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真・丹沢表尾根縦走! ヤビツ~塔ノ岳(1490m)~大倉

人気山岳漫画「岳」で主人公の島崎三歩が富士山の頂上手前で引き返そうとした婦人に満面のニカニカ笑顔でこう言って励ますシーンがある。
 
「遠くで見た時ずっとキレイになるんだよ 頂上まで登った山は!!」
 

ずーっとキレイに見えるかどうか判らないが、「ああ、俺あの山登ったんだよなぁ」と見るたびに満足感を得られるのは確かだ。タマサイを遡上していると遠くに浮かび上がる大岳山と御前山を見るたびにニヤニヤしてる自分がそうなのだから間違いない。

で、そのニヤニヤ山を増やすべく今回向かったのが塔ノ岳だ。  大岳山や御前山はタマサイを遡上して立川を越えたぐらいにならないと良く見えないが、丹沢山塊の主脈は良く晴れて靄がかかってなければ二子玉川や登戸から富士山の前にくっきり見えるのである。 もっとも一番目立つのは神奈川県最高峰の蛭ヶ岳(1673m)や鬼ヶ岩ノ頭(1607m)、不動ノ峰(1618m)、日本百名山に名を連ねる丹沢山(1567m)あたりであって、塔ノ岳は一番遠い位置にあるため左端の一段下がったところに申し訳見える程度なのだが(逆に大山が一箇所離れている分200m低いけど山容としては目立つ)。

それでも塔ノ岳はアクセスの良さ、眺望の良さ、初心者でもギリギリ日帰りで行ける難易度、いざとなったら泊まれる山小屋が多い、表尾根ならエスケープルートが豊富なので体力が厳しそうなら厳しい所に行く前に降りられる・・・とおいしさ満載で丹沢ではトップクラスの人気を誇っており、「塔ノ岳に登って丹沢に登ったと言えるんじゃないかな」と言う人もいるぐらいなので馬鹿にしてはいけないのである。

で、この塔ノ岳、ルート的には冬に登った鍋割山と同様、大倉バス停から出発する大倉尾根(通称バカ尾根)ルートと、去年の夏に登った大山と同じくヤビツ峠バス停から出発する表尾根縦走ルートがあるのであるが、いろいろ話を聞いて身の程も弁えずより大変そうな表尾根縦走ルートをとることにした。 
このルートを選んだ理由はヤマケイの丹沢ガイド本を見たとき何故か地図上に塔ノ岳よりおっきい文字で
「新大日」
と書かれておりそれが妙に気になっていたのと、二ノ塔、三ノ塔と連なる手前の峰から自分がこれから進むルートがくっきり見えたりしてそれが眺望の効かない他の山とは全く違いなかなかよろしげである、と聞いていたからである。

 もうひとつの理由として、山行の日が延期に延期を繰り返した末自分としては珍しい土曜日の休暇に重なり、土日だと本数の少ないヤビツ峠行きのバスが平日より一時間近く早く出る為早めの出発が可能であり、上記のように時間のかかる表尾根ルートであってもなんとか陽のある内に下山できそうというのもポイントであった。

 ただ、歩く距離は大倉ルートより大幅に伸び、距離にして1,1km、時間にして1時間ほど多めにかかり、足の負担も大きい。足の負担だけでなく精神的な負荷もかなりのもので、健脚なら気分のいい三ノ塔からの眺望であっても、いいかげん疲労の溜まった初心者がはるか彼方の塔ノ岳山頂を見せられると「これからあそこまで登らなきゃいけないのかよ・・・無理!絶対無理!」と心が折れてしまう方向に作用してしまう事もあるらしい。 もっともそうなっても二ノ塔、三ノ塔からはエスケープルートが用意されているのであるが・・・。

 そんなわけで5月12日、前日早く寝たこともありAM5:10に目覚ましがなる前にスッキリ起床。サクサクと牛乳ぶっかけフルーツグラノーラをかきこみ、バナナも一本平らげ家を出た。 秦野駅に降り立つとヤビツ行きバス停には既に長蛇の列。一台目には乗れず臨時便に何とか搭乗した。 ロードレーサーの脇を縫うように山の細道を走りつつようやくヤビツ峠に到着。ここで柔軟体操、登山カードの投函とGPSのスイッチONを済ませ歩き出す。 ちょっと尾篭な話になるが自分は平時大変便通よろしく、朝飯を食っていると覿面に催してくるのであるが緊張の為か自宅では全然する気になれずここまで来てしまった。 ここを逃すと山小屋の有料トイレまで雉撃ちのチャンスはない(登山道は細い上に人が多すぎてちょっと離れてぶっ放すという手が使えない)のだが、ここでもまるっきり便意はなく不安を抱えたまま歩き出すことになった。 時刻はAM8:15。

