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鷹ノ巣山(1736m)稲村岩尾根ルート~倉戸山

 2月中に行きたかったのだがタイミングを逸して延び延びになってしまった。
 これまでで標高とルート的に一番厳しい鷹ノ巣山、いよいよ決行である。 ルートは一番きつそうな稲村岩尾根ルートだ。 どんだけ厳しいかといえば、これまでも苦しめられた塔ノ岳のバカ尾根ルートが6.4kmで1100mの標高差なのに対し、この稲村岩尾根ルートは3kmで同じ標高差なのである。 日にちを少し開けたのは本当はその間近くの森林公園で歩荷トレーニングでもしておきたかったからなのだが、トレーニングどころか普段の運動以下の怠惰な生活になってしまい、体調は悪くないものの準備という点では最悪のコンディションであった。
 
 さて当日、前の日早く寝たおかげで目覚まし鳴る前に起きて、ジャムトーストを食べてすぐに出発。あれ?自転車のサドルに氷がべっちょり付いてるぞ? ひょっとして雪降った? 怪訝な思いを抱えたままコンビニでサンドイッチとふんわりバウムを購入。 これまでの山行ではおにぎり+カップ麺が定番だったが、カップ麺は兎も角冷えたオニギリを食べていると気が滅入るのでサンドイッチにシフトしたのだ。

 電車では青梅線の乗り換えに失敗しそうになったものの(前4両しか奥多摩に行かないのに後ろの車両で居眠りした)、車内巡回の乗務員のおかげで難を逃れた。 乗り換えた車両では理に適ったシンプル装備でキリッと決まったいかにもデキる感じの登山者と乗り合わせたのだが、話を聞くと今日は鴨沢~雲取山の日帰りピストンという印象どおりの超健脚マンであった。これから登ろうと思っている甲斐駒について尋ねると「山小屋泊まりなら早着すれば初日に仙丈、2日目甲斐駒って行けますよ」などとさらりと答えるのだが、雲取日帰りなどという兵の言う事を自分が真に受けていいものかしばし迷う。

 電車が御嶽を過ぎると山が真っ白になってきた。 どうやらこっちは雪がしっかりと降って融けていないらしい。そこはかとなく嬉しい様な、山行が困難なるような不安がないまぜになる。奥多摩駅の公衆トイレで小便を済ませ、バスが来る間にスパッツも装着してしまう。 8時の便だとかなり登山客が増えるが、7時の便だと工事現場の2人を入れて3人しかいなかった。 ちなみに6時の始発バスは青梅発奥多摩行きの始発電車でないと間に合わないので南武線沿線住民の自分では前日泊しない限り物理的に乗車不可能なのだ。
 
 以前降車した川乗橋を過ぎると道もぐっと狭くなり、奥多摩秘境テイストもぐっとUPする。 雪景色も一層鮮烈に美しくなって、「おいおい・・・ホントこのコンディションで大丈夫か?」という不安も「うわーっ。きれい!わっ!わっ!」という小学生並の感想に押し流されてしまった。 これもはるかに残雪が多かったであろう清八山~本社ヶ丸を踏破した経験のなせる業だろうか。

バスから
バスから

 東日原バス停で降り、しっかりとGPSのスイッチを入れ、登山口方面へ向かう。 行く手に「どうん」という感じで稲村岩が突き立っているのが見える。
稲村岩
稲村岩

 パキスタンにブブリモティン(レディスフィンガー)というクライマー憧れの怪峰があるのだが、スケールは小さいけどなんとなくそれを連想させる。 ガイドブックで見た写真とは違い雪をかぶっているのでまた一段と迫力がある。 周囲の山々も真っ白になっていて幻想的だ。 あんまり美しいのでボンヤリしているうちに登山道入り口のある中日原を通り過ぎ、鍾乳洞入り口まで行ってしまった。毎回毎回何をやっておるのだ・・・・。 

雪景色
見とれちゃったのよ雪景色 

 中日原に引き返して小さな階段を降り登山道に入る。 暫くは日原川まで下っていくのでちょっと損した気分だ。 バスで降りたのが自分だけだったので一番乗りと思ったが、既に足跡があり少し凹む。 始発バスでやってきたか自家用車か・・・。気を取り直して進むが、流石に自分より早く入山するような人は体力気力ともマンマンらしく追いつけるような気配は微塵も無かった。 

