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寒風の川苔山

 山行の後はいつも2~3日筋肉痛に悩まされるのだが、先日の三つ峠は距離、累積標高差とも結構あったにもかかわらずあまり疲労を後に引かず翌日以降も足が軽やかだった。 大菩薩山行のあと数日して疲労が抜け、足も出来上がったところだったので回復も早かったのだと思うが、そうなるとまたあまり間を空けずに山行に出かけたいところ。紅葉ももう終わりの時期だし、そんじゃあ去年行った川苔山だな!と予定していたのだが、前日夜遅くまで仕事が入ったのと家回りの草むしりをしなくてはいけなかったので延期となり、結局10日後の出発となった。 
 
 ちゃんと普段から早朝ランニングでもやっとけばいいのだが、休日以外トレーニングは殆どしなくなってしまったのでこれほど間が開くともう元の木阿弥と言う感じである。 あの休日に水ボッカでもやっていただけでもまた違ったのだろうけど・・・。

 で、当日。最悪なことに夜中の1時半と2時半に目が覚めてしまい、実質睡眠時間3時間かそこらという最悪の状況だった。 あまり早く帰れなかったが、5時間ぐらい寝れば電車の中でうたた寝して後4~50分は上乗せだな・・・などと考えていたのだが早くも目算が狂った。 
 あまりに眠たいのでうっかり足を滑らせて滑落でもしたらやばいし、行くのをやめてしまおうかとも考えてまた布団に舞い戻ったのだが、小窓から入ってくる月明かりがあまりにギラギラと眩しく「オラ、起きろ!早く行け!」と急かされてる様に感じて眠れなくなってしまったので、のそのそと着替えて出発することになってしまった。 滑落事故の多発している川苔山であるが、今日もし事故ったらその原因は真昼間でも「月に惑わされた」ということになるのだろうなあ、とぼやけた頭のまま駅まで自転車を走らせた。

 しかしこの寝ぼけ頭の状態では事故る前から次々にポカをやらかす。 電池を入れたカメラケースだけザックに入れ、カメラ本体はズボンのポケットに入れて出発しよう、とカメラは前日のうちにケースから出して充電器に挿しておいたのだが、そのまますっからかんと忘れていた。 「アレ?ひょっとしたらカメラ持ってきていないんでは・・・」と思い出したのは南武線分倍河原を通過したときだったが、その時にはさらにグローブをどこかに落としていたのだった。 まったく何をやっておるのか・・・。

 立川駅から青梅線(奥多摩線)に乗り換えたら盛大に爆睡し、奥多摩駅でも目覚めず危うく折り返してしまうところだった。 親切な山ガールが声をかけてくれたからよかったようなものの、折りかえしまで気付かず寝ていたら計画に支障をきたすところだった。

 ここまでポカを連発しているのだから引き換えしてもいいのだが、電車賃がもったいないので続行。 当初「奥多摩三大急登」の一角である大休場(おおやすんば)尾根から本仁田山に登り、曲ヶ谷北峰を経由し川苔山、ということも考えたのだが、この体調ではとても無理そうなのでおとなしく前回と同じ川乗橋から百尋の滝を経由していくルートをとることにした。

 紅葉には少し遅いのと、非常に冷え込み(奥多摩市の最低気温が-2℃)風も強いという予報のせいか、昨年に比べるとバス客がだいぶまばらだ。 確かにかなり冷えるので体が温まるまではジャケットを羽織ったまま行くことにしよう。

 林道部分を上がってしばらくして竜王橋のあたりに来ると、笙ノ岩山の尾根の岩塔が見えてくる。
去年来た時はこの岩塔の先っちょが緑の針葉樹と色づいた広葉樹でカラフルになっており、抜けるような青い空に向けて絵の具をつけた絵筆を突き立てたようであるなあ、と見とれてしまったのだが、惜しいことに今年は昨年より紅葉が終わるのが早かったようで、色づいた部分が残り少ない。 しかしまあ今日はカメラ忘れちゃったし何度も取り出さなくて良いやな、と無理やり納得させて先に進む。
 
