神津島(5)

 今日は最終日。 とはいっても船が出るのは11時なので残された時間とチャンスはあとわずか。

何のかって?

 シッタカ大作戦PART2!! 

 昨日の夕方はもう暗くなってしまったので一つも捕獲できなかったが、海岸キャンプで海の幸も獲らずに帰るのはなんとも情けない。 パンとバナナと紅茶のみの朝飯を速攻で詰め込んだ後、素早く海パンに履き替え、右側の磯場から海に飛び込んだ。

 背の高さぐらいの深さのところまで進むと、おお、いるわいるわ。甲高のベーゴマのようなシッタカがびっしりと岩に張り付いている。 まだ朝は早いが、昨日の夕方に飛び込んだ時よりもずっと明るくなってきており、昨日の夕方のようなあせりと怖さは全く無かった。 何よりも水温が高いので安心感がある。 乱獲はよくないのでとりあえずちょこっとつまみになる程度を海パンのケツポケットに押し込んで、すぐに海から上がった。
 
 そして素早くシャワーを浴びて着替え、コッヘルに海水を張って塩水茹でにした。

 水中だと三割ぐらい近くに見えるというが、実際こうやってナベに上げてみると水中で見るよりかなり小さい。 

シッタカの塩茹で

 さて、シッタカの塩茹でを食う時には絶対に必要なものがある。 こいつを殻から栓抜きのように引っ張り出す為に爪楊枝が無くてはならないのだが、荷物を減らすために当然そんなものは持っていない。
 そこで普段全く使っていないビクトリノックスのリーマーを代用したのだが、やっぱり爪楊枝とは勝手が違う。ことごとく途中で千切れ、渦巻き形のを丸ごとパクリ、とは行かなかった。 それと茹で水に海水をそのまま使ったため少ししょっぱすぎた。 鍋一杯の真水に小さじ一ぐらいでいいので、海水を2~3倍に割るべきだった。 
 そして、シッタカの最高の相棒であろうビールを起き抜けにやるというのも気が引けたので、シッタカの魅力を100%堪能というわけには行かなかった。
 が、何はともあれ海の幸を自力でゲットするという目標も概ね達成した。

 食べ終わったら撤収準備だ。 シュラフを削ってしまった分荷物もそう多くないので、時間も大してかからない。 周りのテントの人たちが起きだす頃には撤収のための荷造りを完了。余裕を持ってキャンプ場を後にした。

 「来年の夏の島旅はどこにしよっかなぁ・・・。新島かなぁ、三宅かなぁ・・・」船の待合室でファンタグレープを飲みながら、早くもそんな事に考えを巡らせるのでありました。
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tag : 神津島 キャンプ スノーケリング

神津島(4)

 目を覚ますと初日よりスコーンと抜けた青空が広がっていた。 相変わらず背中が痛痒く、満足な睡眠が取れたとはいいがたかったが、泣いても笑っても一日たっぷり遊べるのは今日が最後なのでこの天気はありがたい。

 さっそく昨日と同じく冴えない朝食をとろうとするが、ナンテコッタイ! 6Pチーズにビッチリ蟻が群がっているではないか! 水を汲んだコンビニ袋にチーズを投げ込みまとめて蟻を退治するが、やはり感覚的に気持ちのいいものではない。しかしあのアルミ箔に穴を開けてしまうとは・・・。アフリカの軍隊アリには及ばずともやはり油断のならぬ虫であった。

 さて朝飯後。 今日はもう山に行ったりあちこち回ったりするつもりはないのだが、クサヤ以外のお土産を買わねばならないので朝のうちに済ませておこうと前浜方面へ向かう。 神津島といえば島焼酎「盛若」なのであるが、神津島酒造は事前に予約しないと見学できないだけでなく、小売直売はやっていないのでゆうパックを扱っているリカーショップを探して集落を回る。結局初日におかずを買った売店で数種類の盛若を購入した。
 
