県境を越える 熱海へGO!

 自転車で県境を越えるのはなかなかにワクワクするものです。
 今まで北の方に行った時には千葉をさらに越えて茨城県の大洗市まで、多摩川を遡上しては山梨県の丹波山村まで行ったことがあるのですが、どういうわけか?一番行きやすいはずの静岡県まで到達したことがなかったのでちょろっと行ってきました。  ま、これまで何度か真鶴まで行ってるからそのちょっと先に足を延ばせばもう熱海なんですけどねー。
 ちなみにこの日の予定としては彼岸花を見に埼玉の巾着田まで行こうかとも思ったのですが、さすがにもう時機を逸しちゃったかな・・・と。

 今回は出発前に猛烈に便意を催し、無駄に出発時間が遅れたので、ショートカットしよう!ということでまずは国道246で南西方面に向かい、境川サイクリングロードで一気に南下、江ノ島まで出たら海岸沿いのサイクリングロードで大磯迄・・・というルートでした。 境川サイクリングロードは以前なが犬君と走って以来なのですが、平日で人が少ない上に信号待ちはほとんど不要とあって快調に距離が稼げました。9時に家を出て江ノ島着は11時15分ぐらいだったかな。 

 昼食は時間的にちょうどよかったので大磯の漁協で食べたかったのだけど、ものすごい行列!ここで待っていたら日が暮れてしまいそうなので諦めて小田原(早川)で食べることにしました。

 小田原では以前食べた韃靼そばとまぐろの店「緑水門」があり、ここはすごい美味しいのが判っているのですが、とりあえず新しい店を開拓したいこともあって、まずは小田原の漁協の建物に向かいます。「緑水門は」は他にいい店がなかったり、どこも開いていない場合のキープとすることにしましょう。 漁協の市場内食堂はいちおう一般人でも入れるらしいのですが、自転車ジャージを着たまま「関係者以外立ち入り禁止」のタテカンを無視する度胸もないですし、入り易そうな市場外食堂へ入ることにしました。 ただ、自分好みの狭くて小汚そうな暖簾がかかっている店はこれまた外まで並んでいるので、すぐに入れそうな2階の店に入ります。 

なみ


 店は広くて清潔そうですが、ランチタイムにはやや遅かったか比較的空いていました。 厨房は比較的若そうな兄ちゃんがほとんどで、第一印象では「失敗したかな・・・」と思ったのですが(これまで大体年配の人がやってる店で当たりを引いているので)、時間もないですしさっさと頼むことにします。

 まず外れのなさそうな漬け丼を頼みましたが、なぜか出されたのはカラッポのドンブリ。
「???」と首をかしげていると、なんでもここはご飯がセルフサービスでお変わり自由とのこと。そのご飯も4種類あるというのでまずは炊飯器のある場所に移動しますか・・・。

 4種のご飯は「さば飯」「イサキ飯」「めかぶ飯」「白飯」でした。 めかぶはどうでもいいので他の3種類を白飯だけへらしてよそりますが、加減を間違えて超大盛りになってしまった。 漬けが来るまで味見とばかりにつまんでみましたが、どちらも魚のだしが利いてうまい! かといって生臭くはなく、さすがに単品メニューになってるだけのことはあります。

めし

 やってきた漬けはプリプリの漬けの天辺に卵の黄身が載っている日向めしスタイル。 漬けのタレは甘みを抑えてありますが、おいしくて箸が進む進む! そして一緒に出てくるあらの味噌汁がうまい! おもわずあら汁のおかわりをしてしまいました。 ご飯もよそりすぎたと思いましたが、気づくとバランスよく減っていたので漬けもかなり贅沢な量だったのではないでしょうか。 某定食屋チェーンの向こうが透けて見えそうな漬けとは違います。 これでジャスト1000円なのだから大満足でした。