 細倉橋を越えると道は急に狭くなり登山道らしくなる。 そろそろコケたり落っこちたりのトラブルが出てくるところだから気をつけねば。 途中の小さな渡渉のところは前回来た時は橋が無かったような気がするのだが、今日見たら下の方に壊れた橋があり、飛び石にぴょんぴょん渡ったあたりに丸木の真新しい橋ができていた。 その時は渡渉地点がわからず通り過ぎかけたがこんな立派な橋があったら間違えようもない。 安心して進んでいくと前方に切り立った大岩壁が見え始め、いよいよ百尋の滝だ。 そういや今年の春もこの周囲で盛大な滑落事故があったらしく、滝の手前に早くも警告の表示と、ご丁寧に掴んで進むようザイルまで張られていた。 もっとも、背が低くてリーチの短い人にはむしろ使いづらそうな感じだが・・・。

 急階段を下りてまずは百尋の滝の前へ。飛沫が気化熱を奪うせいか周囲より数度寒い。 ただでさえ寒くなったところに前回より時間も早く気温も上がっていないので余計に体が冷える。カメラもないし携帯で数枚撮ったらさっさと撤収だ。それでも10分かそこらここにいただろうか・・・。
  
 百尋の滝から先がまた急登で、下を見るとちょっと怖いな、というところでまた警告の標識と青ザイルが張られていた。うろ覚えだが岳人のレポートによると、春にここで滑落事故を起こした人は200m近く下まで落っこちて重傷を負いながらも奇跡的に生還したらしい。 なんでも道の真ん中の石を避けようとして谷側に足を出したところ、枯葉に隠れていて見えなかった抉れている部分に足を置いて「スカッ」と踏み外していたらしい。 

 そうやって注意してみるとただでさえ狭いところに一箇所なんか抉れているように見えなくも無いところがある。 登り始めならまだ余裕があるが、下りで疲れて集中力を欠き、なおかつ日が暮れて暗くなり始めているところに枯葉で見えなかったら・・・。うむ、ここはどう考えても下りに使わないほうがいいな。 ダブルストックなのでザイルを掴む方がバランスが悪いが、万が一のことを考えて青ザイルに手をそえてここを通過した。 今後何度この山に来ることがあってもおそらくここを下ることは無いだろう。

 恐怖のゾーンを越えて、一気に高度を稼ぎ、足毛岩との分岐をすぎたらいよいよクライマックス・・・というほどのものでもないが、このルート中でいちばんよい雰囲気の場所となる。 
道がやや不明瞭になり、倒木にコケが生し、人が通るとこだけ禿げてそこが道だ、と判別がつくような場所だ。すぐ脇には水が少ない沢と古くなって苔むした堰堤が次々に現れ、「ザ・源流部」といった趣となる。 自分は勝手にここを「トトロの径」と呼んでいるのだけど、人間より狐狸や妖精、もののけの類が似合いそうなところだ。

 去年来たときは1時間遅いのバスだったのと百尋の滝でちんたらしていたこともあってすでに日が高くなっていたが、この時期まだ10時かそこらだと日の光がかなり弱弱しい。 以前より少し寂寥感が増したような気がする森を進むと、沢のどん詰まりに来て水が完全に無くなったゴロゴロ岩のところを通過して上へとつめていく。

 ここから頂上稜線までは日陰になるのでまた肌寒い。さらに上空からゴーと風音が聞こえる。ここでも少し吹いているが、稜線や山頂はかなりの強風なんではなかろうか。 この時期の寒さの備えはしているつもりだが、あまり強風だとラーメンも作らず降りていくことになりそうだ。

 最後の登坂をクリアするとぱっと開けて日当たりのいい稜線に出る。 かつて小屋があった分岐だが、もちろん山頂へ向かう。 ベストシーズンだとここも紅葉が綺麗なはずだが、さすがに山頂直下、この時期ではすでにかなり葉が散っている。 すこし見通しのよくなってしまった尾根を通って最後の登りをこなし、10時32分、山頂に到着した。カメラを持っていなかったしそんなに立ち止まらなかったのでだいぶタイムを削れたのではと思ったが、バスの時間を差っぴくと短縮した時間はせいぜい17分程度だった。 ん~、太ってあまりスピードが出なくなっているのかな・・・。

 それにしても山頂は風が強い!細倉橋で脱いだジャケットを再び着込む。 耳も冷たいのでフードも被る。 富士山のほうを見ると、山頂直下ですれ違った夫婦ハイカーが言っていた通り雲に覆われていた。 まあでも富士山はこないだの三ツ峠で堪能したし、と大らかな気持ちで休憩に入ったが、風が強くてバーナーの効率が悪くなりそうだ。 

