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鍋割山(三回目)~ちょろっとボッカ頑張るの巻~

 花粉が納まってきたので久々に丹沢に向った。
なるべく新しい山を登りたいとこなのだが、丹沢で見栄えがして新しい山という事になると、檜洞丸とか蛭ヶ岳とか交通の便が悪かったり日帰りではきつかったりなかなか難しい。そんなわけでまた鍋割山になった。その代わり下山路は今まで使っていなかった小丸尾根(通称:訓練尾根)とし、登る際も今までもより多い6リットル分のボッカをすることにした。

 最初のバスで大倉に降り立ち、柔軟、GPSの電源、スパッツの装着を済ませて歩き出す。
もう春なので行動中にマイクロフリースは暑いだろう、とイグニオのアンダーにサウスフィールドの長袖ジップアップシャツという服装だが、目論見どおり最初は肌寒くても歩いてるうちに心地よくなってくる。高度が上がって冷えてきたらジャケットなりフリースなりを着込めばよいのだ。

 暫くは退屈な林道が続くのだが、数日前の爆弾低気圧による豪雨のせいか、林道脇の湧水が激しい。 何箇所か林道を横切って流れているところがあるのだが、以前の山行とは打って変わって水量が多くなって川のようになっているところまである。 渡渉も流れが変わって木橋が新しく据え付けられていたりして、ほとんど一本道にもかかわらず「あれっ?こんな渡渉あったっけ?」と混乱してしまった。
林道1

林道2

 勘七沢の沢沿いの道はゴロゴロ石に木の枝クズが所々絡まっており、水が溢れていたか濁流が流れていたのが判る。2日前に登っていたらさぞかしスリリングな山行になっていた事だろう。四十八瀬川上流の方の滝も以前来たときはいずれもチロチロと流れているだけだったが今日はしっかり水が落ちていてまるで別の場所のようだ。 この水量の変化のおかげで退屈な林道歩きが思いのほか新鮮な気持ちで登ることが出来た。

勘七沢の滝

 ミズヒ沢の荷揚げ場に着いたところでザックを下ろし、山荘へ届けるペットボトルを入れる準備をする。 最初は2リットル、前回は体調イマイチなのに4リットルと来て、今回はバーナーやコッヘル、お茶セット等の荷物も無いからトレーニングも兼ねて6リットル!と決めていた。 安焼酎の4リットルボトルあったよなあ、と見回したところ、普段の水のペットボトルの上にスーパーの袋がふたつ置いてあった。「?」と思って見てみると、中身はわが家でも使っているにんべんのつゆの素がそれぞれ4本。山荘名物の鍋焼きうどんに使う奴だ。「誰か上げてください」とマジックペンで書かれている。

だしつゆ

「ふははは。俺が鍋割山荘の食卓を支えるのか。これは気分がいい。やってやろうじゃないの」
と勘違い気味の使命感に突き動かされ、つゆの素の入ったスーパーの袋をひとつと水ペットを1本入れて歩き出した。 

 6kgの増量はずっしりと重いのだが、10日ほど前に生田緑地でやった18リットルのボッカトレーニングが効いているのか、思いのほか安定している。 辛いが投げ出したくなるほどではない。 後沢乗越を過ぎたところで寄(やどりぎ)から登ってきた小柄な山ガールにあっという間に追い抜かされてしまったが、ボッカしてるししょうがないよねーと勝手に納得しゆっくりと見送った。 重い荷物の時には無理にペースを上げずにゆっくり行った方がよさそうだ。

 後沢乗越から上の稜線上は時折西からの強い風が当たるのだが、常に吹いているわけではないし、ウィンドブレーカーやフリースを着ると蒸れて暑そう、というなかなか難しいコンディション。ザックを下ろすのも面倒なので結局そのまま上がってしまったのだが、上のほうに行くにしたがって風も収まってきたおかげであまり体を冷やさずに済んだ。 前もそうだったが風が強く当たるのは稜線前半~中盤で、後半は意外と当たらない気がする
マメザクラ


 途中、豆桜に癒されながら進むと、頂上手前で巨大なザックを背負っている人に追いついた。ボッカさんには声をかけないのがマナーなのだが、杭に腰掛けて休憩中なので挨拶すると、何でも40kgの荷物を背負って来たらしい。 ちなみに登りの取り付きのところで山小屋主人の草野氏と一緒だったそうなのだが、全然スピードが違ったそうだ。 山登り自体30過ぎてから初めてボッカも本職ではないとの事なので気楽に一緒に登ることにする。 

 そういえば前回偽ピークに騙された記憶があるのだが、このボッカさんと一緒だったせいか、「頂上手前にコブがある~」と意識しながらだったせいかわからないが、「えーまだ頂上じゃないのー!?」と騙されたと感じるようなことはなかった。 と同時に、少し曇りがちで空に鮮烈な青さがなかったせいで、頂上直下から小屋を見上げた時のワクワク感もちょと控えめであった。

