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富士山へ!(その1)

 準備不足(自分的には)を抱えたまま、いよいよ富士山本番の日が来た。 目覚ましが鳴る2時間近く前に目が覚めてしまい、スッキリとしないまま朝食のパンケーキを食べ、家を出た。 う~む、睡眠不足って一番高山病に良くないと思うのだが。。。

 新宿駅西口に降り立つと、人目でソレ、とわかる登山者が何人も待ち合わせ場所に向かっている。自分が申し込んだサンシャインツアー以外にもウィラー、トラベルロードその他諸々ツアー会社のバスが何台も並びどこがどこやらといった感じだ。

 ちなみに全員集合が思いのほか早く、予定より10分近く早めにバスは出発。東名高速でも渋滞につかまらず快調に進むが、とにかく雲がどんより立ち込めているので気が滅入ってしまう。 時折窓に小さい水滴が当たったりすると神も仏もあるものかといった気分だ。 高速道路からは眺望が楽しめるわけでもないので耳栓とアイマスクをしてウトウトとして足りない睡眠を補うことに専念した。

ashigara_20130806010227f11.jpg

足柄SAで途中休憩を入れる。ここは東名高速のSAでもトップクラスの設備規模を持っていて、屋台村っぽいのもあったりしてなんとなく夏祭りのテイストがあり、友人とドライブの途中にここで休憩するのは結構楽しみだったりするのだが、今日はドリンクをちょっと飲んでトイレに行っただけで慌しくバスに戻った。ツアーというのはやはりこの辺慌しい。

高速を降りて御殿場の街を過ぎ、森の中を抜けてスカイラインを少しずつ上がっていくあたりで窓を開け外の空気を入れるようにした。 少しでも早く外の空気に慣らしたほうがいいのだ。

 五合目の駐車場に到着すると思いのほか人気が少ない。 自分の選んだ富士宮口は吉田口ルートのように途中からご来光が見えない、山小屋も少ない、登山道と下山道が分かれておらずすれ違いが煩わしい、御殿場ルートのような大砂走りもない・・・とないないづくしのため今年になっても人気がいまひとつなのか、それとも静岡県が7月のうちからマイカー規制をしてくれたおかげなのかわからないが、とにかく恐怖の大渋滞で前の人のケツを見ながら牛歩というのは避けられそうだ。 

五合目1

 ところで今年の7月25日から1週間、登山口で環境保全費の任意徴収をやっている。 任意だし、ピンポイントで試験期間に入ってしまったので払う(納める)のは癪だなあと思っていたのだが、限定バッヂとリーフレットに釣られて環境保全協力金はしっかり払ってしまった。見ていると外国人登山者もお土産購入感覚で支払っている。
 
 本当はここで時間の限りゆっくりすべきなのだろうが、当初の予定と異なり九合目の小屋に泊まることになったので(八合目を指定したはずなんだけど)、はやく登り始めないとと気ばかり焦ってしまう。着替えを済ましスイーツ一個とダイアモックスを一錠飲み下してストレッチを済まし、バッヂをリュックに着けると早くもスタートした。 ふと横を見るとビニール袋に激しく戻している女の子がいる。バスで酔ったのか、早くもここで高度障害が出たのか判らないが(弱い人は2,000mぐらいで出てしまうらしい)、高度障害だとするとここで罹っている様では登頂はまず絶望的なわけで、他人事ながら暗い気持ちになってしまった。
五合目2

五合目3


六合目

 さて、登り始めると五合目から六合目は本当に「あっ」という間、六合目から新七合目もそれほど苦しくない。傾斜は何度も登ってる塔ノ岳バカ尾根と同じぐらいかやや緩やかで、バカ尾根に比べて足の置き場に困るような不規則な段差が少ない分やや歩きやすい。霧と雲で眺望がほとんど利かないので実感が薄いが、新七合目を越えると時折雲が切れはじめ、眼下に雲海が広がるとやっと「登ってるなぁ」という実感が湧いてきた。

新七合目
ツアーバスで隣になった同じくフリープランの土田さん小屋までは同じくらいのペースだった

新七合目2
 
 途中、登山靴の紐を緩めてブカブカにしてヨロヨロ降りてくる女性がいたので目に余り注意すると、靴擦れで痛くてどうしようもないのだという。そういわれるとこちらも手の施しようがないが(八合目の救護センターで絆創膏ぐらいくれるだろうし)、あのペースでは五合目まで3時間以上かかりそうで、これまた余計なお世話だが心配になってしまった。 ツアーバスでなく富士急のバスなら問題はなさそうではあるが・・・。