 登山口は舗装路を下っていった富士見茶屋の前になるのだが、今日は山頂でカップラーメンを作る予定なので背中のハイドレーションとは別に水を汲むため富士見茶屋の先にある一旦「護摩屋敷の水」という湧水の水汲み場に下りる。一口飲むとさすがに湧き水。ひんやりしてうまい。  

護摩屋敷の水

 再び富士見茶屋前に戻り、ここの公衆トイレで小便を済ましいざスタート。時刻はAM8:40。 さすが丹沢で最も人気の山、登山道入り口は老若男女さまざまな人間でごった返している。 登山道に入ってしばらくは自分の前には小学生4~5人のグループがいた。 このがきんちょ共が元気一杯、なかなかいいペースで進んでおり、しばらくは彼らの後を突いて登っていくことになる。 良くみると装備も大変しっかりしており、足元はキャラバンシューズやモンベルやスカルパのトレッキングシューズ、はてはモントレイルのトレイルランニングシューズといった具合でGTホーキンスのなんちゃってトレッキングシューズの自分より遥かに真摯なのである。 パンツやシャツもみな名の知れたODブランドのものであり、アウトドア界のしまむら的存在である「サウスフィールド」で身を固めたわが身を振り返り多少こっ恥ずかしくなる。

 ところでこの表尾根コース、一番傾斜が厳しいのが登山道入ってから二ノ塔までの区間である。 最初元気良かった小学生たちもコンパスの差で段差は大人よりも大きく足を上げないといけないのでだんだん疲労がたまってきたらしく、そのうちに自分の後ろへと下がり、じわじわと千切れていった。 とはいえ自分がそれほど早いわけではなく、よりペースの早い人にはサクサクと抜かれ、引き離されていく。 しかし、数日前に某巨大掲示板で「山ガールに煽られても自分のペースを守れ」とアドバイスされていたこともあり、無理をせずに進む。なによりまだ先は長いのだ。  
  
 傾斜がきついのと登山客が多くて道が荒れていることもあり、ガレ石を踏んで下に落としてしまったりけっ躓いたりでなかなか緊張する。それでもAM9:25分、二ノ塔に到着。 予報に反して今にも降り出しそうな天気で、大山のほうをみるとどうも降っているっぽい。 そもそも大山は雨乞いの山であり、雨降りが転じて阿夫利神社なんていうのがあるんだっけ。

二ノ塔
二ノ塔 先に三ノ塔が見える。

ここで自家製トレイルミックスをかじり、エナジーゼリーをちょっと啜って5分ほど休憩したのち出発。二ノ塔からは15分ほどで三ノ塔に到着。 太陽が出たと思ったらすぐに隠れ、先に見える塔ノ岳はガスの中・・・。

三ノ塔
三ノ塔

烏尾山方面
進行方向 これが「初心者は心が折れる」という景色。 真ん中左より、とんがり屋根の小屋があるのが烏尾山 右側の高い山が政次郎ノ頭~新大日。 塔ノ岳はガスの中。

ここでちんたら写真を撮ったり、写メでブログ更新しようとしたら(失敗)時間を無駄に使ってしまい出発はAM10:00になってしまった。ここからはガレ場を下り烏尾山に向かう。ここの下りは急峻でちょっとこわい。烏尾山~行者ヶ岳~政次郎の頭も切り立った尾根や鎖場と緊張の連続。 去年の夏に大山に登ったちょうど同じころ、このコースを取って塔ノ岳へ向かった爺さんが遭難(未だに発見されていない)するという事件があったのだが、この厳しさでは納得。

烏尾山~行者ヶ岳間

鎖場は一人づつしか通れないところに持ってきて土日の混雑が重なって大渋滞。 15分待ち。 ちょうどいいのでトレッキングポールを畳み、柔軟体操。 GWの好天時だと30分待ちもざらだとか。
鎖場

