スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 読書ネタ行こうと思う。
 先日、ホリエモンについて「小説の登場人物のような事を言っていて嬉しくなってしまった」と書いたが、読書していてこのように
「小説の台詞のような事を言う奴が実際にいたとき」
「小説の舞台を実際に訪れたり、実は近所にあった時」
の嬉しさは格別である。 暇を持て余していた就職浪人の頃は実際に推理小説の殺人現場に行ったりしていた。最近ではそんな事は少なくなったが、別の楽しみもある。

 全く違う作家が、全く違う話で、年齢も性別も違うキャラクターを描いているのに、行動パターンや正確が酷似していることがあるのだ。 パクったとかそういうんではなく、人間の心の奥底を炙り出したら、図らずもそうなった、のだろう。

 具体的にいうと、清水一行の代表作「虚業集団」の主人公、上条健策と、馳星周の代表作「不夜城」のヒロイン、小蓮こと呉富蓮(ウー・フーリェン)だ。

虚業集団 (1977年) (集英社文庫)虚業集団 (1977年) (集英社文庫)
(1977/06)
清水 一行

商品詳細を見る


不夜城 (角川文庫)不夜城 (角川文庫)
(1998/04)
馳 星周

商品詳細を見る


 上条健策は実在の大物総会屋にして乗っ取り屋「芳賀龍臥」がモデルで、金融の担保とし預かった株券をパクって株主総会に乗り込んだり、手形やら何やらを駆使して会社を乗っ取り、むしゃぶりつくす極悪人なのだが、この主人公が物語の後半、愛人の娘(またこの子を手篭めしてたりする)に土地の権利書を持ち出され、トンズラされてしまうのだ。

 パクリ、乗っ取り、会社泥棒を生業にしていた人間はここで凄まじい金への執着を見せ、怒り狂い、居場所を掴むとこの女性のアパートに乗り込み、凄まじい暴力を振るう。もともとは他人を騙し、嵌め、奪い取った金や土地であるにもかかわらず。


 一方、呉富蓮は、チンピラで殺し屋の兄が賭場荒らしでかっぱらった3千万円を持ち逃げするのだが、兄のかつての相棒(主人公)とデキてしまい、それを兄に咎められると(実は近親相姦関係だった)、ピストルで撃ち殺してしまうのである。

 主人公の目からすると、3000万円を取り戻されるのが許せなくて(といってもマンションの頭金として既に全部使っちゃってる)殺したようにしか見えないのだが、そこを描写した会心の表現がこれだ。

 

富春を撃った時の小蓮の目。燃えていた。自分さえ燃やし尽くしてしまいそうな憎悪の炎で。おれは何度もあんな目を見てきた。欲の深い人間が、自分の物をかっぱらいに来た相手に見せる目だ。小蓮は富春を憎んでいたわけじゃなかった。小蓮にとって富春はただのゴミ屑だ。憎む対象にすらならない。だが、すでに小蓮のものになったものを取り返しにきたとなれば話は別だ。小蓮はありったけの憎悪をこめた目で富春を睨み付けるだろう。





 会社乗っ取りを生業にした犯罪集団と、中国ヤクザの間で翻弄される半々(中国人と日本人の2世の事)のコチンピラを描いた小説で、同じメンタリティをもった人間が現れるのだから面白い。 作家が削り出し、蒸留し、抽出したキャラクター、行きつくところは一緒というところか。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

piccoli

Author:piccoli
 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
カテゴリー
月別アーカイブ
ブログ内検索
最近の記事
最近のトラックバック
最近のコメント
リンク
フリーエリア
にほんブログ村 自転車ブログへ にほんブログ村 自転車ブログ ツーリングへ にほんブログ村 釣りブログへ にほんブログ村 釣りブログ 波止釣りへ にほんブログ村 マリンスポーツブログへ にほんブログ村 マリンスポーツブログ シュノーケリングへ
RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。