 一旦曲ヶ谷北峰直下の分岐のベンチところまで降りてそこで食事にしようかとも思ったのだけど、すぐ後ろから上がってきた女二人組の山ガールが手早く湯を沸かし始めたのでつられるように自分もバーナーを取り出して湯を沸かし始めた。 一応後付の風防もあるのだけど、スノーピークの地は風にそれほど強くないのか、ボンベの内圧が落ちているのか時間がかかる。 小さな泡が出てくる程度のところでカップ麺にお湯を注いで、麺が浮いたところでコッヘルに戻して追い炊きして暖める事にした。 こうするとちょっとだけ短縮できるのだ。

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 ラーメンを食い終わってふと後ろを振り返ると、強風で雲が吹き飛ばされたのか富士山が綺麗に顔を出していた。せっかくなので携帯で富士山を一枚撮り、山頂看板の脇にいた単独行の男性にお願いして記念写真も撮って下山を開始する。 手早く済ませたつもりだったが、山頂には50分もいたようだ。


11190013.jpg

(下り編は続きを読むをクリック!)

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2週連続山梨! 清八山~三ツ峠山縦走! エベレストサミッターに遭遇!

なんと二週連続で登山だ。
紅葉はこの時期だから行ける時に出来るだけ行っておこう!というわけで、二回連続の山梨県への遠征だ。うう。交通費が大変。

 今回は清八山から距離を伸ばして三ツ峠に縦走するというやや長丁場のコースだ。 清八山といえば今年の一月、登山口に入る前に道迷いをやらかして森の中で膝上まで埋まる雪の中を1時間近く彷徨った挙句、なんとかしてコースに復帰した後も雪と疲労で予想外に時間を食ってしまい日没までに下山できず、ヘッドライトの明かりの中憔悴しきって下山したというあの山である。

 で、1月は清八山から本社ヶ丸へ縦走したわけだが、今回の三ツ峠は清八山から反対側のルートとなる。 そういや山頂に立ったとき向こう側にもトレースの跡があったようななかったような。あの日にまた方向を確認しないでまっすぐ向かってたら間違いなく日没に間に合わず下山どころか、どこかで身動き取れなくなって山梨県警山岳警備隊のお世話になっていただろうが・・・。


 前回の道迷いで懲りているのと、雪がないとはいえ清八山から先は未経験ルート、しかも結構長丁場と来てるので、なるべき早起きをして行動開始を早くし、なおかつ食事は出来るだけ行動食で賄い昼食の時間を削って行動時間を増やすことにした。よって山頂ラーメンはお預けである。と言ってもコーヒーを淹れるためのバーナーとコッヘルだけはしっかり持っていくのであるが・・・。

 ちなみにラーメンやおにぎりが無いぶんの食料計画としては、前回の大菩薩峠ではお休みだった甘納豆にご登場願った。 で、甘納豆が小豆の味を担当するので味が被る羊羹にはお休みしてもらって、変わりにソイジョイを採用した。 本当はパチモノのソイフルのほうが安いし量も多いし味も好みなのだが近所の薬局から消えてしまったのでやむなく本家の登場である(逆だろ!)。 そして今回甘納豆とともにメインとなるのはフルグラだ。 ネイチャーバレーとかブルボン、果ては以前自作したような棒状のグラノーラがあればいいのだが、今回は袋入りの物ををポリカーボネイトのボトルに入れて持参した。 このボトルはすぐ口をつけて飲めるよう、メインの蓋に開閉できる注ぎ口が付いており、これが一口ずつ出すのにちょうど良いのだ。 

 そうして前日のうちに準備万端整えて就寝し、今回は前回のように寝坊はしなかったのだけど、ワケのわからない悪い夢で目覚ましが鳴る二時間前に起きてしまい、再度眠りに付こうとするもぼんやりするだけで、なんともスッキリしないまま出発することになってしまった。いつもなら中央本線で転寝するのだけど、眠いはずなのに不思議と目が冴えてしまい、笹子駅に降り立っても頭はどんよりしたまま。 とりあえず歩いているうちに体は目覚めるか・・・と、軽いストレッチとGPSの電源を入れて歩き出す。