前浜
と、その前に前浜でパチリ。マイルドセブンのCMにも出てくるような青と白の世界。
 
 この後、ついでだからと郷土資料館まで足を伸ばしたのだが、改築のため閉館だった。案内してくれた少年(島一番の悪戯好きのガキといったじつに良い雰囲気を漂わせていた)には悪いことをした。それじゃあ、とまだ見ていなかった物忌奈命神社に向かう。 小さい祠といった神社がほとんどの神津島の神社の中で別格ともいえる見事な境内と社殿、拝殿を擁する神社だった。 4日前に訪れていれば無形重要文化時である例祭「かつお釣り」が見られたようなのだが、それは置いておいても見事な風格のある神社だった。1200年の歴史は伊達ではない。 
物忌奈命神社


 集落での用事を一通り済ませたら再び赤崎へ向かう。 スノーケリングポイントとして他に長浜なり、めいし浜周辺なりを開拓するのもひとつの選択ではあるのだが、潮流の強さもわからない状態で周りに人もいないで泳ぐのはちょっと怖いので、つい安全かつ安定して楽しめる赤崎へ向かってしまうのだ。 海から上がればシャワーも冷たいコーラもあるし。
 
 
ぶっ通し岩
赤崎に向かう途中、長浜の手前にある「ぶっ通し岩」
 
 
長浜天然プール
ここはここで綺麗な長浜。
 
 
トンネルの先
今日はちょっとトンネルの先まで足を伸ばしてみた。

 今日は飛び込み台のある方の梯子からではなく、板張りの遊歩道から整備された石段を下ってエントリー。 透明度は一段と高い上に日差しが強いのでより鮮明に見えるのだが、満ち潮の時は魚はバラけてしまうのか前日までよりやや魚は少なく見えた。 しかしそういうときには得てしてまったく違う物が目に入ってくるものである。
 
この日目を楽しませてくれたのは居着きのトウゴロウイワシの群れ。 おいしくないが、写真には映える。
いわしの群れ


そして、愛らしいイカの赤ちゃん。

イ   カ


 真鶴では写真には収められなかったが、さすがオリンパスμ790。 静止画・動画ともにきっちりと捉えることができた。



 夢中で写真と動画を撮っていたのだが、超巨大な石垣フグ(50cmぐらい?)を写真に収めようとしたところで遂にバッテリーが切れた。最後に捕らえたのは瓢軽な顔のカエルウオ。

カエルウオ



 そこで一旦陸に上がり、バッテリーを交換・・・しようにも予備バッテリーももう無いし、充電器も無いので昼飯に向かう。 当初、明日葉丼をはじめとしたメニューの豊富な「レストラン波浮」で食べようと思ったのだが、見つからなかったので昨日と同じくよっちゃーれセンターの食堂に入った。 今日はピリ辛ゴマ風味の漬け丼。 向こうが透けて見えるような切り身が申し訳程度に乗っている漬け丼に慣れた身には、分厚い切り身が隙間も無いほどみっちり積み重ねられたこのボリュームは暴力的ですらある。 その切り身もマグロだけでなく刺身定食と同じく4~5種類の魚とイカが入っているようだ。

 ここで腹いっぱい食った後は再び赤崎へ。 もうカメラも餌付け用のギョニソーも無い、身一つ(3点セットは付けてるけどね!)でのスノーケリングだ。しかし、こうしてカメラも持たずに潜っていると、不思議と魚が逃げずに近くに寄ってくれる。 魚もやたらとレンズを向けられると殺気を感じてしまうのだろうか。 「カメラを持ってるときに近くに寄ってくれよ!」と思いつつ、スノーケリングを続けたが、じっくりと魚たちと交流するつもりなら、餌も含め余計な物は持たない方がいいのかもしれない。

 今日もここで4時まで潜った末、最後の日だしということで、温泉保養センターへ。 ずっと水シャワーだったので久々の風呂は確かに爽快ではあるのだが、どうしても式根島の野趣溢れる温泉(しかもタダ!)と比べると見劣りがしてしまう。 しかしここは夜9時まで営業しているレストランも併設されているので、メシを手抜きしたいキャンパーにはなかなか便利かもしれない。
 
 温泉の後キャンプ地に戻ったが、最後に一つやることがあった

ふっふっふ。それは何かって?
 