づけ


 漬け丼とあら汁で腹ががパンパンになって満ち足りた気分ですが、大事なことに気づきました。「これからまだ20km近く走らないといけない!」・・・というか、距離的には短いけど、勾配は緩いとはいえ長い上り坂があるこっからが核心部なのですよね。 うーん。食いすぎた。それでもあまり食休みをしていてもどんどん到着が遅れてしまうので腹をさすり走り出します。 

 根府川のあたりでやはり魚風味のゲップがこみ上げてきました。 腹は苦しく体も重くなっているいのですが、根府川から石橋山~真鶴のあたりは交通量も少なく、緩やかな登りのワインディングロードで、明るい雰囲気のみかん畑の中を行く行程中もっとも雰囲気がよく楽しめるところなので気分よく進みます。 木漏れ日が差したり、左側が開けてわっと眺望が広がったり、時に近くの牧場の馬がかっぽかっぽと歩いていたりで、やはり何時来ても気分のいい道でした。 シーズンにはまだ早くみかんの売店がほとんど閉まっているのは残念でしたが。

海1
根府川

みかん
みかん

岩海岸
岩大橋


 いつもは真鶴で食事をするので真鶴駅のところで左折ですが、今日は熱海までなので直進! 湯河原へと駆け下ります。 ただ、湯河原は海岸沿いに有料道路が走っていて国道からは海が見えないため雰囲気はいまいち。 海浜公園入り口で写真だけ撮ってさっさと通過し熱海へ自転車を進めます。
湯河原

初島
ここまでくると初島が近くに見える!

 熱海市に入ると突如道の両脇に高い建物が増えます。 バブルの時ににょきにょきと建ったリゾートホテルやリゾマンでしょうが、ものによっては山側の斜面からさらに高く張り出しているようで、傾き始めた太陽を隠してしまってこの道全体が陰気臭く感じてしまいました。 建てる前にもう少し考えられなかったのか・・・。

 その陰気クサい道を越えたらもうすぐ熱海の駅です。 海岸沿いに出てもよかったのですが、今回は県境を越えたという事実だけがあればよく、景色と気分のいい道は片瀬海岸と根府川~真鶴で堪能したのでさっさと駅に向かってしまうことにしました。 熱海駅には3時ジャストに到着!

熱海2

 熱海駅前はバブル崩壊後の壊滅的状況からはさすがに立ち直りを見せているのでしょうか、なかなかににぎやかな様子でちょっとホッとしました。 駅前には足湯がありちょっとリフレッシュしたい気にも駆られましたが、お土産になる名入りタオルならまだしも無地タオルを買う気にはなれず、混んでいたこともあり断念してしまいました。

熱海1

 そそくさと自転車を解体して輪行袋に詰めていきます。 ここでうっかりして車輪をフレームに縛り付けるベルトをひとつ落としてしまいました。
 袋に詰めたら切符を買ってさあ出発! 運賃は自宅最寄り駅まで1100円。 距離は100kmちょっとといつもの葉山回りコースや三浦半島ショートカット一周コースよりも短いのですが、直線となるとさすがにこのくらいになるのだな!と頑張った満足感と電車賃をケチりたい気分がない交ぜになっていたのでした。
   

食べた食堂はココ!
小田原魚市場場外市場 港の台所 なみ
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憧れの南アルプス! 甲斐駒ケ岳(2967m) 2日目(後編)

 山頂1



いやった!ついにやった!
思わずガッツポーズが出る。グッグッとこぶしを握って脇を締めたり、天に突き上げたり。
そして山頂の標識に抱きつく。 近くにいる登山者に写真を撮ってもらうと、ふと気になっていたことを思い出したのでザックをおろした。 

GPSはまだ作動しているだろうか。 初日の40分と山荘から仙水峠までと、仙水峠から駒津峰を経由してここまで・・・。 日の出待ちの時は止めていたがそれでも4時間以上は使用しているだろう。 ザックの雨蓋のジッパーを開けて見るとGPSはけなげにピコピコと青いライトを点滅させていた。 山頂ではゆっくりするつもりなのでいったん電源を落とす。