 笹子駅から最初の分かれ道の目印のあるガソリンスタンドまでは30分ぐらい、舗装路の終わる変電所前までは1時間くらい歩かねばならないのだが、これがまたとても無駄に感じてしまう。 同じ一時間歩くのでも沢沿いの小路ならまた気分が違うのだが、山の陰になって日のあたらない、時に道路わきに工事用の資材が置かれているだけで殺風景な舗装路など苦行以外の何者でもない。大人数なら大月からタクシーを呼んで(初狩~笹子にはタクシー会社が無い)変電所前まで行ってしまったほうがいいだろう。

清八山1

 変電所から未舗装の林道となるが、前に来た時は雪を被って真っ白だったのであまりにも風景が違って戸惑う。 すぐ脇に排水路と堰堤みたいのがあるが、こんなのあったっけっか?と首を傾げてしまった。 そして、地面も前回は引き締まった雪をキュッキュッと踏みしめて気分よく進んでいたのだが、今日は河原のようなゴロゴロ石の上だ。 踏み外しまではしないもののやや歩きにくい。 そして付け加えるならば、前回は寝坊のためここを通る時点ですでに9時を回っていたのと雪の照り返しでかなり眩しかったが、今日は一時間半近く早いので日も低くまだ薄暗い。

清八山2

 二度目だから大体覚えているだろうと思っていたのだが、これだけ条件が違うとまったく違う場所に来たかのようで、ちょっとした分岐があるたびに「こっちで良かったんだっけか」と不安を覚えてしまう。 それでも変電所から30分ほど進むと見覚えのある段差が見えてきた。 前回はここにある標識を盛大に見落とし、そのまま直進していったら林業用作業道に迷い込んでえらい目にあったのだが、さすがに強い印象を覚えた場所は間違えようが無かった。 ところで以前来たときはこんなに沢山標識が無かったような気がするのだが、ひょっとしたら自分以外にここを通り過ぎて道迷いをやらかした人が何人もいたのだろうか。

清八山3

 前回の失敗を思い出してちょっと苦い気持ちになりつつ、今日はヘマしないもんね、と気持ちを切り替えて登山口へと入る。 登山ポストは相変わらず用紙切れだ。 こんな回収もめんどい雨ざらしのとこに立てとくより駅に置いて定期的に紙を補充しておいたほうがいいと思うのだけど。
 
 行き先とルートは家族に伝えてあるのでここのポストには入れなくてもよいだろう。 そのまま坂道を登り始める。 最初は植林されたばかりの低木の中を行く。 一回禿げた所に植林しなおしたのだと思うが、植えたはしからもう枯死して茶色くなっている木も少なからずあってどうもうまくいっていないようである。 これが上手くいかないとまた表土が流出したりして良くないと思うのだが何とかならないものか。  

 この植林帯を抜けると広葉樹林の中の登山道だが、このルートは清八山の北面にあたり、しかも結構な急傾斜なので日陰になっており中々日が当たらず肌寒い。時折木漏れ日が当たるがあまり明るさは感じないのだ。 日当たりがよくないからなのか黄葉も大菩薩峠に比べるといま一つで、綺麗に色づく前にくすんだ茶色になってしまっている葉もも少なくない。

 登山ポストから50分ほど進んだところに休憩ベンチがあり、一旦ここでザックを下ろしフルグラを口に放り込んだ。 前回はベンチにみっしりと雪が積もっており、雪を払う気力も無かったのでスルーしてしまったが、本来は小休止にちょうど良いころあいの場所だ。 と、そこに単独行の男性が後ろからやってきた。 自分の乗った次の電車だとすると30分ぐらい後のはずだが、いくらなんでも速すぎる。 寝不足でペースが上がらないとはいえ自分はこんなに鈍足だったか、と悲しい気持ちになってしまったが、なんでも笹子駅から追分(歩いて30分ぐらいのガソリンスタンドのところ)まではバスで来たという。 後で時刻表を見たらここで一気に20分以上タイムを縮められるようではあったが、それでも変電所の前に来る時間を考えると自分がだいぶ遅いことには変わりない。 明らかに向こうのペースが速そうなので先行してもらうことにした。 

