Ride&Trek

 快晴の予報なのでまた山梨に遠征して、今度は本社ヶ丸、清八山、三つ峠の三峰縦走をする予定であった。
 ところが、大金欠で往復の交通費、降りた後の三つ峠グリーンセンターでの入浴&食事代を考えると今月は早くもヤバいことになりそう。 加えてその日は夜仕事に出なければならなくなって、三峰縦走の後風呂&飯を味わっていたらとても時間的に間に合わなさそう。 仕方がないので予定を大幅に切り詰めつつ同じくらい体を使うということで、自転車で手近な山にアプローチしそこを登って、そのまま仕事場に自転車で向かうことにした。

20151104_05.jpg
多摩サイから大岳山

 手近と言っても奥多摩となると往復で100㎞くらい行ってしまうし、山はそれほど時間も取れないしハードすぎて帰りの自走に差支えてもいけないのでそれほどキツくないところ・・・というわけで高水山にした。ここだと往復で3時間かからないし、余裕があれば岩茸石山まで足を延ばしてもいい。

 10時には登山口に余裕で着けるだろうと思っていたのだが、なかなか体が目を覚まさず足の回りも鈍いままでスピードが上がらない。途中農協の即売所で原木なめこを購入したり和菓子屋で行動食を購入したりと寄り道したこともあって登山口最寄りの駅である軍畑に着いたのは11時近くになってしまった。  軍畑から平溝川沿いの小道を上がっていき、高源寺の前で自転車を停めて靴を履きかえる。 飯能の天覧山に登ったとき同様、コンパクトな地下足袋だ。

20151104_07.jpg
なめこ。 この時期しか売ってない上に朝早くいかないと手に入らない

20151104_08.jpg
すざ㐂 ここの黍大福が絶品

 山門の前に簡易公衆トイレがあったのでトイレを済ませておくが、これがハイテクバイオトイレでドアを開けた瞬間電灯がともり、便槽ふたがパカッと開き、ごわんごわんと音を立てて中の微生物が入ってるであろうおがくずを撹拌し始めたので驚いてしまった。 高水三山は比較的お手軽なため中高年の登山者も多いと思われるが、ここをトイレと気づかない人が多くて利用者がそれほどいないのか、それともキャパシティーにゆとりがあるのか、掃除して中のおがくずを入れ替えたばかりなのかわからないが、丹沢や川苔山のバイオトイレに比べて臭いがない。 臭いがすさまじいトイレが苦手な人でもここは安心だろう。

20151104_11.jpg
ここを左に曲がって平溝川沿いを行く。 のどかでいい道

20151104_15.jpg
ハイテクトイレ

 スッキリしてふと上を見ると空も抜けるように青かった。 ちょっぴり「本社ヶ丸行ってれば富士山も南アルプスもきれいだったろうな・・・」という考えが頭を掠めなくもなかったが、この平溝川沿いの小道もなかなか風情があって気分がよいのでもやもやした気分になることはなかった。 柑橘の小さな果樹園があったり、脇の民家は柿を干していたりと正しい里山という感じがする。 あきる野や武蔵五日市あたりだと柿は成るがままにしておく家も少なくないが、この辺はキッチリ捥いで無料販売所に並べておくか干すかしてある。 この辺だと柿をほったらかしにしておくと熊が食いに来るという事情もあるかもしれない。 青梅署の山岳救助隊の副隊長が書いた本に出ていたが、町も熊をおびき寄せないようきちんと捥いでおくことを推奨していたはずだ。

 それを裏付けるかのように登山口には奥多摩ビジターセンターによる熊目撃情報のお知らせがブラ下がっていた。よりによって10日ほど前、高水山の山頂付近、しかも子持ちである。

20151104_19.jpg

間が悪いことに熊鈴は48リットルのザックに着けたままで今日は持ってきていない。 まだ紅葉には早いせいかほかに人の気配もあまりないのでバッタリ遭ったらいやだなあ・・・と思いつつ、微妙に哺乳動物との遭遇率が低いのでまあ大丈夫だろと自分を納得させつつ登山道に入る。 

20151104_21.jpg
砂防ダム

 正月に高水山に来たときには棒ノ嶺から岩茸石山を経由してきたのでこちらを通るのは初めてなのだが、最初のうちは沢沿いで南側に小さな支尾根があるので日当たりが悪く、思いのほか湿っぽく陰気な道であった。 しかし少し登って中腹までくるとススキ原が広がり、少し解放感が出てくる。 鳥も多く鳴き声もにぎやかだ。 大菩薩の時のように自分の前をちょこちょこ飛び回る奴までいる。 ひょっとしたら巣が近くにあり、自分を囮にしてこっちを巣から引き離そうとしているのだろうか。 

20151104_25.jpg
ススキ

 尾根の近くまで上がると、ススキ原の上端にだけ陽光が当たってキラキラしている。なかなか幻想的な風景だ。 そのススキ原を抜けると尾根に出て少しだけ眺望が開ける。そこには二つほどベンチがあり休憩に良さそうなのだが、まだ全然疲れていないのでちょこっと写真を撮るだけで通り過ぎる。  このベンチを抜けるとまた濃いめの樹林帯になり、奥多摩の山らしくなるのであるが、これまでと少しだけ違うのは一定間隔で「○合目」と書かれた石の道標が経っているところ。 頂上近くに常福院と言うお寺があり、ここは表参道でもあるのでこんな道標があるのだろう。  もっともあまり注意して見ていないせいか三合目の次に見たのが六合目で、その次は八合目と飛び飛びであった。 