入り口
登山道入り口
 
 数度の渡渉を経て暫く進むと道の勾配も急になってきて、靴底がツルツル滑るようになってくる。 そろそろ必要かな、ということでチェーンスパイクを装着。 見ると自分が取り付けた辺りから先行の足跡もスパイクの歯の痕が付いている。どうやら判断は間違っていないみたいだ。 

 それにしてもこの急坂はきつい! なんでも稲村岩尾根は「奥多摩三大急登」の一つらしいが、稲村岩のコルに出るまでの取り付きも同じ斜度なのできついのは当たり前なのだった。 ちなみに三大急登のうちこの稲村岩尾根だけは不動の一角を占めているのだが、残りの2つは本仁田山の「大休場尾根」とあとどれか諸説あるようだ。 こないだ登った大岳山に向かう馬頭刈尾根を挙げる人もいるし、六ツ石山の「水根集落~トオノクボ間」だと言う人もいる。 まあどっちにしてもハードな急登って事だけは確かだ。 距離的には大したことはないはずなのだが、心肺&脹脛への負荷が大きいのでものすごい長時間登高を続けている錯覚に陥る。 甲斐駒へのトレーニングしてここを選んだのだが、鍛えられる前に潰れそうだ。 

稲村岩のコル
稲村岩のコル

 ヒイヒイ言っているうちに先のほうに道標が見えた。 ようやく稲村岩のコル(鞍部)に出たようだ。 そうしょっ中来れるわけではないから、登れる時に稲村岩に登っておこうとコルにストックをデポして岩を登り始めたのだが、よりによって最初のコブを越えたあたりの切り立った岩場が夜半の雪でうっすら雪を被っていた。 「う~ん。このまま進んだら間違いなく滑落死しますね」と足が勝手に判断したのか、行こうと思っているのに何故か足が前に出なかった。ま、早い話がビビッて足がすくんでしまったわけなのだが。 疲労しきってる訳ではないのに頭の命令どおりに足が動かないというのは初めての経験だった。 後ろで竹刀持って怒鳴り散らす鬼のような先輩がいたらまた違ったのだろうが・・・。 

稲村岩コブ
このちょっと先で引き返した 

 しかし稲村岩を敗退してしまったらもう本命の鷹ノ巣山頂はどんなにキツかろうと諦める訳には行かない。 自家製トレイルミックスを齧りエネルギーを補給したら休憩もそこそこに歩き出す。 こっからは樹林帯の中の一直線の尾根道、傾斜の変化もほとんどない一本調子の登高なのだが、適度な雪景色なので飽きる事がない。 雪のおかげか音が吸収され、自分の息と足音以外はなんもなくなる静寂の世界だ。立ち止まってふと息をつくと、本当に何の音もしなくなってしまう。 高尾山なんかの人気のある山だと下から上まで人の声がするし、そうでなくとも沢の音とか風で葉っぱが擦れ合う音とか下界の人間活動の音(林業、工事その他etc)とかが聞こえてくるものだが、今日は色々なコンディションが合わさり本当に深い静寂を味わう事となった。 

急坂
静寂の急坂


 雪は積もっているのだが、恐ろしい急登であるのと日差しが強く照り返しもきついのでかなり暑く感じる。 最初のうちは枝からパラパラとチリ雪が落ちてくるので防水ジャケットを着ていたのだが、汗びっしょりになったのでアイゼンを装着する前に脱いでいる。 ザックのストラップに付けている温度計を見ると10℃を越えていた。 木の枝越しに直射日光を浴びている事を差し引いてもこれまでの山行より気温が高いのは間違いなさそうだ。 12~2月の参考に比べて明らかに喉が渇く。 この気温上昇で困ったのが、雪がベトベトしてきてチェーンスパイクに雪玉がどんどんくっついてくる事だ。 立ち止まって木の根でこそげ落としたりストックで叩き落したりするのだが、そのために停止しないといけないのはもどかしい。 アンチスノープレートのついた6~8本爪のアイゼンの方がよいかもしれない。   

凍結
フカフカ雪の下に氷が隠れていたりして
 

 それにしてもこの登山道、負荷はきついが高度がガンガン稼げるのが視覚的にもはっきり判る。 見上げていた天目山(三つドッケ)が見る見るうちに水平の高さになってくるのだ。後ろを振り返るとつい30分前にいたであろう場所がはるか下の方になっている。 あまりのきつさに途中雪面に座り込んでしまったが、息を整えたら「登らなきゃ」という気になってしまう。 休憩によさそうな平坦地もベンチも無いのでへたり込むにも落ち着かないのだ。