シッタカ大作戦
 
沢尻湾は神津島港よりの磯場は禁猟区になっているのだが、赤崎よりの磯場は特に指定されていない。とはいえ、ライフセーバーの前だとなんとなく後ろめたくておおっぴらに採る気がしないので、シッタカ採りを自重していたのである。 4時20分を過ぎるとライフセーバーはお帰りになるのでもう遠慮は要らないのである。
 日が落ちてかなり暗くなってきてはいたが、いそいそと磯場から海に入ってベーゴマのような巻貝を探す。 初日には笑っちゃうほどいっぱいいたのだ。

 が、どうしたことか、あれほど沢山いたはずのシッタカは一つ残らず見えなくなっていた。 ベラやカゴカキダイはまだうろついているのだが、シッタカだけはもうお休みとばかりにどこかへ隠れてしまったようだった。 仕方なく海から上がろうとしたところ、半身ぐらいの深さのところを悠々とシマアジが泳いでいた。

「へへへ。バーカ」

なんとなく魚にコケにされたような気分でシャワーを浴びた。ちっくしょう、ルアーがあればオマエなぞ・・・。

 今夜の晩飯は残ったサンマ缶と味噌汁という侘しいメニュー。 それでも昼間にたっぷり食ったのでそれで充分であった。

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tag : 神津島 赤崎 スノーケリング キャンプ

神津島(3)

 チク   チク


    チリ       チリ


     ヂリ    ヂリ    ヂリ
 
 
「ほあっちゃっちゃっちゃちゃーーーーーーーーっ」
 
 
背中の焼け付く様な痛みで飛び起きた。
テントポケットを探って腕時計を取り出すとまだ10時。2時間しか寝ていない。

 ここ数年体験したことのない激痛だったが、理由はすぐにわかった。 ラッシュガードはもちろん、Tシャツも着ずに1日中シュノーケリングをしていたので日焼けで火傷の様になってしまったのである。 一番痛いのは肩甲骨の辺りだが、腰の辺り、脹脛、右腕の裏っ側などシュノーケリング中に日の当たるところは満遍なく熱を持っており、とても寝られる状態ではなかった。

 何度となく水飲み場で体に水を塗りたくり水を飲み、火照りを冷まして寝転がるのだが、数時間もしないうちに痛みで目が覚め、何度も寝返りを打つ。 うつ伏せになってはしっくりいかずまたすぐ仰向けになり、痛みに耐えられずマットと接触する面積を少しでも減らそうと横になりを繰り返していたが、痛みは皮膚の内側から出てきているので何をやっても無駄なのであった。

 こうしてうたた寝と飛び起きを繰り返しているうちに空が白み始め、無理やりに目を閉じていても眠ることができなくなってきた。おまけに水飲み場に行くため何度となく開け閉めを繰り返したテントの入り口から侵入した蚊の攻撃が始まったため、やむなく起床。まだ5時である。
 テント内の蚊は5~6匹だったが、たっぷり血を啜ったのか目に見えて肥えており、動きも鈍くなっていた。 癪なので片っ端から撃墜にかかると、潰れる度に驚くほどの血が飛び散った。

 もうちょっと眠りたいところだが今日はたっぷり行動するし、時間はいくらあってもいいので早めの朝食をとってしまうことにした。 荷物を減らしたキャンプで定番のメニューであるパンとチーズとギョニソー。 一昨日の朝にサラダを食って以降、まったく野菜を摂取していないのが気になるが仕方がない、どこかで売店で飲み物を買うときは野菜ジュースでも飲むことにしよう。 いつものキャンプならここで儀式的に朝のコーヒーor紅茶を沸かすところだが、湯を沸かすことすら嫌な暑さなのでバーナーに点火することはなかった。
 暑いといえば昨日の夜中もほとんど気温は下がらず風も無かったため、寝袋代わりに持ってきたクローアップシーツすら使わなかった。シュラフカバーも持ってこないで正解だ。