そして改めて周囲を見渡すと・・・。まあなんという景色だろうか。 鳳凰三山のオベリスクの後ろには富士山がくっきり浮かび上がり、 第二の高峰北岳とその隣の間ノ岳も「オラオラ、お前のいるとこよりまだ高いぞ」とばかりにそびえている。すぐ隣の仙丈ケ岳も改めて高さを感じさせる。 はるか遠くには中央アルプスや御嶽山、それから右に目をやると北アルプスの山々が見え、中のひとつはシスパーレ峰のように「ツン!」と突き立っている。 アレが槍ヶ岳か。 そして東にはボコボコとした山塊・・・八ヶ岳だ! その中でも一番高いはずの赤岳が明らかに自分より低いところに見える。 そしてさらに東に控えめに奥秩父山塊の山々(金峰山とか瑞牆山)が・・・。

山頂2

山頂3
鳳凰三山と富士山 くっきりと空気の層があるのがわかる 2500m前後の標高?

山頂5
北岳と間ノ岳右端は悪沢岳と赤石岳

中央アルプス
中央アルプス 右側のごつごつしてるのが木曽駒とか宝剣岳 左は南駒ケ岳と空木岳

御嶽山
御嶽山(おんたけさん)

北アルプス
ちょっとわかりにくいけど真ん中の鋭いトンガリが槍ヶ岳


北アルプス2


八ヶ岳
八ヶ岳

奥秩父山塊
奥秩父


・・・360度遮るもののない大展望! ふと真上を見ても巻雲ひとつ見られない。 ただの快晴でなく、3日前の台風が空気中の塵を掃いていってしまったのだろう。 恐ろしく澄んだ空気のおかげで信じがたいほどの眺望を得ることができた。 富士山の悪天候を取り返しておつりが来るというものだ。

そういえばヤマレコでは三角点とは別に「本当の最高地点がある」と聞いた。 たぶん目の前にあるどんぐり型の岩がそれだろう。 よく見るとステップが切ってあるので登っててっぺんに手をついて写真を撮った。それだけではやはり物足りないので他の登山者に写真を撮ってもらう。 交代でその人も登って自分がシャッターを切った。
最高地点

山頂6

 一通り写真を撮ったら、今回の裏テーマ「山頂でラーメン」を開始する。 今年の冬は何度か山行したものの、より美味しくだべられそうな雪の本社ヶ丸では時間切れ、鷹ノ巣山ではサンドイッチをチョイスしたため食べられず、その後もなんか食欲が無かったり下山後に飯の予定を入れてたりで山頂ラーメンが途絶えていた。 時間はまだ早いが朝飯からもう4時間以上たっているのでライフサイクル的には昼飯で問題あるまい。 バーナーで湯を沸かしラーメンを作った。
ズゾゾゾゾとすすっていると、見覚えのある黒い服の女性が上がってきた。電車の中で一緒になったあのご婦人だ。 食べてる途中だが健闘をねぎらい、山頂での記念撮影係のを引き受ける。教えるとノリノリで最高地点の岩にも登っていった。 食い終わってバーナーやコッヘルを片付けていると、山小屋で同宿の中高年の団体もぞろぞろと登頂してきた。 当初の予定では巻き道を使うつもりだったが全員直登コースで登ってしまったらしい。 年齢を考えると大健闘といえよう。 このグループの記念撮影を終えると次はどっかの大学サークルも次々に頼まれ、にわかに撮影係になってしまった。