疲労困憊
座り込んでしまった地点

 ある程度の高さになると空気が軽いというか薄いというか独特の感覚が出てきて僅かながら気がまぎれる。 セカンドウィンドという奴か一時的にペースが上がったり、先行の足跡のコース取りが釈然としない場合にはあえてもっとよさそうなコースを通ったりといった余裕も出てきた。

 そして“ヒルメシ食いのタワ”と呼ばれる頂上手前の平坦地に出る。 ここで休憩しても良いのだが頂上までそう遠くないのでちょっと写真を撮ったらすぐに出発。 また急登が始まるが、丁度そこに単独行のハイカーが降りてきた。 話を聞くと6時のバスではなくマイカーを日原の駐車場に停めてきたらしい。 石尾根かカヤの木尾根から降りたいのだが車があるからピストンしなきゃいけないという。登りがよくても急な下降だとすぐに膝がパンクする自分は稲村岩尾根の下りは絶対にダメだろう。 足元は自分と同じチェーンスパイクだったが、この人も「今日のコンディションだとチェーンスパイクじゃダメですね・・・爪の長いアイゼンじゃないと」と溜息をついていた。 自分がヘタレなだけかと思ったがどうやらそうではなかったようで一安心。

ヒルメシ食いのタワ
ヒルメシ食いのタワ

 「ま、後はちょっとですよ。頑張って!」と爽やかな応援に励まされ登高を続行するが、暫くすると後ろからかちゃりかちゃりと音が聞こえる。 どうやら登山道入り口を間違ってうろうろしたり、稲村岩に登ろうとして無駄足を食ったり、運動不足のナメクジ足だったりしたせいで一時間後のバスで来た人に追いつかれてしまったらしい。

 本日一番乗りを取られた上に1時間後から登り始めた人にまで抜かれるのは我慢ならないのでペースを上げて頂上を目指した。 そして道が若干緩やかになり、前方に木立がなくなって開けたように見えてくる。 道標が見えてきた。 11時51分、ようやく登頂だ!




 もう春の空気でやや霞がかかっている感じがするが、大岳山、御前山、富士山、大菩薩と見事な眺望が広がっている。

山頂1

山頂2

山頂3


 山頂は広いので開放感もたっぷりだ。写真を撮ったり、ちょっと先に行って雲取山の方を眺めたりしているうちにさっき後ろから気配を感じたハイカーが山頂に到着した。 強力なクライマー・谷口ケイのような雰囲気を漂わせる女性であった。 

「8時のバスですか?」
「そうですよ」
「ふえーっ、早い!」
「いやいやいやいや」
「稲村岩には登られました?」
「今日は止めときました。 あそこ滑落が多いらしいんで」

稲村岩にも登られた上に追いつかれていたら立ち直れないダメージを受けてしまうところだった。

ちょっとほっとした所でお湯を沸かし昼食にする。 寒かったときのことを考えてサンドイッチ、飲み物はココアにしたのだが、山頂は風が殆ど無くピーカンの快晴に加えて照り返しがきついので暑い! 汗が引くまでマイクロフリースまで脱いでアンダーシャツ一丁になってしまった。 

 そこにもう一人、年配の登山者が登頂。話を聞くとこの人も稲村岩はスルーしたらしい。 びびったのは自分だけかと思ったが、どうやら誰が見てもヤバそうな状況だったということか。 手前で引き返したことで少し心に澱のようなものが溜まっていたが、仕方ないのかなと納得できるようになってきた。 お湯が沸いたところでサンドイッチを頬張りココアを啜る。 うむ、これはこれで悪くない。食べ終わってふと寝転がると後ろに生えていた皮の白いダケカンバが青空に映えて美しい! 眺望も素晴らしいが、今日はこれを見るために登ってきたのではないかと思わせるほどだった。

 広くて眺望のいい山頂ではあったが、登りで予想以上に苦戦して時間を食った上に、大岳山のときのように下りで途中からズル(ケーブルカー)できるわけではないのであんまりのんびりもしていられない。ここんとこ作れずにいて冷蔵庫に入れっぱなしだったスライス餅も早く食べなくてはいけないので、途中の倉戸山でオシルコを作る時間を考えるとそろそろ下山の時刻だ。 山頂にいる二人に挨拶してそそくさと頂上を後にする。ちょっとあわただしいが、ウルタール・サールに初登頂した山崎彰人&松岡清司の二人は8日間の死闘の末にようやく辿り着いた山頂には僅か5分しかいられなかったとのことだから贅沢を言ってはいけない。
 
 帰りは途中まで石尾根、水根山からは榧の木尾根を下って倉戸山を経由して下山するルートだ。 山頂直下は雪が融けてドロドロのグッチャグッチャになっており難渋したが、暫くすると雪が浅く残るようになってきた。 この石尾根は山火事の際の延焼を防ぐ為の防火帯として木が植わっていない為広々として大変開放感がある。 本日一番乗りのひとが稲村岩尾根から下山した為に今日ここを歩くのは自分が最初だったらしく、残雪帯には自分が足跡をつけて歩く事ができた。

下山開始
下山開始!