 あまり意気の上がらない朝食を済ませた後、観光協会で貰ったパンフレットとガイドブック、カメラと三脚と手帳だけを持って走り出した。

 こちらでの行動予定は基本的にその日の気分で決めることにしていて、基本シュノーケリング、気が向いたら山とかその他、って感じだったのだが、同じキャンプ地に泊まった自転車の二人組は昨日のうちに天上山に登って島のあちこちを周ったようなので、「じゃあ俺も行っておかないと話についていけないから」みたいな感じで天上山に行きたくなったのである。 
 とはいえ、くそ暑い炎天下の中500mを越える山を登るのはちょっとぞっとしない。 登るのなら朝早く日の低いうち、できたら曇りのほうがいい。  空を見ると昨日より雲がちなので、これは天が俺に天上山へ行けと言っておるのだろうな、と一人合点して天上山行きを決定したわけである。

 走り出して、前浜海岸の前から坂を上ってすぐに後悔した。ほとんど空荷でパニアバッグを外した状態でもすぐに全部のギアを使い果たす急坂。あっという間に体がオーバーヒート状態になり、押しが入る。キャンプ場を出てから一時間も立たないうちに喉が渇いて自販機のジュースにむしゃぶりついてしまった。
 運が良かったのはこの自販機が天上山に向かう道で最後の自販機であり、うっかり通過したら山に登る前にボトルの水を消費するところだったのだが、それをせずに済んだことだった。

 ジュースを飲み干した後自転車を押し続けていくと、すぐに家が少なくなり緑が増えてくる。 こういう道は基本車が走ることしか考えてないから無理に漕いで行こうとすることは無いのだ。 そうしてしばらくいると、何やら風神の絵の描かれた看板がある。

 「山の神・冷風穴」冷風穴



なんでも夜のうちに山頂で放射冷却で冷やされた空気が閉じ込められ、通ってくる間も山腹に生えているシダ植物などのために冷気が拡散することもない為、何時でもひんやりした空気がでてくるんだそうである。

 「またまた・・・(笑)」

 富士山の風穴のようにデカイわけでもなく(行った事無いけど)、しゃがんでやっと入れる位しかない小さな穴、しかも奥行きが無いのにそんなわきゃない・・・と半信半疑で前に座ったところあれまびっくり、クーラーより冷たい風が心地よく吹いてくるではあーりませんか!

 中にカマドウマとかムカデとかヘビとかいたら嫌だけど、意を決して入り込んで座ってみる。汗が一気に引いていくような冷気に体が包まれ非常に気分がいい。外から冷房がガンガン効いた喫茶店に入ったような感触だが、不自然な寒さではなくややまろやかだ。 中に温度計が設えられていたのでよく確認してみると、この洞の中は10℃前後しかないのだった!! 外は30℃だから実に20℃近い差である。ガンガン冷房の効いた喫茶店どころじゃなかったが、涼しさがまろやかなのが不思議なところである。  それはそうと10℃しかないのなら、これがキャンプ場の近くにあれば野菜や肉を置いておけば一日ぐらい安心ではないか!勿体無い!

 この穴の中で丸まって完全に汗が引くまで休憩してから出発し、天上山のメインルートである黒島登山口に取り付いたのは7:00丁度であった。
天上山黒島登山口
式根島のときと同じ服のような気がするが気にしないように

 登山道は幅が狭いものの、石で整備され階段状になっているのでそれほど難易度が高いわけではない。 しかし、こちらの足ごしらえがトレッキングシューズやトレイルランニングシューズではなく、靴裏にクリートのついたMTB用ビンディングシューズのため油断をしていると足を取られそうになる。 去年の八丈島行きでも自転車で走るのを重視してビンディングペダル&シューズで行くか、クリップペダル+トレイルランニングシューズで行くか迷ったが、さすがにこの道だと(MTB用とはいえ)ビンディングシューズでは厳しい。
 自然、足下を向きながらの登山となるのだが、とにかくこの山はトカゲとカナヘビが多い。樹木はというと、斜面が急で冬場に強い風が吹き付ける環境のせいか高い木は生えておらず、みな背の低い潅木ばかりである。 必然視界は非常によく開けているのであるが、登山道は山の同じ側の斜面をジグザグに登っているので眺望にほとんど変化がなくやや単調だ。 ただ、登ってきた分だけ明らかに高度が稼げてるのがわかるのと、標高を20~30m稼ぐごとに「○合目 標高○○m」という標識とベンチが現れるので成果が判り易く励みになる。