三角点
忘れないうちに三角点

 あまりに居心地のいい山頂だったため思わぬ時間を食ったが、そろそろ摩利支天に向かわねばなるまい。 上から見たところ鞍部から摩利支天までは鋭いナイフリッジのようだが、ヤマレコで登頂者の記録を読むと「是非行って!何とかなるから!」という熱いお勧め。自分的にもあの多部ちゃんの出てた南アルプス天然水のCMで
ド迫力の存在感を見せていた摩利支天は是非登っておきたい。 積雪があったとはいえ同じくとんがった岩峰である稲村岩は敗退しているのでそのリベンジ的な意味もある。山頂の祠に一礼すると(でもお賽銭は入れない)非常に満ち足りた気持ちで甲斐駒山頂を後にした。 時刻は9:30。

山頂神社
山頂神社の祠

と、摩利支天に行く前にもうひとつの小ピークである長野県側の駒ヶ嶽神社にも行っておこう。 サクサクと5分ほどで進み、パンパンと手を合わせておく。二拝二拍手一礼とかすっかり忘れているがそれは勘弁してもらおう。なぜかここでは5円玉を供える。 おっとここでGPSの電源を切っていたのを思い出した。危ない危ない。
駒ヶ嶽神社
長野県側の駒ヶ嶽神社本社
駒ヶ嶽神社2

なんか真っ黒い石の柱がボコボコ立っていたり、錆びた刀のオブジェがあったりなかなか異様な雰囲気でよろしい。 ちなみによりハードな黒戸尾根から登ってくるとここが頂上に見えるらしく、やった!着いた!と思うとさらに先に本当の山頂の祠がこんな風に見えて大変がっくり来るんだそうである。
駒ヶ嶽神社3

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憧れの南アルプス! 甲斐駒ケ岳(2967m) 2日目(前編)

 
☆☆☆写真が多いので、二日目を前編後編に分けてお送りいたします☆☆☆

 
 
 
 トイレに起きた後、隣の布団にいた同宿者の鼾でなかなか眠れず、ようやく寝付いたと思ったら数時間で目が覚めてしまい結局計5時間半しか眠れなかった。途中目が覚めずに熟睡できていれば3時半起床でも9時間以上眠れたはずなのになんてこった・・・。 前日の寝不足を取り戻すつもりがこれで完全に目算が狂ってしまった。 

 それでも「あんまし眠れなかったということはそれほど疲れていないことかも」と負け惜しみを捏ねつつ朝飯に向かう。 普段は朝はあまり食欲がないタイプなのだが、今日は長丁場かつハードな行程をこなすためしっかり食っておかないといけない。 メニューはご飯とアサリの味噌汁に卵焼き、納豆、佃煮と数種類の漬物と和え物と正しいニッポンの朝食といった感じ。納豆のパックに添付しているタレがなぜか普段食っているおかめ納豆のタレの3倍ぐらいの分量でビシャビシャになってしまったが、いったいどこのメーカーなのだろうか。 

 流石食事に定評がある仙水小屋、朝食はノリや佃煮だけが当たり前の山小屋にあって珍しいぐらいおかずの分量が多いのだが、日の出に間に合うことを考えるとあんまりのんびり食べて食休みもしていられない。 あわただしく食べてお茶をすすったらすぐに外に出て靴紐を結び、脚のストレッチをしてヘッ電を灯し出発する。時刻はAM4:33。 そういえばこのヘッ電を使うのは東日本大震災の計画停電、本社ヶ丸からの下山、富士山夜間登頂に続いて4度目となるのだが、電池残量はどのくらいだろうか。 

 LEDライトは電池の消耗が遅いので交換も忘れがちになり、どうかしたら液漏れで本体丸ごと台無しにしてしまうことがあるので気をつけなければいけないのだが・・・。そういえば大学時代に鍾乳洞で使うために購入したパナソニックの防水ヘッドランプ(初代)は電池を入れっぱなしにしたせいで液漏れでぶっ壊した苦い思い出がある。 二代目のコールマンはバンドの伸びと電球切れで修理する気もなくなって処分、三代目のOHMは焦点調節リングが1年かそこらで速攻で割れ・・・とどうにもヘッ電を長持ちさせずに壊してしまうことが続いているので、今使っている奴は性能も満足しているし長く使いたいと思っているのだが。