石尾根
開放感あふれる石尾根

足跡つけにご機嫌
足跡つけにご満悦

 標識で [倉戸山→]と出ていたのでそのままそれに従い水根山山頂を通らない巻き道を行くと、人間のものではない足跡が先行している。 熊ともキツネとも兎とも違うがなんだろう・・・と思ったが、ヤブとか木立の中を行かずに人と同じ登山道をずっと歩いてるところを見るに飼い犬ではあるまいか、と当たりをつけたのだが、それなら人の足跡ないのはなんでだろ?と頭を抱えてしまった。ちなみにこの推理は外れていなかったようで、他の登山者のブログに石尾根で首輪をつけたでっかい犬の目撃談が見つかった。 おそらく同じ犬だろうが飼い主は何をやっているのだ。なお、この足跡はカヤノキ山までずっと続いていたが雪の無くなった先からは何処へ行ったのかトンとわからない。 

犬の足跡
犬の足跡

自分の足跡
新鮮な自分の足跡


 榧ノ木山の登り返してっぺんまではうっすら新雪が積もっているが何故か稲村岩尾根と違いダマダマにならずに何の苦も無く降りることが出来たが、下りからは雪がほとんど無くなりスパイクは不要ように見えても日陰のところどころが落ち葉の下に氷が隠れていたりして足を取られた。 なかなか油断がならない。 
 ちなみに何の気なしにカヤノキ山の登り下りと書いたが、山頂を示すそれらしい標識などは無く、途中のコブとGPSのログと撮った写真を見てあそこがそうなんだろうなぁ、と思い返しているだけである。

鷹ノ巣~七ツ石山方面
榧ノ木山から見た鷹ノ巣山~七つ石山方面
  
 ちなみにカヤノキ山~倉戸山間は栗の木が多いのか、登山道には大量にイガグリが落ちている。 中はほとんど空っぽになっているが、食べたのは誰か深く考えない方がいいような気がする。栗といえば熊の大好物でここ倉戸山周辺は熊の出没地帯なわけで…。

いがぐり

 途中、後ろから猛スピードで何かがやってくる気配があって、静かな山のことなので何事かと肝を冷やしたが、ただのMTBikerだった。 確かにカヤノキ山~倉戸山間は緩やかでMTBも楽しそうだがやっぱし登りがネックだろうなあ。 このMTBのおかげで所々残ってる新雪に新鮮な足跡をつける楽しみはなくなったが、時折タイヤのライン以外にビンディングシューズと思われる足跡が一緒についていたりすると「おお、ここで降りて押しが入ったのだな」「ここは危なっかしくて乗ったままのクリアはできなかったのだな」などと想像が出来てなかなか楽しい。

 倉戸山山頂手前から分厚く落ち葉が積もりクッションが効いた快適な道だ。 尾根道の途中には倒壊したプレハブ倉庫跡なんかがあったり、なんとなく人が入りやすい気配を感じる。 傾斜が緩くなっていて木々の間隔が広く日当たりのいい、なんていうかテント適地みたいのもあったりして、本当はダメなんだろうけどここで幕営したら楽しいだろうなあ、などと考えてしまった。

倒壊倉庫跡

 
 倉戸山山頂は「山の山頂」というよりなんだか「木々の多い公園」といった趣で広々としている。ベンチなどは無いが、丁度いい倒木があったのでザックを置き腰を下ろす。前二回の山行では時間やメニューの都合で出番の無かった甘納豆+しゃぶしゃぶ用スライス餅の文太郎汁粉を作るのだ。 冷蔵庫に入れっぱなしのスライス餅が硬化してしまったか、数分炊いても硬いままだったので妙な食感だったが、甘納豆が美味しいのでまあよしとしよう。
倉戸山頂
山頂

倉戸山頂2
文太郎汁粉 餅が固い

 ちなみに山頂に着いたのが2時半で、この時点ではまだまだ余裕だなと思っていたのだが、お汁粉を食べ終わってふと時計を見ると時刻は3時。 おぼろげな記憶では倉戸口バス停のバス出発時刻は4時8分頃、ちなみに昭文社山と高原地図の倉戸山山頂~倉戸口バス停のコースタイムは1時間である。 この山と高原地図のタイムが曲者で、おそらくやや健脚な人間を前提にしてあるので自分がこのタイム通りに到着しようとするとそうとう飛ばさないといけないのである。ってことは・・・・急がないとやベー!!!!! 