 そんなこんなで一時間ほどがんばると山頂に到着。「えっ?」というくらい早いが、この山は山頂が広く、最高地点もまだまだ先にあるのでこんなものなのである。

 とりあえず昔の要塞というか防塁だった石累と黒島展望地に登る。 すると海側から雲というかガスが上がってきて、急に視界が閉ざされはじめた。曇っていたから覚悟はしていたのだが、霧までとは。
展望地は早々に切り上げて、表砂漠、最高地点、天空の丘などをエイエイとクリアしていく。 実際回ってみると、ここは「てっぺんまで登っていい景色見てハイ終わり」ではなく、登った後のほうが見所がある。最高点に来た時には濃霧で下界の展望はゼロに等しかったが、それまでの潅木地帯が切れて現れる荒涼とした砂漠などを見てしまうと「視界が利かないからすぐ降りちゃおう」とはとても思えない。

天上山山頂

 新東京百景の展望地などは濃霧で台無しであったが、その後に周った裏砂漠などは濃霧のおかげでむしろ幻想的な雰囲気が倍化されていた。 「裏」と名がついているものの、広さといい変化に富んだ地形といい、砂漠としてはむしろこっちが本命と言って差し支えないのではあるまいか。
 ここには必死にへばりつくように僅かなツツジが生えているだけだが、この荒涼とした砂地のおかげで降った雨は素早く地面に浸み込み、無駄に流れ出したり蒸発することなく有効活用されるのであろう。

裏砂漠


 最後に黒島展望地から遠めに見えた千代池(上から見るとそのまんまひょうたん)を周り、黒島下山口から下山。 空荷ならばもうひとつの白島下山口から降りたいところだが、黒島登山口に自転車を置いているので仕方がない。 急な石の階段を下っていくのだが、やはりこの急な坂だと降りの方が恐ろしい。 しばらく行くと先のほうに下山者が見える。 俺のほうが先に上ってきたはずなのに!すれ違わなかったし、今まで人の気配はなかった。なぜだ!白島側から来たのか?と頭を高速回転させたのだが、何のことはない、黒島下山口にたどり着いたところでガスが酷いので諦めてさっさと降りてきただけのことらしかった。

 とりあえず課題である天上山をクリアしてホッとすると、上昇してきた気温ととりあえず忘れていた日焼けした体の火照りがダブルでやってきた。 登山口まで無事戻ると、トイレの洗面台でシャツを洗い、濡れたまま着用。 ウィックロンだしどうせすぐ乾いて、そしてまたすぐ汗でびちょびちょになるのだろう。

 再び自転車にまたがり、次なる目標は多幸湾。 多幸湾に下る道は高処山に挟まれているので一部登りもあるが、基本下りなのでこれまでとは違いかなり楽だ。 ただし、神津島の道路は普通のアスファルトとは異なり、コンクリートパネルを張り合わせたような道路、おまけに見通しの悪いカーブがまだんなく現れるので「軽快に飛ばす」というわけには行かない。 慎重に下っていくと、いつの間にかキャンプ場の中に入り込んでしまった(キャンプ場が広大で道路を挟み込むようにできているため)。

 とりあえず炊事棟で水を補給し、次なる目的地「多幸の湧水」を目指す。 ただ、手元の地図がいい加減なのと人に聞いていないのでどこだかわからない。彷徨った挙句日向神社に入り込み、手水台の水を「これかな?」とアタリを付けたのだが、柄杓にナメクジがついていたので慌てて逃げ出した。

 どこが湧水地かさっぱりわからないのだが、日向神社に行く途中でかいコンクリート製の揚水ポンプがあり、その脇を水が流れていたのでそこを遡って行くと、岩の割れ目から清冽な水が流れ出していた。 さらに登ると水脈は倒木の下のに隠れ、地表に流れ出している気配はないのでここが最上流であろう。 