清八山4

 しかし数十分また進んだところで今度は向こうの人が休憩したことで追い越すことになり、今度はなかなか追いついてこなかった。 ゆっくり撮影でもしながら登っているのかな、と考えながらややペースを上げていくと、木々の間から白く雪を被った白峰三山が見えてきた! いよいよ山頂が近い。変電所前から2時間ほどで清八峠に到着。写真を撮って手帳に記入してさらに先へ行く。小さなコブを超えてその先の山頂に立つと一気に西から南への眺望が広がった。 正面にど~んと富士山、右に顔を回すと赤石岳、白峰三山、甲斐駒、八ヶ岳。

清八山5

清八山6
赤石岳、聖岳 手前のピラミッドみたいなのは釈迦ヶ岳(たぶん)

清八山7
八ヶ岳 結構遠くに見える

 予報では9時くらいから曇りがちになってくるということだったが、今のところ雲ひとつ無い晴天で、まだ10時前ということもあって空気が澄んでいる。おかげで1月のときに勝るとも劣らぬ絶景を堪能できた。 またあの時と同じく雄叫びを上げそうになったが、後ろからすぐ人がやって来るのが判っているので、控えめに「よぉ~っしッ!」と喜びの声を上げるにとどめた。 ここからは前回気になっていながら通ることの無かった三ツ峠への道だ。 ここから向かった場合三ツ峠最初のピークとなる御巣鷹山(日航機が落ちたところと同じ名前だが関係は無い)はものすごい遠くに見えるのだが、大丈夫だろうか・・・。

清八山8
向こうに見えるのが御巣鷹山

 とりあえず斜面を南の方へ降りていくと、一気に日当たりがよくなり気分も晴れ晴れとしてきた。 日当たりがよく気分はいいのだが、坂をどんどん下っていくので、いつもの「ああ、せっかく稼いだ高度がもったいない」という気持ちになってくる。 清八山より高く、こちらから見てもわりかし峻険そうな御巣鷹山が見えているから余計にそう感じてしまうのだ。ちなみにこの「ああ、高度がもったいない」は大幡八丁峠を通過して、大幡山の登り返しに着くまで続く。

大幡山
黄色と緑のモザイク

 ところで気になったのがこの大幡八丁峠~大幡山の西側斜面だ。登山道の両脇はそうでもないのだが、下を見るとかなりの広さにわたって木々が枯死して倒れている。食害によるものか病菌によるものかは判らないが、どちらにせよ斜面の保水力は大幅に落ち、遠からず表土の流失を招くだろう。 早めに何らかの対応を打たねばならないと思うのだが・・・

 営林署の人間でもないのにそんな心配をしつつ進み、大幡山を越えると鉄塔が現れた。222号鉄塔と違い山と高原地図には書いていないのだが、ヤマレコでチェックしていたので道を間違ってはいまい。ちょうど良いのでここで小休止とし、ポリカーボネイトのボトルを取り出してガッとフルグラを頬張った。 ほんのり甘くクリスピーでうまい。 山に登るときは朝食をゆっくり摂る時間が無くつい牛乳ぶっ掛けグラノーラで済ませてしまうので、あえてこいつを行動食にしようと考えたことも無かったが、これもなかなか悪くない。 と、さくさくと枯葉を踏みしめる音が後ろから響いてきた。追い抜き返した単独行の男性がまたひたひたと追い上げてきたようだ。 競争してるわけではないのだが、あんまり近いところで歩き続けるのもなんか気分がよろしくないのでピッチを上げ引き離しにかかった。 ここで長い休憩を取ったのか、この男性とはこれ以降会うことは無かった。 

鉄塔

 鉄塔を後にするといくつかなだらかなアップダウンを超える。 途中の木に「茶臼山 1513m」と書かれた板がくくりつけられていた。あとでGPSログや地図で見ても間違いなくそこは小ピークなのだが、ここはまったく登ったような感触がせずいきなり天辺に着いてしまった感じがしたのが不思議であった。 そしてここを過ぎると急峻な御巣鷹山の登りとなる。傾斜が急になるのと御巣鷹山の北西側の尾根に位置するのでまた急に日当たりが悪くなる。 また、これまでのように適度に落ち葉が積もった快適な道ではなく、木の根っこやごつごつした露岩が飛び出てくるようになる。

茶臼山

 露岩地帯はときおり踏み跡が不明瞭になるため時折やや外れたところを一気にショートカットしたり、時には明らかに正規のルートを外れた踏み跡に入り込んで迂回してしまったりした。目標となる山頂の方角はわかっているし、落ち着いて少し上の方を見ればピンクテープが結わえてあるので迷うようなことはないのだが、この辺雪に埋まってしまったらちょっと難儀するかも知れない。
 