倉戸山頂からの下り
倉戸山からの下り

 まあ陽もかなり傾いてきたのであまりのんびりとしていられないというのもあるが、ここからはかなり急いだ。
ただ、山頂直下から落ち葉に融雪の水が含まれ滑りやすくなったこともありところどころ減速しなければいけなくなった。 山頂には「道が不明瞭なので注意!暗くなる前に下山しろよ!」的な脅しの看板があったのだが、不明瞭なところにはピンクテープが貼られているのでそれほど迷う事はなかった。 本当は乱用しない方がいいピンクテープではあるのだが、この山は春先にはヤマザクラ目当てで地図も持たず、あまり山に慣れていない人も多数登るかも知れないから仕方ないのかもしれない。
 
 そんなこんなで飛ばす事1時間。 急にうすっ暗くなる針葉樹林帯を通過すると、やや道が荒れ足運びを慎重にしないといけない場所があった。 気ばかり急いている時にこういうのは非常にムカつくものだが仕方あるまい。

荒れ地点
この周辺だけ足元が悪かった

暫くすると山道から人の生活道路みたいなのに出てきた。 両脇には倉庫とも空き家ともつかぬ古民家があるのでもう迷う心配はない。 神社を過ぎ、階段を降りると、近くに住居を構えているアルパインクライマーの山野井泰史氏が描いたともっぱらの噂である登山道入り口の看板があった。 長年の風雨に晒されて錆だらけだったがミーハーなのでしっかり写真に収めておく。実は石尾根を下らずに倉戸口を下山ルートに選んだのはこれが目当てでも遭ったのだ。 

温泉神社
温泉神社

山野井看板
山野井看板の前で

 とりあえずバスの時間には何とか間に合いそうだしすこし歩が緩んだところで妙な気配を感じた。

 ? ? ? 

 なんだろう・・・人間じゃない何かに見られてるような変な視線・・・ ふと見上げると、石垣の上にある民家の玄関先に立っているカモシカがこっちを睥睨していた。

カモシカ


「カモシカぁーーー?」
 
思わず声を上げてしまった。 普通の鹿なら丹沢でも奥多摩でも増加が深刻になっているぐらいなので珍しくもないのだが、カモシカはさすがに予想外であった。 しかも、登山道の中ではなく民家の庭である。 「もう下山した!」と脳内スイッチが人間生活圏に切り替わっていたが、彼らにとってはこの辺も生活・行動範囲内なのだろう。 ここは自分の縄張りだといわんばかりに堂々としている。 それどころかちゃんと自分がここから離れていくまで睨みを利かせているかのように視線をそらさず、時折頭を振ってツノを向けるかのような威嚇ポーズをとるのだった。



 ひゃーびっくりしたなあ、と興奮冷めやらぬまま歩き続けたのだが、バス停は登山道入り口から思いのほか遠い。あれ?もう4時過ぎ?やばくね?と小走りになり、バス停に着いたのはギリギリの4時5分!ギリギリセーフ! と時刻表を確認したところ、4時のところには18分と書かれていたのだった!ちゃんちゃん!

 バスが来るまで時間があるのでチョコレートを齧り、辺りの写真を撮る。 御前山や六つ石山が夕陽に映えてきれいだ。からだが冷えてきた頃バスがやってきたので乗ると、驚いた事に朝の電車で話した鴨沢~雲取山ピストンの人が乗っているではないか。 自分よりはるかに長距離、累積標高差も大きいのに同じバスとは、やはり鍛えている人は違うな、と唸るのと同時に電車で見た「ぱっと見この人かなりデキそうだな」という第一印象がハズレでなかったのでなんとなく自分の鑑定眼に自信を持っちゃったりしたのでした。
 

 時間に余裕があったら奥多摩駅のカフェで一杯やりたいところだったが今回はパス。あと駅前の喫茶店「こうらく」の肉天定食がかなりいけるらしいのでスケジュールに余裕がある山行の時に食べてみたい。

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Author:piccoli
 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

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