湧水


 早速そこのボトルにとってみると、驚くほど冷たい。 飲んでみると、とにかく爽やか。冷たい水を飲めば、喉をつたって冷たい塊が落ちていく感触があるものだが、そういった抵抗感がまるでない。 ストンと胃まで落ちて行くというより、飲んでいくそばから口の表面や食道から体の細胞に吸収され、胃に落ちていく前に体と一体化してしまうような感覚だ。
 あまりにうまいので、瞬く間に750ccボトルに二杯飲み干してしまう。 これが多幸の湧水の力か!地元のお年寄りが今わの際に「死ぬ前に飲みたい」というのもわかる気がする。 

 ちなみに、本物の多幸の湧水は海岸沿いに水汲み場が設えてあり、そこが正しい「多幸の湧水」らしいのだが(こんな感じ↓)
http://yamaki.blog.so-net.ne.jp/2007-08-01-2
それほど離れているわけでないし、こっちは岩から割れて出たばっかり、塩ビパイプも通っていない完全無欠の天然水なので多幸の湧水を飲んだと自慢しても差し支えあるまい。

 
 飲めるだけ飲んで、ボトルにもたっぷり詰めて走り出したのだが、あまりの暑さのため多幸の湧水パワーはあっという間に尽きてしまった。ちょっときつい坂になればすぐに押し、なかなか距離が稼げない。

 空港に見慣れない飛行機(ドルニエ)が待機していてもカメラを向ける気になれない(ちなみに集中豪雨と雷のため、自分が見た次の便は引き返してきたそうだ)。曇っているせいもあるが、展望台でも5分も眺めないうちにすぐ出発してしまう。 
 神津島灯台も遊歩道入り口まで来たのだが、小高い丘の上にある灯台を見たとたん登っていくのが嫌になり、引き返して千両池に向かってしまった。 千両池の入り口につくと、さっき引き返した神津島灯台と繋がっており、ああ、無駄な事をしてしまった、とさらにダウナーになる。 登山を挟んだ強行軍なのに、あの簡単な朝食以降何も食べていないし、暑さもきついしでへばってしまったらしい。
  それでも見ておかないと損だわな、と急な斜面を降りていったのだが、こうしたところが得意とは言いがたいビンディングシューズだし、ここで落ちて怪我でもしたらアホらしいので上から写真を撮っただけでここも途中で引き返してしまった。

 下のほうで家族連れと思しきはしゃぎ声が聞こえる。遊泳禁止と書いてあったが、やっぱり超一級のスノーケリングポイント、この崖を降りて泳ぐ(潜る)人もいるようだ。 たっぷり潜った後またこの崖道を登ってくるというのはちょっとぞっとしないが、「天上山に登らず」「ここまで車で来て」「足元は足袋靴(磯を歩くのにも良い)」というのならまったく違った考えになっているだろう。
 
 

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tag : 神津島 天上山 登山 砂漠 オタアジュリア 多幸湾 湧水 名水 千両池

神津島(2)

 昨年の八丈島行きで二等和室の各種騒音に懲りていたので耳栓を用意していたこともあって、さして鼾にも悩まされず、酒も飲まずにすみやかに眠りに落ちることができたのだが、思わぬことで叩き起こされてしまった。

「まもなく大島に到着いたします。下船のお客様は・・・」

のアナウンスである。神津島着は9時過ぎなのに、今はまだ5時前・・・。一旦目が覚めてしまったのでデッキに出るが別にやることもないので出航と同時に客室に戻り再び眠りに入った。しかしその後も利島、新島と一時間おきに起こされたことで完全に目が覚めてしまい、諦めて歯を磨いておきてしまうことにした。

 大島、新島と式根島で客の大半が降りてしまい、一気に船内が閑散とする。ちょっと寂しい気もするが、島内キャンプ場大混雑でもうコリゴリ、ということはなさそうなので自分にとっては都合がよい。

 そんなこんなで9時10分に前浜港に到着。 下船後まずは観光案内所でパンフをゲットしたのちにキャンプの登録。 普段めったにこんな事しないが、話を聞くついでなのでやってしまうことにした。 聞くと、当初の予定の長浜、沢尻湾ともそれほどキャンパーは来ていないとの事。多幸湾キャンプ場は設備が整っているのはいいのだが、有料だし(・3・)、港からは坂を越えていかないといけないので最終日に港に戻るのにキツイかな、という思いがありちょっと二の足を踏んでいたのだが、船を下りるときに子供会の団体キャンプみたいのが目に入ってなんとなく嫌な予感がしたので完全に行く気をそがれてしまった。 