御巣鷹1
山頂が見えてきた

 ちょっとややこしい露岩帯を越えていくと行く先に白くのっぺりした壁が見えてきた。 いよいよ山頂の電波塔の建物が近づいたようだ。 建物の前に夫婦とおぼしき登山者が休憩をしている。 下から軽く挨拶をして登りきって振り返ると、それまで木々に隠れていた南アルプスがまた姿を現してくれた。 どうやら御巣鷹山に登頂したようだ。 ようだ、と書いたのは山頂を示すそれらしき看板や三角点が見当たらないからで、建物をぐるりと回っても記念撮影をするのにふさわしい場所が無いので、そのまま先に進むことにした。

御巣鷹2

 向こうにもまた電波塔が見えるが、何より驚いたのは途中に小型のクローラーダンプがあったことだ。どこかからの登山道はここまでクローラーダンプの踏破が可能な道である、と言うことだろうか。

御巣鷹3

 とりあえず前日の雨でぬかるんだ道を通って第二の電波塔の前を通る。 なにやら建物の向こう側に通じる小さな踏み跡のほうから声が聞こえるのでそっちへ進んでいくと、そここそが三ツ峠の最高地点、開運山の山頂だったのでした! 曇り始めると言う予報はいいほうに外れ、雲ひとつ無い快晴での登頂はやはり気分が良い。 思わず笑みがこぼれる。

開運山

 立派な石碑があるが、この時間帯に富士山をバックに撮ろうとすると逆光になってしまうのが惜しいところであった。 とりあえず回りの登山者にお願いして撮影。パノラマで動画を撮ったら、御巣鷹山で飲むと決めていたアミノバイタルのゼリーを取り出した。  アミノバイタルは山と渓谷の編集長だったかが「めちゃくちゃ効く!まるでドーピングだ!」と言っていたのでちょっと気になっていたのだが、ン千円もするサプリの錠剤を買うのはなんか違うような気がするので、ためしに1個だけゼリーを持ってきたのだった。 果たして疲労した筋肉にキクのであろうか?

開運山2


 
 眺めのいい山頂でゼリーを啜ったりグラノーラをパリパリと食べてるうちに周りにいたグループが一斉に降りてしまったのでしばし山頂を独り占めし、人がいたら恥ずかしいタイマー自画撮りも済ませた。 さて、ではそろそろ最後のピークへと向かいますか・・・。

開運山3
自画鳥

開運山4
開運山山頂からの南アルプス

(下りは続きを読むをクリック) 

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中里介山の小説は読んだ事無いけど大菩薩峠に行ってみた

 払沢の滝に行って以降、休みのたびに台風が来たりなんだりの悪天で行こうと思っていたところに行けないまま10月後半が終わってしまった。 うまく好天なら山、自転車、秋サバ釣りとローテも回せたのに一つとして行く事ができなかった。 

 ちなみに行こうと思っていた山は大菩薩嶺と三ツ峠でどちらも山梨の山だ。 9月に甲斐駒に登った帰りに甲府でほうとうでも食ってくるかと思っていたのだが、下山後長時間バスに揺られているうちに胸がむかむかして食欲がなくなってしまい、そのまま電車に乗ったためほうとうを食い損ねていた。 その事もあって、「よし、次回こそは下山後にうまいほうとうでも食うか!」と考えていたのだが、大菩薩嶺の登山口のうちお気楽に頂上に行ける上日川峠行きの平日のバス運行は10月下旬まで始まらず、おまけに毎日出ているわけではないので運行日に休みが合わないと行けないのだった。 で、ようやく運航日と休みが合ったと思ったらあの台風の連発である。

 で、いよいよ決行なるかと思われていた29日はよりによって前日になって天気の悪化が予想されたため中止、急遽1日に予定を変更してようやく出発となった。 しかし本当に10月は会社の売り上げも悪かったし散々な1ヶ月であった。

 目覚ましより30分早く目が覚めたが、あまり食欲も無いので牛乳ぶっ掛けグラノーラをかきこんでさっさと出発。 予定より早い便に乗ったため乗り換えは余裕で済んだ。中央本線で高尾を出発したら唐突に眠気を催しストーンと寝落ち。ハッと目を覚ましたら目的地の甲斐大和の一つ手前、笹子を出発したところだった。ジャストタイミングと言うか危ないところと言うか・・・。
 