 ボッカさんが先に山小屋に入り荷物の重さをを測るとザックも入れてなんと50kg。何が入ってるのかと思ったら、大量の500ccペットボトルに加えて18リットル入りの灯油ポリタンだった。 たかが6kgでボッカした気になってる自分が恥ずかしい。 冬季縦走ともなれば30kgぐらい背負うのも当たり前なワケで、う~む自分も頑張らないとなあ。ま、冬季縦走なんてまるっきり考えてないがw

ボッカさん

 ボッカさんの荷物の始末が終わったところで自分もつゆの素を取り出して草野さんに渡す。 本当はうどんを注文したいところだが、今日はこれから先もちょっと登るので外で軽くオニギリだけ食べて出発した。 少し曇りがちだが、うっすらと南アルプスが見えて気分がいい。 
 
山頂から

山頂から2
 小丸までの稜線は穏やかで歩きやすく、自然とゆっくり景色を眺めながらになる。 ふと振り返るとヤマケイのガイドブックで出てくる富士山をバックに鍋割山頂が見える例の光景が広がっている。 なるほどここから撮ったのだね、と自分もパシャパシャ。

頂上稜線1

頂上稜線2

頂上稜線3
 
 そのままずんずん進むと小丸だが、小丸のてっぺんはどの方向も意外と眺望が効かない。頂上手前の急登で写真を撮っておくべきだったか。

 小丸から西山林道に降りる道ってここからじゃないのかな?と迷いつつ(地図確認しろ!)、明白なトレースがないのでさらに先に進むと「小丸分岐」の道標が現れた。 道標には塔ノ岳方面と鍋割山・小丸方面の表示しかないが、支柱にマジックペンで右→西山林道と書き込んであり、確かにそちらの方に明白な道があった。 ここからの下りは小丸尾根(別名:訓練尾根)というのだが、登山道脇に生えてるのは低いアセビぐらいなので見通しが大変よろしい。 ふと左(東)を見ると大倉尾根がよく見える。なんか青い屋根の建物があるが、ここと殆ど同じ高さ、見通しのいい場所に建っているという事は花立山荘だろう。 何度か通った道を遠くから眺めるというのはなかなか不思議な気分だ。 これがバリエーションというか、マイナールートの楽しみだろうか。

大倉尾根
アセビ

 
 とはいえ、やはり良いことばかりではない。 通る人が少ないということは必然的に目が行き届かなくなり、整備や補修も後回しになるわけで、後沢乗越のルートと比べて荒れが目立つ。階段の下の土が抉り取られていたり、登山道の両脇が雨で崩れたようになっていたり、降雨時に水流の通り道になっているのか道が不明瞭になっていたり…。 ちょろっと冒険したいとか、ノーマルルートではいまひとつ面白みが・・な人にはむしろ望むところだろうが、初心者で疲労が溜まっている時とか雨天の時は避けた方がよさそうである。 

荒れ道


 この尾根道の後半は倒木があったり、トレースがとっちらかって不明瞭なところもあるが、外れても下のほうですぐリカバリできるし、支尾根に迷いそうなところにはきっちりトラロープが張られているので不安感はあまりない。ただ、登りでちょっと重いものを背負ったせいか、左足の親指に痛みが出てきた。 

 ずんずん下っていくと右手のほうに滝が見えた。 おそらく勘七沢の滝だろう。もう林道は近いはずだ。 しばらく進むとその予想通り林道に出ることが出来た。 この後まだダラダラ長いのだが、滑落や道迷いの心配はないので一安心だ。 

分岐

勘七沢2

 林道を気楽に進んでいると、轍に湧水が流れ込んだ水たまりからピシャっと水撥ねがあった。 不思議に思って近づいてみたらなんと泥の中からカエルが顔を出していた。 通る台数が少ないとはいえ、こんなとこにいて潰されないかちょっとだけ心配になってしまった。

カエル

鳥
 

 林道を出た後、大倉バス停までの間をちんたら撮影しながら歩いていたら、到着したのはバスが出た直後になってしまった。 なんかこの帰りのバスだけは毎回うまく行かないような・・・・。

大倉

7:15 大倉
8:30 勘七沢
8:55 荷揚げ用水場(ミズヒ沢)
9:27 後沢乗越
10:45 鍋割山山頂 11:07発
11:39 小丸
11:49 小丸尾根分岐
13:31 林道分岐
14:41 林道ゲート
14:53 大倉バス停
 
 
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プロフィール

piccoli

Author:piccoli
 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 
何の因果か2019年10月より自転車安全整備士になりました。

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