20151104_30.jpg
ベンチの前から

 九合目の辺りで小さな分かれ道があったが、お寺の山門をちゃんと通って行くか、お寺の上にある東屋へ直接登って行くかの違いしかなさそうだったのでここは山門を通って行く。 常福院はなかなか立派な建物で、でっかい刃物のレプリカが奉納してある。 お寺の敷地を抜けてさらに登っていくと東屋があり、ここはなかなか休憩に良さそうだ。時間的に岩茸石山に登るのは厳しそうだし、山頂へ着いたらここに戻ってきて飯にするのが良かろう。
 
20151104_37.jpg
常福院

 頂上には中高年登山者(もう俺も立派な中高年だけど)が4人ほどいて、彼らは写真を撮り終わると岩茸石山へ向かっていった。 前回来てわかっているが、この山頂は眺望が無く、その分岩茸石山より北風の吹き曝しに合わないという取り柄があるもののそれほど面白い山頂でもない。 不安定な地面やベンチでコンパクトストーブをひっくり返すよりも、先ほどの東屋で落ち着いて食べたほうが良いので、ここでも写真を撮ったらさっさと引き返した。

20151104_42.jpg

 東屋のあたりも眺望があまりきかないことには変わりないのだが、木の葉がほんのり色づいているのと、ちょうど陽だまりになっていてなかなか気持ちがいい。 思いのほか気温が高く、ウェアが汗でじっとり湿ってしまったので、湯を沸かしている間にジップアップシャツを脱いで近くの岩にかけて干しておいた。 

20151104_44.jpg
東屋の前から

20151104_48.jpg
ウチワカエデの紅葉

 大菩薩では降りてから食事にするつもりだったので、金峰山以来の正しい頂上ラーメンだ。毎度のことながらこういうところで食うとクリエイトSDで100円しないシーフードヌードルがとてもうまい。 とりあえず腹が膨れたところで下山開始。 今日は降りてからまた50㎞走らないといけないので全面的にせわしない。

 いつもの登山靴なら荒っぽく駆け降りるところだが、今日は地下足袋なので爪先をぶつけないよう、また小石や岩のトンガリを勢いよく踏まなないように足運びはやや慎重だ。 それでも日蔭となり手ブレしやすくなった道では写真のために立ち止る事もなく、1時間ほどで登山口に到着。 帰りがけに民家の縁側に出ていた柚子を購入してお土産を追加し、帰宅の途に就いたが、これからが思いのほか大変であった。

20151104_59.jpg
セールストークがイカス



3時間もあれば着くだろうと思っていたのだが、そうはいかなかった。 妙な吸引力を持つ青梅のレトロ映画看板でつい足が止まっては時間をくってしまう。

20151104_71.jpg
青梅の町でもつい足が止まる


青梅の市街地を抜けてさあ急げ!と甲州街道ではなく青梅街道を使ったところ、途中に素敵な歴史的建造物があったので思わず立ち寄って見学。 なんでも江戸時代に荒地であった青梅の隣を開墾し新町村を作り上げた吉野織部之助の邸宅跡らしい。安政二年に火事で焼失したのを再建したのがそのまま残っているのだが、その際に使った柱は吉野家に嫁いだナントカとかいう人の実家を建てなおす際に出た廃材をリユースしてるとかで、最低でも160年以上経過しているとのこと。

20151104_78.jpg
旧吉野家

 ボランティアの解説員のおじさんはこちらが川崎の人間だと言うと「あそこ(※生田緑地の事)にも民家園あるでしょう?でもここのはよそから移築したんじゃなくてずっとここにあるから価値があるんだよぉ~」と郷土愛溢れさせていた。 たしかに生田緑地の民家園は白川郷かどっかから持ってきたはずだ。 んでもってこの手の古民家は茅葺きの屋根を葺き替えたり、虫が食わないよう手入れするだが、ここでもやはり虫がつかないよう一日5~6時間は囲炉裏で火を焚いて燻すのだという。  

 ここで歴史ロマンを堪能しているうちにエライ時間を食ってしまった。 早く先へ進まねばと思うのだが、今度は本格的な大型登山用品店である好日山荘に立ち寄ってしまったりなかなかスピードが上がらない。 ようやく多摩湖サイクリングロードに出た時はとっぷり日が暮れてしまい、おまけに帰宅の途に就くサラリーマンや学生がサイクリングロードに溢れているのでスピードが出せない。

 さすがに山を登った後にまた走るとなると足のキレも悪くなってスピードが上がらず、結局渋谷に着いたのは予定を大幅に過ぎた7時近くになってしまった。 それでも念願のナメコやうまい黍大福を入手し、大満足の一日となった。




 
 
スポンサーサイト
プロフィール

piccoli

Author:piccoli
 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

カレンダー
10 | 2015/11 | 12
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
カテゴリー
月別アーカイブ
ブログ内検索
最近の記事
最近のトラックバック
最近のコメント
リンク
フリーエリア
にほんブログ村 自転車ブログへ にほんブログ村 自転車ブログ ツーリングへ にほんブログ村 釣りブログへ にほんブログ村 釣りブログ 波止釣りへ にほんブログ村 マリンスポーツブログへ にほんブログ村 マリンスポーツブログ シュノーケリングへ
RSSフィード