 山荘からはしばらく原生林の中を進む。 林の中はさしたる傾斜もないし「踏み跡をたどればいいんだろ?ちょろいちょろい」と思っていたのだが、10分ほど進んで踏み跡が不鮮明になってるところであっさりとルートを見失ってしまった。 すぐ後ろからやってきた人が「こっちじゃないですかね」と正しいルートをすぐに見つけたのだが、自分が不注意すぎるのが夜闇を舐めてはいけないということなのか・・・。

 森林を抜けると氷河期の名残である「ゴーロ」と呼ばれる巨岩とガレ石がごろごろ転がった岩礫帯となる。不安定な浮石や隙間が多いので足を踏み外したり捻らない様に注意しなければいけない。 大体のところは人が何人も通って石が磨り減って砂礫になっていたりするのでルートの見分けがつくのだが、途中ごっつい石を乗り越えたりして踏み跡が消えたところでまたルートを見失った。 このとき周囲には自分も入れて3人いたのだが、3人そろってルートを見失ってしまったのだ。 すでに空はほんのり白み始めて最初の目標地点である仙水峠はもう正面に見えているから、このU字谷を真っ直ぐ進めば多少のトレースを無視して突っ切ってしまっても着けるのだろうが、やはりある程度ちゃんとトレースをたどったほうが無駄な労力を使わなくて済むので、ある人(俺)は真横に斜面に上り、ある人は真っ直ぐ進みルートを探す。 結局ルートは多少左側斜面にずれていただけだったが、ヘッ電に頼らなければならない薄明かりでなくちゃんと日が昇っていればこんなにルートを見失うこともなかっただろうと考えると、やはり夜間行動とは恐ろしいものである。

 このルート見失い箇所以外は足場が多少悪い以外の困難はなく5:10に仙水峠に到着。 自分より先に山小屋を出発した人は日の出を無視して先に進んだのか、峠には誰もいなかった。 2000mを超えているだけあって流石に寒く、寝るときに着込んだフリースジャケットは小屋を出発するときにも着たままだったのだが、流石に此処まで来ると汗ばんで来た。しかしまだ太陽の光が出ていないので立ち止まるとたちどころに体が冷えるので、結局日が昇るまでは着たままでいることにした。

仙水峠1
日の出前の仙水峠 

仙水峠2
摩利支天の影

 少し明るくなっているので周りを見渡すと、周囲は人の背ぐらいある巨大なケルン(石積みの塔)が10数個
林立している。 山頂の目印だったり慰霊のためだったりルートの目印だったりするものだが、同じところにこれだけ並んでいると壮観と言うか不気味と言うかなかなか異様な雰囲気だ。 賽の河原の石積みってこういうものだろうか。
仙水峠3


 そうこうしているうちに後続の中高年の団体や大学山岳部と思しきグループが到着し賑やかになってきた。 山小屋でがっつり朝食を食べたのでぜんぜん腹は減っていないが、皆行動食をつまんでいるので自分もつられる様に甘納豆を2~3粒口に放り込む。 

 そしていよいよ日が昇り始めた。 富士山の時はご来光を見るために夜間登頂した意味がまったくないような酷い天候だったが、今日は昨日に続き雲ひとつない快晴! 地平線にも雲や霞がかかっていない恐ろしく澄んだ空気のおかげで、これまでに何度か初日の出を見に行ったときにも拝めなかったような見事な日の出を見ることができた。なんというか富士山の借りを見事に返した気分だ。 

仙水峠4
朝日

仙水峠5
朝日を受ける鳳凰三山 オベリスクが見える

 これから間違いなく気温が上昇するのと、この先急坂で激しい運動となるのでここでフリースを脱ぎザックにしまう。 そしていったん止めていたGPSのスイッチを入れ、予備電池としているUSB充電器に差し込んだのだが・・・アレ?USB充電器のライトが作動しない・・・。 なんてこった、これでは間違いなく途中でトラックログが切れてしまうではないかと呪詛をぶちまけたがどうにもならない。 せめて駒ケ岳山頂まで本体内蔵充電池がもってくれる事を祈りつつ5:35に仙水峠を出発した。