元祖七合目
元祖七合目

 人の心配ばっかりしてお前はどうなんだ、とわが身を振り返ると、コレが思いのほか調子がいい。息は切れていないし、足も軽快だ。 ただ、不思議なことに元祖七合目を越えたあたりでプップ、プップとオナラが頻繁に出るようになってきた、気圧が急に下がったせいで腸内のガスが膨張したのか・・・。中学の移動教室で六合目あたりまで来たのが自分の最高高度なので3,000mを超えたらどういう影響を及ぼすかはコレが初めての経験なのだ。 

 それでもオナラだけなら登高に支障はない。頭痛も無いし吐き気もないので、各山小屋では写真を数枚撮って行動食をつまんでの5~10分程度の休憩ですぐに出発する。高山病を避けるためには本当はもっとゆったり休憩したほうがいいのだが、この時点では好調に進めるペースを乱したくなくてどんどん進んでしまった。 

 本来泊る予定だった八合目の池田館の辺りまで来ると腹も減ってきて甘納豆をつまむだけではちょっと物足りなくなったので登戸のファミマで買った濃厚ミルクドーナツを食べることにした。 ザックから取り出すとパッケージは破裂寸前まで膨らんでおり、空気の薄さを実感する。 事前の天気予報ではいまいちの天気ということだったのだが、上は雲が晴れて太陽が出ているし、下界の海や町は見えないとはいえ雲海の上に立っているのはなかなか気分がよく、最高のおやつタイムとなった。これまで登山やサイクリング中に食べたおやつでも1、2を争う美味さだ。

八合目1

八合目2

 食い終わったら満足していよいよ宿泊地点、九合目に向かう・・・と言っても富士宮ルートは同じような傾斜の道が同じように続くので特に代わり映えはしない。 八合目から上は浅間大社の敷地なので、ソレを示す境界とゲートをくぐるとまた同じようなゴツゴツした岩の坂が続く。 針葉樹、広葉樹と樹相が変わり、尾根に出れば眺望が開け、時に沢や川が現れる奥多摩とはまったく別ものの山登りだ。 山小屋があるからいいが、コレがなければ終わりも見えないし途中で飽きてしまうのではないかと思う。 そして雪が積もったらこれと言ったランドマークは無いし、ふつーにルートロストしそうである。
 
 破損して二本柱が立っているだけになった鳥居の跡(コインがたくさん刺さっている)を過ぎるといよいよ九合目の小屋が近づいてきた。

鳥居

九合目1

九合目2
物資運搬用のクローラーダンプ

九合目3
本日のお宿、万年雪山荘 すぐ横に雪渓がある


 九合目の万年雪山荘はなかなか広い。受付を済ましてベッドに荷物を置きに行くと確かに狭いところに4人寝かされるのだが、これはまだ「想定内」のレベル。 トイレは別棟にあり、ぼっとん若しくはンコの自重で蓋が開き浄化槽に落っこち、落ちないのをウォーターガンで叩き落とす、終わったら攪拌システム作動ボタンを押すと言ったわりかし先進システムなもので、臭いもなくなかなか快適であった。


 まだ腹は減っていないので明日の準備をしたり、その辺をぶらついたり、軽く仮眠を取ったりしたのだが、早めに夕食を取ろうかなと、食堂に行ったところではじめて変調に気付いた。胃がむかむかして食欲がないのである。 朝パンケーキ、SAで豆乳、登山口でファミマの濃厚ミルクパウンド、歩きながら甘納豆、八合目で濃厚ミルクドーナツ・・・と消費カロリーからしたら明らかに過少な摂取量で腹ペコなはずなのだが、目の前に出された明らかに少なすぎるカレーが食いきれるかどうか、といったまでに胃がショボショボしてしまっている。

カレー

うーむコレが高度障害の始まりか、と食い終わったら素早くベッドに戻りこれ以上消耗しないよう横になってスーハスーハと腹式呼吸深呼吸を繰り返したのだが、本当の地獄はこれからだった。

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 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

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