登りっぱなしよりアップダウンのほうが足に来るようで、そろそろ脹脛や太腿に張りが出始めてきた。 頻繁にここをこなしてるような人は別として、初心者にはこの辺が鬼門らしく、自分のすぐ前を同じくらいのペースで歩いていた兄ちゃんは新大日の手前の階段で脚が限界にきたらしく、突然立ちどまってしまった。
 自分は行者ヶ岳まではトレッキングポールを使って足の負担を軽くしているのと、ここ数日は駅まで自転車を使わず片道3km歩いたり、休日のトレも森林公園で2~3時間歩いたりといったものに変えていたのかまだ動いてくれているが、病み上がりとか、奥多摩三山、鍋割山といった山をこなさずいきなりここに来ていたらどうなっていたことやら・・・。

そしてAM11:25新大日に到着。 地図で妙にクローズアップされていたのでわくわくしていたが、小さな茶屋(週末営業のはずだが閉まってた)があるだけのこぢんまりとした山頂。 三ノ塔や大山方面の眺望は良いのだが、なにぶん天気が悪いのがね。 それでも、今までこなしてきた三ノ塔~行者ヶ岳間がクッキリハッキリ見えるというのはなかなか気分が良い。
新大日

新大日から三ノ塔方面
今まで通ってきた道がはっきりとわかる。 これが表尾根コースの醍醐味。

ここでさらにエナジーゼリーをじゅるっと啜りエネルギーをチャージ。 最後の登りに向け出発。 10分ほどで木の又大日を過ぎ、さらに階段をがっしゅがっしゅと20分ほど登りつめるといよいよ塔ノ岳山頂に到着。 
時間は・・・・12時ジャスト!!!
コースタイムはヤビツから3時間45分。 ヤマケイガイドに出ている標準コースタイムが4時間35分だから、素人に陰毛が1~2本生えた程度の自分であればこれは上出来であろう。

塔ノ岳山頂

動画


表尾根からも相当な数の人がいたが、大倉から登ってくる人もいるので山頂は大賑わいだった。

ここでようやくザックを下ろし、昼食とする。 ここ何回か鍋割山登山でもサイクリングでも使わずただの重石と化していたバーナーが久々に点火された。 おにぎりの他にカップめんを食うのである。 今回は大岳山の時のようなヘマはせず、ちゃんとカトラリーがあるので安心・・・と思ったが、邪魔は別のところからやってきた。沸騰する直前になって雨が降ってきやがったのである。 大山のほうで雨が降っているっぽい雲行きだったので覚悟はしていたのだが、濃い雲とガス、そして雨がちゃんとやってくるとさすがに焦る。 とはいえそれ程強い雨ではないので「まあそのうち止むだろう」とどっかりと構え湯沸しを継続。 この賭けは見事に当たり、ラーメンが出来上がる頃には止んでいた。

 今日は思いのほか涼しいのでアツアツのラーメンがよりおいしく感じる。 途中では自家製トレイルミックスとエナジーゼリーを口にしたが、昼食時間が取れるのならやはりちゃんとおにぎりとカップめんぐらいは腹に入れたいところ。 ある程度お腹が満たされたところでちょこちょこと写真を撮り再出発。 

一瞬の晴れ間
一瞬の晴れ間を縫って東京方面をパチリ


尊仏山荘でトイレを借りてもよかったのだがそれ程切迫した状態でもないし満員だったので後回しとなった。 山頂出発時刻はPM12:50

(下り編は続きを読むをクリック!)
 
 

 山頂から木の階段を下りていき、金冷シ方面へ向かう。 途中細い道でそれまで動いていた人の動きが止まり、登ってくる人を待つ(山のルール通り)のだが、そこで出会った人はただの人ではなかった。

その人は畠山良巳、通称・塔ノ岳のチャンプ。 塔ノ岳の通産登頂回数4000回を超える、草野延孝(鍋割山荘の親父)と並び称される名物強力だ。

丹沢のチャンプ:塔ノ岳のボッカ、畠山さん4000回登頂
毎日新聞 2012年04月29日 18時48分(最終更新 04月29日 18時54分)