 ここからまずは小ピークの駒津峰を目指す。駒津峰までの登りは道中屈指の急坂で、稲村岩尾根や馬頭刈尾根への登りを髣髴とさせるきつさだ。 まずは先に出発した中高年の団体はすぐに追い抜いたが、同時に出発した単独行のおじさんにはあっという間に置いていかれ、後発の大学山岳部とおぼしき若者グループ、単独行の山ガールにも次々と追い抜かれてしまった。 体調は悪くないのだが、なにぶん富士山以降碌に山を歩いていないし、夏中盤の体調不良でトレーニングをサボっていたことでもう若くない身体がどんどん鈍ってしまっているのだろう。

 ただ坂がきついだけでなく、ハイマツやシラビソの根っこがところどころ露出し枝も道を狭めているためストックが扱いづらい。 ところどころ手をかけて登りたくなるような場所もあり、ダブルストックでスイスイというわけにはいかなくなってきた。 途中小さな平坦地があり先行の学生グループが後続を待って休憩していたので、ここで自分も一旦ザックを下ろし、ストックを一本畳んでくくりつける事にした。 ふと後ろを振り返ると鳳凰三山やアサヨ峰、仙丈ケ岳が朝日にまぶしく照らされている。 まだ先は長いがこうやって途中眺望が開けているのは励みになるものだ。 気合を入れなおして再び駒津峰を目指す。 
休憩場所
ストックを収納した小休止場所から見た仙丈ケ岳


 駒津峰の上部のあたりから森林限界になっているのかシラビソの高木が切れハイマツのみになってくる。 息を切らせながら歩を進めること数十分、ついに駒津峰の頂上に着いた。時刻は6:55だ。 頂上は広々としてすばらしい展望が開けている。 

駒津峰1
駒津峰 尻尾を巻いて逃げるなら左へどうぞ

駒津峰2
北岳&間ノ岳

駒津峰3
鳳凰三山&アサヨ峰&富士山
 

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憧れの南アルプス! 甲斐駒ケ岳(2967m) 1日目

 昨年の1月に鍋割山に登頂した際、山頂から真っ白に雪を被った南アルプスを見たときから、「いつかは行ってみたいなあ」とぼんやりと思い始めていた。 その山は後で山座同定すると「北岳、間ノ岳、農鳥岳」の白峰三山だったわけだが、その時はまだはっきりそれに決めていたわけではない。
 
 そして今年の1月、清八山に登ったとき、ぼんやりしていた「南アルプス」の目標は具体的な形をとり始める。真っ白に雪を被った白峰三山から少し離れたところにある、ピラミッドのようにとんがった黒い山に目が吸い寄せられた。 

甲斐駒
中央やや右のとんがり山が甲斐駒

 甲斐駒ケ岳 2967m。 とにかく遠くから見てもカッコいい山容。冬なら塔ノ岳や鍋割山からも見えるというのがポイント高い。そして日本100名山のひとつで、登っている人も少なくないので自分でも何とかなるだろう。というわけで、丹沢縦走の後の最大目標として、夏に登る山第一目標になったはずだった。

 しかし、世界遺産になった富士山を「こういう機会にでも登っとかなきゃいつ行くかわかんないし」という理由で優先したら、その後ここ数年の恒例行事である気管支炎を患った上、夏休みをうまく取れないまま時が過ぎていき、夏の山行にいけないまま8月が終わってしまった。