 バス停には既に登山者らしきおっさんが数人並んでいた。 何度か来た事があるらしくバス事情について教えてもらったが、何でもこの栄和交通のバスは、

*山岳路線なので定員自体少ないうえ立ち乗りは不可(補助いす)
*満員になったら時間前だろうと出発
*乗り損ねた人が出ても増発便はなし

というおっそろしい仕様とのこと。満員と見るやすぐに臨時便・増発便が出るカナチュウ丹沢路線とえらい違いではないか。 帰りのバスも上日川峠からは3時で終わりだし、このへんが平日でも登山者が押し寄せる丹沢との差を産んでいるのであろうか。

 バスは補助席を一つ二つ出す程度の満席で出発。 山の中のワインディングロードを行く。 紅葉が綺麗なので車内から写真を撮ろうと思ったのだが、気温が低いせいか窓ガラスがあっという間に曇ってしまうのと、ところどころ送電線が入ってしまうので結局撮れずじまいだった。 まあいい。山に入ればいくらでも撮れるだろう。

 上日川峠でバスを降りると空気はかなりひんやりしている。朝晩は冷え込むと言う予報のとおりだ。とりあえずジャケットを着込み、軽くストレッチをしてからGPSのスイッチを入れ、トイレを済ませて周りの紅葉を写真に収める。ここの高度(1700m)がちょうど紅葉の盛りなのだ。 

大菩薩1

大菩薩2
 
 登山道は途中までは車道と併走しており迷う心配も無いので気楽に進める。 朝の光を浴びて快適な道を進んで行くが、すぐに変調が始まった。 無性に腹が減ってきたのである。

大菩薩3

大菩薩4

 朝は軽く済ませてしまったとはいえ、電車とバスはずっと座っていたし、まだ大した距離を歩いたわけではないのに何でこんなに腹が減るのだ。とりあえず適当なところに出たら何かつまもう。 そうしてしばらく行くと立派な山小屋が現れた。 赤軍派が武闘訓練をしているところを警察に踏み込まれ、一網打尽の逮捕劇となった事で有名な「福ちゃん荘」である。

大菩薩5

 小屋の前は広場のようになっており、休憩にもいい感じだ。 あまり長居するつもりも無いが、とりあえずザックから今回初めての出番となったミルクケーキを取り出してポリポリとかじる。ケーキといってもコンデンスミルクをそのまま固めたようなやつだ。 山形土産として食べた事がある人もいるだろう。


 これで腹が膨れたわけでもないが、甘いものを口にするととりあえず誤魔化せる。 もう一枚のミルクケーキをザックのウェストベルトのポケットに入れ、すぐに出発。ちなみにここ福ちゃん荘は大菩薩嶺の頂上に直登する唐松尾根と大菩薩峠へ向かう道に分岐に位置しているのだが、ほとんどの人はすぐに頂上に行ける唐松尾根へ進むようで、大菩薩峠へ向かう人はほとんどいなかった。 自分は丸川峠へ下っていく予定なので大菩薩嶺に直登してしまうと大菩薩峠への往復が無駄になるので峠周りのルートなわけだが、これだけ広い道であまり人が行かないと不安になってしまう。

大菩薩6


 すぐ後ろからさわやかな青年が追い抜いていったので一安心だが、向こうの足が速い上に写真を撮りながらちんたら進んでいたらあっという間に引き離されてしまったので、すぐに周りに人がいない静山派お気に入りのシチュエーションになった。 とはいえ道は広いし、マイカー入山派か小屋泊早朝出発派かは判らないけれど、上から降りてくる人が時折やってきてですれ違うので完全なる孤独と言う感じもしない。 

 傾斜もそれほどきつくなく歩きやすい道を進んでいくと、途中苔むした巨岩がゴロゴロと転がっている場所を通過した。 以前海沢探勝路を下っていった時もこういうのを見た覚えがある。 たぶんここが沢の源流部で、下に水が流れている岩だけにびっしりと苔むしているのだ。