 両方に登録しといて行ってから決定するというまことに俺らしい方針を下した後、北へ向かって走り出した。すぐに気分のいい海岸に到着し、芝生に2~3テントが張られているのでここがキャンプ場だな、とわかる。 屋根付の炊事棟、トイレとシャワー、そして目の前は気分のいい海。 道路に面していて、目隠しのための植栽帯が無いので道路から丸見えなのが気になるが、港からは近いし近くに自販機はあるし、何よりテントから出たらすぐ海に入れるのがいいじゃん!砂浜の脇は磯になっててスノーケリングにもよさそうだし。 

沢尻湾キャンプ場


 ガイドブックで見た限りでは赤崎に近く、目の前に天然プールのある長浜のほうがアドバンテージはありそうだったのだが、こっちも目の前で潜れるし、港にも近い、あと温泉保養センターにも近い、と互角以上の実力がありそうなので、ここ沢尻湾キャンプ場で荷物を置いてテントを設営してしまうことにした。
 
 テントを張った後、そういや昨日の夜から何も食ってねえな、泳ぐ前に腹になんか入れとこ、と前浜港に戻って売店を探したのだが、パンやジュースや菓子を販売してる売店が坂の上のほうにあり早くも汗だくになってしまった。 後で分かったのだが、神津島の住人が利用するような商店はすべてこの坂の上というか中腹にあり、かなり苦労をさせられることになるのである。
 
 とりあえずジャムパンとコーヒーで腹を落ち着かせた後キャンプ場に戻り、早速海パンに着替え、マスクとフィンを装着。ちなみに出発前の天気をウェザーニュースで確認したところ、日別表示では曇り、時間別表示では晴れであった。で、今空を見ると天上山側半分に雲がかかっており、海側は雲が無く、太陽は出たり隠れたりという状況。 この為「この天気ならラッシュガード代わりのシャツいらんよな!」とばかりに上半身マッパで海に飛び込んでしまった。

 向かって右側の磯場から海に入ると、ここ最近入った油壺や真鶴とは一味も二味も違うことがすぐに判った。チリのように浮いている浮遊物はないし、岩礁にへばりついてる貝も多い。茹でて食うとおいしいシッタカが笑っちゃうぐらい沢山いる。 そして魚もカゴカキダイ、オヤビッチャ、ベラが走り回る。小物だけではなく悠々と泳ぐフエフキダイも。フエフキダイ


 夢中になってデジカメを振り回していると、なんとも懐かしい黄色と黒の縞模様をしたブーメランが・・・
 ツバメウオ

ツバメウオ!!

 真栄田岬の人慣れしたツバメウオのように落ち着いておらず、ちょこまかと動き回るのでなかなか横から撮らせてくれない。 必死に追跡してカメラに収めたのだが、うまく撮れただろうか。

 ツバメウオだけでメモリーカードの容量とバッテリーを消耗するのもアレなので、湾中央に浮かんでいる筏のあたりに少しずつ移動する。中央部は砂浜なのだが、深さ2mを超えたあたりからところどころツブ根が現れる変化に富んだ地形なので、完全砂地の浜よりも生き物は豊富。 ジャックナイフで底まで行けば岩にコケギンポやらサビハゼが身を寄せているのが分かる。 何度か潜っていると岩陰にハコフグが身を隠していたりとちょっとしたサプライズもあった。

 その後も筏に登ったり一度岸に上がって再び入ったりを繰り返した末、12:30ごろに海から上がる。ここでずっと潜っていてもいいのだが、もう一箇所も見ておこうかな、と気が変わったので赤崎に向けて走り出した。

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tag : 神津島 スノーケリング キャンプ ツノダシ イバラカンザシ

神津島(1)