 夏山シーズンを迎えた神奈川県の丹沢・塔ノ岳(とうのだけ)=1491メートル=で、同県大井町の会社員、畠山良巳(はたけやま・よしみ)さん(58)が29日、山頂の山小屋に荷揚げする「ボッカ」として前人未到の4000回登頂を達成した。

 重さ30キロ超の米や水を担ぎ、14年間にわたって標高差約1200メートルの山道を歩き続けた。登山者に声をかけられると、いつも笑顔のVサイン。苦しい顔を見せたことがなく「丹沢のチャンプ」と親しまれる。

 大記録に「大勢の登山者と話すことが励みになっている」。故郷は東日本大震災からの復興に奮闘する岩手県田野畑村。近々帰郷する予定で、自分の地道な活動を踏まえて励ますつもりだ。【小野博宣】

http://mainichi.jp/select/news/20120430k0000m040026000c.html
魚拓



普通ボッカには挨拶しないのがマナーなのだがこの人だけは別で、このやたらと登山客の多い大倉尾根であっても挨拶し、挨拶を返す。なんとも人柄がしのばれる話である。 で、この人のすごいのはそうしたボッカの常識からはずれた挨拶返しだけでなく、重い荷物を持っているにもかかわらず他の登山客より速いスピード。 以前大山で遭ったボッカさんはこちらが空荷同然の身軽さのせいもあって簡単に追い抜いていってしまったのだが、チャンプは空荷のときの自分並みのスピードでさっさと登ってしまうのだ。 ちなみにこのとき持っていたのはパック入りおでんが入った段ボール箱5~6箱にサラダオイルのボトルだったが、その姿を認めてあわててカメラを取り出したときには既にすれ違った後で、シャッターを切ったときには既にここまで離されていた(近くに見えるが最大ズームにしたのでかなり離れてる)。

チャンプ
ちなみに冬でもこのカッコらしい。 ガンダムみたいな足。


金冷シからはキッツイ足にくる下りを進む。 大倉尾根は傾斜が急なことからバカ尾根とも呼ばれるのだが、表尾根を歩いてきていい加減疲れた足にこれはきつい。
バカ尾根
バカ尾根の下り きついきつい

そして下り続け樹林帯に入ったころ、ついに雨が降り出してきた。 どうせすぐ止むだろうとタカを括っていたのだが止む気配を見せず、、ふと腕を見るとなにやら白いものがこびりついている。 鳥の糞?と思ったのだが、くっついていたのはシャーベット状の氷であった。 そう、ここ数日関東を荒らしまわった雹がここにもやってきたのである。 そのうち空がいっそう暗くなったかと思うとバラバラとタピオカパールのような氷の塊がたたきつけてきた。
「痛たたたたたたた!痛い!痛い!やめて!ちょっと待って!」
慌ててザックからレインウェアを取り出し被るのだが、フードを取り出すのを忘れたまま着込んだ為また脱いだりと二度手間になってしまった。登山道は既に雹で真っ白である。 



しかし今まで生きてきて雹の直撃に食らったのは初めてであった。 しばらくして歩きを再開するが、雹は雨に変わりじとじとと湿っぽい。 道もぐちゃぐちゃになってきた。 今からスパッツをつけるのもめんどいので足元はもう放置!

 購入してから今回初めて使うことになったレインウェアだが、ゴアテックスで安物に比べてましなはずでもやはり蒸れる。 そのうち小降りになったので鬱陶しくなってしまって脱いだら駒止茶屋のあたりまた降られて着直したりとなんともちぐはぐであった。 それでも3時20分には大倉登山道入り口である『尾根道標番号0』のところに到達。 土からアスファルトへの帰還を果たした。 
大倉
大倉の街へ 雹で冷たく濡れた道に陽が差してきて湯気がむんむん立っている


大倉のビジターセンターではちょうどバスが出てしまったところだったが、シューズの泥を洗い落としたりトイレを済ましてるうちに次のバスが来たのでスムーズに帰ることができた。

電車もいいタイミングで快速急行がやってきたのだが、疲れてうたた寝をしているうちに乗り換え予定の新百合ヶ丘駅を通過してしまい、遥か彼方の下北沢まで連れて行かれてしまったのでした!ちゃんちゃん♪
快速急行ってのぼりとまでスルーしちゃうのね・・・。

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Author:piccoli
 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

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