 しかし甲斐駒だけはなんとしても今年中に登っておきたい!・・・というわけで9月の暇な日に2日だけ休みを取り、夏休みの代わりとして甲斐駒に向かうことにした。 
 ちなみに南アルプスは7月あたりが高山植物の開花で一番いい時期らしいのだが、今年は戻り梅雨などもあったし、晴れた日は晴れた日で暑すぎて水を多量に消費し熱中症になりかけたなどという話も聞くから、登りやすさだけを考えたら9月でむしろよかったのかもしれない。

 そして迎えた9月中旬。 好事魔多しの諺どおり台風が襲来し南アルプス林道が閉鎖。翌日にも中央本線の
脱線事故などもあったが、前日夜には無事復旧し後顧の憂いなく出発することができた。 

 早く家を出たため、最寄り駅からの電車も、高尾駅乗換えの電車も予定より早い便に乗ることができた。 ちなみに中央本線は長時間乗るのでアイマスクと耳栓を装着し仮眠しようと思っていたのだが、隣に座ったご婦人がよりによって同じく甲斐駒を目指すハイカーで話が盛り上がってしまい寝そびれてしまった。 今日はあまり長距離を登らないのではあるが、寝不足は少し不安だ。

信玄
甲府駅前の信玄像

 予定より早く甲府駅に着いたので、バスを待つ間コンビニでおにぎりとスイーツを購入し、少しだけ水を補給しておく。山に入るとゴミを捨てられないので昼飯には早いがおにぎりを食ってしまう。 山小屋の晩飯は早いしまあいいだろう。 

 山梨交通のバスで甲府駅から広河原。 広河原からは山梨市営バスに乗り換えて舗装されていない林道を激しく揺られながら進む。 そういえば春に鷹ノ巣山に登った際、奥多摩線で乗り合わせた登山者に「甲斐駒だったら早出すれば甲斐駒と仙丈のダブルでいける」とアドバイスを受けたのであるが、それは後で調べたら朝4時過ぎに甲府駅発のバスがある土日だけの話であった。そのバスに乗るには前日夜のうちに甲府入りして駅前のビジホに宿泊する必要もあって、土日が休めない自分には難しいプランなのである。
 なお、山梨交通のバスは平日で3本、登山者の多い土・日祭日でも一日4本しかない。平日も朝4時のバスがあったり、甲府に戻る遅い時間のバスが多ければダブルで登るスケジュールもありかもしれないが、なんでも自然保護の観点から南アスーパー林道の1日のバス本数は規制されていてこれ以上増やすことができないんだそうである(マイカーは芦安駐車場までしか入れない)。

切符
山梨交通の切符。 下車時に回収されるのでお土産にはできない。

広河原
広河原 北岳に登る場合はここが基点


 まあそれでも結構自然を痛めつけて開かれたであろうスーパー林道を利用することで昔よりはるかにアプローチが楽になったんだからこれ以上贅沢は言えねえよなあ、とひとりごちつつバスは北沢峠へ向かう。ちなみに山岳信仰の時代は黒戸尾根のほうが表参道で、そちらは現在健脚・上級者向けとなっているのだが、登山口までの路線バスは廃止されており土日祭日の臨時の登山バス(催行されないこともある)か乗り合いタクシー、マイカーでないとたどり着けない。 

バスからの甲斐駒
甲斐駒と摩利支天が見えてきた!

 「アサヨ峰は時計がないほど貧しい炭焼き小屋の人たちが日照たりで朝夜の時計代わりにしていたからその名前がついた」とかの車掌さんの薀蓄にふんふんとうなっているうちに北沢峠に到着。 平日とはいえ台風が来ているうちに乗り込んだり長期滞在で山をいくつも縦走した人たちでかなりの人出である。 今日の目的地はここから40分ほどの山小屋だが、晩飯が早く、3時までにはチェックインして欲しいとのことなのでトイレと柔軟体操を済ませたら早々に出発した。

北沢峠
現在主流の登山口、北沢峠
 
 
 

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来週




多部ちゃんの後ろに聳えている山に登ります。 富士山以上にドキドキする・・・。
プロフィール

piccoli

Author:piccoli
 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

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