大菩薩7


 耳を澄ますと岩の下から「こぽこぽ・・・ちょろちょろちょろ・・・」という優しい水音がする。 
「うむ、この豊かな森が保水力を持ってよい水源なっているのだなあ・・・グッドネイチャー!」と寺門ジモンのようにひとりごちつつ更に先へ行くと、森が開けて行く手に山小屋が見えてきた。 壁に白いペンキででっかく「介山荘」と書かれているのが見える。どうやら大菩薩峠に到着したようだ。

大菩薩8
介山荘

 がっちりとした作りの山荘とお土産売店の脇を抜けていくと、「大菩薩峠」と大書きされた立派な道標が立つガイドブックどおりの風景が広がった。前方には前衛峰の親不知ノ頭が聳え立ち、そこへ向かう登山道がくっきりと見える。 丹沢山~蛭ヶ岳でもそうだったけど、こうやって自分の向かう先の峰と道がくっきり見えるというのは本当に気分のいいものだ(疲れてるとげんなりするけど)。

大菩薩9
有名な峠

 先行していた青年が小休止をとっていたので道標の前で交代で写真を撮りあったのち、全景を見回すようにカメラに収める。晴れているとはいえ視界はいまひとつで、南アルプスは白峰三山が見えるだけで甲斐駒は雲に隠れてしまっていた。 それでもこの場所と風景が織り成す解放感は素晴らしい。 日が落ちるのが早いしバス便も少ないのでそういうわけには行かないが、ここでゆっくりバーナーで飯を作ってゆっくり食べたいものだ。
 
 とりあえずここではもう一枚のミルクケーキとソイフル(ソイジョイのパクリ菓子。おいしい)を半分食べて行動再開。 気分のいい登山道を進む。ちなみに前に見えてる峰は最初大菩薩嶺と思っていたのだが(距離感いい加減だな)、手前にある「親不知ノ頭」であった。 大菩薩嶺まではその先にある賽ノ河原や、神部岩、雷岩と言った小ピークをいくつも越えねばならずここからは見えないのだった。 とはいえ、とりあえず眺望が開けて、ピークらしき所までガッと登ってゆく方向が見える峠から親不知ノ頭までが気分的に盛り上がる核心部といっていいのではなかろうか。

大菩薩10
介山の文学碑

 ごつごつした岩場を越え親不知ノ頭にやってくるとケルンが次々と現れる。 右へ曲がり下っていくと荒涼としたの賽ノ河原だ。 ここに林立するケルンは道標でも遭難死者を悼むものでもなく、「一つ積んでは父のため~」ってアレなわけだ。

大菩薩11
賽ノ河原

 しかしいくら荒涼としているとはいえさわやかな秋晴れのこと。 積んでも積んでも鬼にぶっ壊される絶望の場所という雰囲気はあまりしない。 特に一つのケルンは石積みというよりびろーんと横に広がったピラミッドのようになってしまっており、それは賽ノ河原の石積みとしてどうなのよと突っ込みを入れたくなるような立派さで思わず笑ってしまった。 ここに限って言えばどんより曇っていたり、雨・霧のほうが相応しいのだろう。

大菩薩12

大菩薩13

大菩薩14
雷岩

 賽ノ河原を後にして眺望のよい神部岩、雷岩と進んでいく。 雷岩は大菩薩嶺の山頂の手前の小ピークだが、大菩薩嶺山頂は木に覆われて薄暗く、まったく眺望がきかないのでこちらで食事や休憩をとる人が多いのだ。 自分は丸川峠あたりで食事にするつもりなのでここは通過する。そして、雷岩の先の樹林帯を進んでいくと地味ーな標識が立っている大菩薩嶺頂上となる。 

大菩薩15

 
 ただの峠なのに眺望は抜群、小説のタイトルになって、でっかい標識も立ち、おまけに立派な休憩舎や山荘もあり文学碑まで立っている大菩薩峠と比べると、眺望も利かず、樹林に囲われて薄暗く、平坦部が少なく休憩にも不適、標識もちっこく地味とあまりにも不遇な山頂である。 

 そしてこの時、これに追い討ちをかけるようにどんよりどよどよと雲が出てきて太陽も隠れ、ひゅるひゅると冷たい風が吹いてきた。もとよりここで食事にするつもりもなかったが、あまりに寒々しい雰囲気に居たたまれなくなって山頂の標識と自分を入れた自分撮りもすることなくそそくさと降りてしまった。

(後半は続きを読むをクリック!)
 

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Author:piccoli
 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

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