も無くそのまま布団に入ってしまっていた。 このため風呂への渇望は抑えがたく、下山後は温泉に入ると固く心に決めていた。 ところがバス停の名前がうろ覚えだったのとうっかり社内放送を聞きのがした事もあって最寄バス停を逃してしまった。 温泉のHPを見ると停留所の名前は「こまくさの湯前」なのだが、バス会社のサイトを見ると「菅の台(ビューホテル四季前)」となっておりやや紛らわしい。 

 うっかり通り過ぎてしまったので、「ああ、これでまた余計に数十分歩かないといけないのか・・・」と激しく落胆したが、その次の停留所は乗り継ぎのバスターミナル「菅の台バスセンター」で、何のことはない歩いて2~3分程度の距離だったので一安心。 ヤレヤレ、天気と言い、バスの時間と言い、まだツキがあるようだ。

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 温泉入浴施設「こまくさの湯」は登山者、トレッカーの客が多い事もあるのだろう、入り口脇に大型リュックサック置場があって、ロッカーに入らないザックやストックはそこに置いておける。う~んこれはありがたい。 手ぬぐいと財布、カメラと着替えのシャツだけ持って、いざ温泉へ吶喊! 

 温泉は普通の大浴場、露天風呂にジェットバス、薬湯、水風呂、サウナという堅実な作り。シャンプーとボディソープに加え、かかと用の角質コスリもあるのがポイント高い。 露天風呂の壁は南アルプスを模した形になっており、脇には足つぼマッサージ用か玉砂利を敷き詰めた箱に手すりが付いた謎の台がある。

 とりあえず温泉大好き人間としては全部堪能しないと気がすまないので、落ち着きのない犬のように全部の風呂をローテーションしてグルグル回った。 よくわからないが特に薬湯が体に沁みて効果があるような気がする。

 汚れをすっきり落として毛穴もガっと開いてたっぷり温泉成分を吸収したところで、丁度昼時なのでメシだメシ! すぐそばに駒ヶ根市ご当地B級グルメの「ソースかつ丼」を売りにする『明治屋』があったのだけど、ここは温泉施設の食堂をそのまま利用する。意外とメニューは豊富だ! ここは地元の味覚らしいものを、ということで山菜ぶっかけそばと黒川マスの塩焼きを注文。 山菜だけでなく昆布の佃煮などいろいろな具が載っている蕎麦が大変おいしかった。

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 食後はお土産屋を教えてもらうため観光ビジターセンターに向かう。  ビジターセンターには戦前~戦後間もなくからの歴史ある登山道具が展示されており、今よりはるかに重く機能性にも劣った装備で冬の中央アルプスを踏破した先人の凄さが否応なく思い知らされる。 初期のピッケルなどほとんど鳶口というか金剛杖にピックとに石突をつけただけのような代物だ。
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 おっと、知りたいのは土産物店! 係のおねーさんに最寄りの物産店「駒ヶ根ファームス」を教えてもらい、移動。地図で見ると遠そうに見えるがあっという間に着いてしまった。田舎だと停留所の間がかなり広くてうっかり歩くととんでもない距離だったりするが、少なくとも菅の台から駒が池間は間隔も狭く歩いても差し支えない。

 駒ヶ根ファームスの前に来ると、この建物の中には地ビール会社直営のレストランがあることが分かった。こういうところのレストランは大抵平均以上の美味しさであり、一瞬「温泉の食堂で食べちゃったのはしくじったかな、ここで地場ものソーセージとビールで一杯やるべきだったかな」と後悔しかけたが、中に入るとレストランだけ本日休業であった。ここで食べようとしせたらまた飯を求めてさすらうことになったわけで、まだまだワシの勘は冴えておったのだ。

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 とりあえずお土産には農協認定の伊那産そばを購入した。ここは駒ヶ根市だから「駒ヶ根そば」を買えばいいのだが、売店のおばちゃんによるとそうは書いてあってもそば粉は北海道産だったり、工場も長野県外だったりしてなんだかなあ、という感じだったのである。 まあそれを言ったら味噌の原料の豆なんかはほぼ100%外国産なのだけどね。

 そばに加えて地ビールをひと瓶購入し、ここで一杯。 ホワッといい気分になったところで休憩ルームに入ると、立派なガラスのキャビネットに40年前、ヒマラヤの高峰ギャチュン・カンに初登頂した長野県山岳連盟の堺澤清人氏の装備が展示されていた。 8000mにわずか足りない世界15番目の凄まじく峻嶮な高峰で、登頂者も数えるほどしかいない。 世界的クライマーの山野井泰史氏が登頂したものの下山時に嵐に遭い指を何本も失ったと言えば判る人もいるだろう。
 
 ごつくて重そうな三重靴に紐を結ぶのも面倒くさそうなオーバーシューズ、手先の作業がやりにくそうなミトン、保温性が物足りなさそうなジャケット・・・昔の人はこんな装備でヒマラヤ高峰に挑んでいたのだなあ、と思わず溜息。 ちなみにものすごい昔の人のように書いてしまったが、堺澤氏は今でも中央アルプスガイドのまとめ役として活動中である。

 買い物も済ませたが帰りの高速バスまでは時間はたっぷりある。 温泉に浸かって疲労も大分抜けてしまったので、このまま高速バスの停留所まで歩いて行くとするか・・・。そのままプラプラと歩き出してふと後ろを振り返ると、つい数時間前まで自分がいた山は完全に雲に覆われていた。 上のほうはもう雨が降ってるかもしれない。 今回は最後の最後までついていたなと幸運に感謝しながら、絶景を反芻しつつバス停へ向かうのであった。

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テーマ : 山登り
ジャンル : 趣味・実用

tag : 木曽駒ケ岳

コメント

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No title

Piccoliさん、こんにちは。

「曇りのち雨」の予報が晴れたのですか?
で、この素晴らしいご来光とは・・・。
すごい強運ですねえ。

確かに御嶽山の美しさはある意味神秘的ですねえ。しばらくは登山のできない山になってしまうのでしょうねえ。

それにしてもこれだけの好天に恵まれ、雨にも降られなかったとは、本当にすごい強運だなあ。
こっちは晴れの予報だったのに、とうとう一度も鹿島槍ヶ岳すら拝めなかったのに・・・。

ちなみに最近は「ハイキング」ばかりです。今日は伊豆の巣雲山に登ってきました。

No title

MorosawA様

ずっと快晴待ちをしていて出発を延期し、最初のうちは2日とも快晴予想だったのが直前に崩れちゃったんで、最悪に落ちずに済んだという感じですけどね。 本当はもう一日早く出てもよかったのですが、そうしておけば初日はガスまみれにはならずに大展望があったわけですし・・・贅沢言ったらキリがありませんが。 
2日目は10時過ぎぐらいから山頂のほうは雲被っていたのと、他の人のヤマレコを読むと雨も降り出したみたいなんで、スケジュールを削って早めに逃げた作戦勝ちという感じです ^^。 どれだけ降られるの嫌がってるんだよって感じですが、せっかくの遠征ですしね。 富士山みたいなのはもう勘弁、てことで。

Morosawaさんの遠征はお天気に恵まれなかったようですが、北アルプスの宿命ですかね? 自分がなかなか足が伸びないのも、南アや八ヶ岳に比べて天候が崩れやすいというイメージ強いのがあるんですよ。

>伊豆の巣雲山
今ググって知ったんですが、海岸から一気に登るルートを取れるみたいですね。こりゃまた楽しそうな・・・・。

プロフィール

piccoli

Author:piccoli
 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

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