 いよいよ神津島へ向かう当日だが、今まさに向かわんとス、というところでトラブルが発生した。正確に言うと会社へ向かう途中だったのだが。

 夜行便の出発がPM11:00なので、7:00までは仕事をして早上がりで竹芝桟橋へ向かうという予定であった。 で、自宅でパッキングを済ませ会社へ向かったのだが、会社まであと数百メートルというところで後輪がパンクしてしまったのだ。 
 やっべえなぁ、荷物積みすぎかなぁ、と呻吟しながら押して進んでいたのだが、数10メートル進んだところで妙な感触がして原因が明らかになった。キャリアの螺子が緩んでシャフトがずり下がり、タイヤの側面を抉ってバーストしていたのである。

 あっちゃ~・・・唯のパンクじゃなくてバーストか・・・。

 痛い出費だが交換するしかあるまい。幸いにして最寄のY'sにパセラ700×25Cの在庫があったので交換することができたが、これが竹芝桟橋へ向かう途中だったり、神津島へ到着してからだったらえらい事になるところだった。 それにしても去年の八丈島行きの際も桟橋での待機中にパンク、帰宅途中にキャリアのずり下がりに見舞われたわけで、同じトラブルというのは大変気分が悪い。

 後輪タイヤは新品&空気充填もばっちり、キャリアもガッツリと螺子を増し締めしてもう大丈夫だとは思うのだが、重量増の不安を少しでも軽減するためにレインウェアは会社に置いて来てしまった。いや、出発前にもうちょっとダイエットできてれば何の問題も無かったんだけど。

 7:00にマックでハッピーセット(子供用。おもちゃをお付けしますか?)をささっと平らげ、会社を出た。相変わらず重さでフラフラしながらテレ朝の横を疾走し、浜松町の竹芝桟橋へ。

 待合室は五月に八丈島へ向かったときとは違い、人気ルートの大島・新島・式根島に加え、三宅島からの帰還客(サイクリングイベントがあったらしく、輪行バッグのツアー客が物凄かった)、これに東京湾納涼船の客が加わり、ベンチシートの空きが無くなるほどの盛況ぶりだった。 夏の新島航路の風物詩とも言える若者グループにバックパッカー、釣り師に家族連れと客層も実に多彩。 やっぱり船旅はコレでなくっちゃ!

 乗船タイムになると指定席を持ったひとから優先的に乗っけてもらえるため、ほんのちょっぴりのブルジョア的優越感を味わった末、特二等船室←( ´,_ゝ`)プッ  へ。荷物を棚に置いて、ビールでも買うてくるかな、と販売機へ向かうと、予想はしていたことだが通路がすさまじいことになっていた。 そう。 真夏の新島航路名物「席無し2等チケット」のお客様である。 109のあたりにたむろってそうなギャル&ギャル男集団がレジャーシートに雑魚寝するこの世の地獄のような風景が繰り広げられていた。 最初っからこういうシチュエーションに慣れていればいいのだろうが、そうではない神経質なギャル男君は
「こんなんじゃ眠れねえよ・・・」
と不機嫌そうに愚痴を垂れているのであった。

 自販機の横でギャル軍団が寝転がっているのでビールを買いそびれてしまい、手持ち無沙汰なのでデッキに上がり夜景を眺めて消灯を待つことにした。 ちなみに特二等船室は二段ベットにそれぞれカーテンが設えられているので体が当たってトラブルになるようなことは無いし、冷房もいい感じなので眠るには一番プライスフォーバリューが高いと思うのだが、こっちの席無し雑魚寝グループでも後部Aデッキなんかは風もあるし、仲間がいるなら楽しそうで結構いいんじゃないかと思ってしまった。 てか、高校~大学生時代ならコレこそが旅って感じで思い出にもなるんだろうなぁ、ともうあまり若くない貧乏旅行者の私は思うのでした。 

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準備完了!

シュノーケルよし
マスクよし
フィンよし
水着よし
クッキングストーブよし
ガスカートリッジよし
ナイフ&フォークよし
テントよし
グランドシートよし
マットよし
デジカメよし
防水ハウジングよし
着替えよし
洗面用具よし
ガイドブックよし
乗船優待券よし
シュラフは要らないからクローアップシーツよし


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Author:piccoli
 自転車、釣り、スノーケリングにハイキングとアウトドア遊びばっかしてる不良中年です。 主な出没地域は三浦湘南、真鶴に奥多摩周辺。 

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